スポーツで足関節を痛めている方は、股関節や重心の見直しがとても重要です。
足部の動きは股関節や重心の位置に影響を受けやすく、パフォーマンスを改善するポイントになります。
今回は足部の傷害を治すために、知っておくべき股関節や重心の関係についてご紹介します。
ヒトのカラダには運動連鎖といって、決まった運動のパターンが存在します。
例えば、足部を内側にひねる(距骨下関節の回内)と骨盤の前傾が起こります。
このように足部の動きによって起こる運動連鎖や、骨盤の動きによって起こる運動連鎖が存在します。
下肢の運動連鎖についてこちらで詳しくご紹介しています。
ご興味がある方はご覧ください。
それでは本題に入りましょう。
スポーツでの足部傷害とは?
スポーツでの足部の傷害には、捻挫、アキレス腱断裂、ジョーンズ骨折、シンスプリントなどが有名です。
足部は唯一地面と接地する場所であり、また股関節や重心の位置に影響を受けやすいのが特徴です。
そのため足部の傷害は足部だけを治療しても良くならないことがあり、それ以外の身体機能も考える必要があります。
足部と重心の関係とは?
先ほど、足部の動きによって運動連鎖が起こるとご紹介しました。
関節の動きだけで考えれば運動連鎖は起こりますが、注意していただきたいのが重心の位置によって運動連鎖ではない動きが起こるということです。
正常の運動連鎖では、距骨下関節が回内すると以下のような運動連鎖が起こります。
このときに膝関節はX脚のように外反しますよね。
しかし、重心の位置が極端に外側だったどうでしょうか。
膝関節はX脚のように外反し同じ動きが起こりますが、これはバランスを保つために起こった運動であり運動連鎖とは異なります。
このように同じ動きであっても運動連鎖で起こったものなのか、それとも重心の位置の影響を受けて起こった運動なのか見極める必要があります。
足部と股関節の関係とは?
足部は股関節の運動によっても影響を受けます。
股関節の同じ動きであっても、大きい場合と小さい場合で足部の動きがことなります。
股関節の内転運動を例にあげて見てみましょう。
股関節を内転させ骨盤が外側へ移動した際に、重心が内側に残った状態の場合では股関節内転運動が大きくなります。
これを足部で調整するため、足部の回内運動が大きく起こります。
これに対し外側への重心移動が少なく股関節内転運動が小さい場合は、足部での調整として回外方向への動きが生じます。
このように同じ股関節の運動であっても足部の動きが異なることがポイントです。
痛みやパフォーマンスへの影響とは?
スネの内側に痛みが生じるシンスプリントや、足底部に痛みがでる足底腱膜炎を起こしている方がいらっしゃると思います。
原因は足部以外に股関節や重心の位置である可能性があります。
先ほど、重心が内側に残り股関節内転運動が大きい場合は、距骨下関節の回内で調整しているとご説明しましたね。
このように距骨下関節の回内が大きくなることで、常に後脛骨筋や足底腱膜に伸張ストレスが加わり、結果としてシンスプリントや足底腱膜炎を起こしてしまいます。
足部は重心や股関節の影響を受けるため、傷害を治すには足部以外にも股関節や重心の関係についてもしっかり抑えることが需要です。
まとめ
今回は足部と股関節や重心の関係についてご紹介してきました。
足部の動きは股関節や重心によって影響を受けることがポイントです。
スポーツによる傷害を治す場合には、足部以外にも股関節や重心の位置をしっかりと確認しましょうね。
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