病院やクリニック、老健などのリハビリの種類や内容、医療保険や介護保険でのリハビリの違いについてご紹介します。
リハビリには色々ありますが、温めたり、電気を当てたりすることがリハビリだと思っていませんか?
温めたり、電気を当てることはリハビリの一部で、実はリハビリには理学療法士というプロの職種がいます。
それではリハビリのプロである職種のご紹介、リハビリの種類や違いなど、普段疑問に思われていることを徹底解説いたします。
リハビリには3つの専門職があります。
□理学療法士
□作業療法士
□言語聴覚士
3つすべての職種が国家資格であり、それぞれ得意とする分野を中心に、さまざまな場所で患者さん一人一人のカラダの状態をしっかりと把握し、個々のカラダにあった専門的なリハビリを提供しています。
理学療法士とは
理学療法士は、歩行や基本的動作を中心にリハビリを行っています。
理学療法は以下のように定義されています。
理学療法とは病気、けが、高齢、障害などによって運動機能が低下した状態にある人々に対し、運動機能の維持・改善を目的に運動、温熱、電気、水、光線などの物理的手段を用いて行われる治療法です。
「身体に障害のある者に対し、主としてその基本的動作能力の回復を図るため、治療体操その他の運動を行なわせ、及び電気刺激、マッサージ、温熱その他の物理的手段を加えることをいう」と定義
理学療法士は、高齢から子供、スポーツ選手など幅広い方のリハビリを行っており、ケガや障害などで運動機能が低下した方に対して、運動を行ったり、歩く練習などを行い、補助として温めたり電気をあてたりします。
理学療法士はマッサージなどをするだけでなく、歩けるようになる練習やスポーツ復帰できるようになる練習などを行い、日常生活への復帰やスポーツ復帰などを目指します。
作業療法士とは
作業療法士とは、、、
作業療法とは,身体又は精神に障害のある者,またはそれが予測される者に対し,その主体的な生活の獲得を図るため,諸機能の回復,維持及び開発を促す作業活動を用いて,治療,指導及び援助を行うことをいう.
作業療法士は、日常生活動作である排泄や食事などの動作の練習や、調理や洗濯、買い物などの練習も行います。
この他にも発達障害や高次脳障害などのリハビリも行います。
言語聴覚士とは
言語聴覚士とは、、、
ことばによるコミュニケーションには言語、聴覚、発声・発音、認知などの各機能が関係していますが、病気や交通事故、発達上の問題などでこのような機能が損なわれることがあります。言語聴覚士はことばによるコミュニケーションに問題がある方に専門的サービスを提供し、自分らしい生活を構築できるよう支援する専門職です。また、摂食・嚥下の問題にも専門的に対応します。
脳卒中(脳梗塞や脳出血など)や聴覚障害、発達障害、発声の障害などの方に対し、リハビリを行います。
また高齢者や脳卒中の方など、食べる機能が低下した方に対し、食べる練習なども行っています。
リハビリには様々な種類があります。
入院中のリハビリ、外来でのリハビリ、老人保健施設やデイケアでのリハビリ、自宅での訪問リハビリなどさまざまな種類のリハビリがあります。
リハビリの種類はさまざまですが、それぞれリハビリの目的や内容などが異なります。
それでは解説していきましょう。
入院中のリハビリ
入院中のリハビリで対象となる病気はさまざまです。
主治医がリハビリが必要と判断した場合、入院中のどんな患者でもリハビリを行うことがあります。
脳卒中(脳梗塞や脳出血)
骨折や腰痛などの整形外科疾患
肺炎などの呼吸器疾患
心筋梗塞や心不全など
がん
嚥下障害 など様々
リハビリの内容は、歩く練習や生活動作の練習、食べたり話したりする練習、車椅子に乗る練習など、個々の患者に適した内容を理学療法士や作業療法士、言語聴覚士が評価し、個々に合ったリハビリメニューを作り行います。
外来リハビリ
退院後にリハビリ継続が必要と医師が判断した場合は、外来でもリハビリを継続して行います。
またクリニックなどでは、腰痛や五十肩などに対してもリハビリを行ったりしています。
病院でのリハビリは手術後に退院した方のリハビリを行うことが多いですが、クリニックでは変形性膝関節症や腰痛、五十肩などの手術をしていない方のリハビリをすることが多くあります。
介護老人保健施設でのリハビリ
介護老人保健施設は、”老健”とも言われています。
介護老人保健施設は、入院後に入所する方もいれば、自宅に退院してから通われる方もいます。
介護老人保健施設に通いリハビリを行う場合は、通所リハビリといい”デイケア”とも呼ばれています。
老健でも歩行練習や生活動作の練習を行います。
入院中や外来でのリハビリでは、手術を受けた方、また社会人の方など比較的若い方〜中高年の方が対象になることが多いです。
これに対し老健は介護保険を取得している高齢者を対象としているため、高齢者中心のリハビリとなっています。
そのため、自宅での生活で困っている動作(歩行や段差、お風呂)などの練習も行っていきます。
デイケアのリハビリ
“デイサービス”や“デイケア”は、同じように思えますが、実は異なります。
デイサービスは“通所介護”、デイケアとは“通所リハビリテーション”のことを指します。
デイサービスはリハビリがありそうに思えますが、理学療法士によるリハビリはなく、看護師や介護士によって集団での体操などが行われます。
デイケアでは、理学療法士によるリハビリがあり1対1での個別のリハビリを行います。
これに加え、デイサービスのように集団での体操なども行われます。
理学療法士や作業療法士にしっかりとリハビリをしてもらいたいという希望がある方は、デイケアの方がいいでしょう。
特別養護老人ホームでのリハビリ
特別養護老人ホームは“特養”ともいわれます。
特養は障害などによって自宅での介護が大変になった方が生活する場所のことです。
リハビリの内容も様々で、車椅子に乗るリハビリや排泄動作のリハビリ、ベッドの上で関節を動かすリハビリなどさまざまです。
介護療養型医療施設でのリハビリ
介護療養型医療施設は、”療病型病床”や”療養型病院”ともいいます。
療養型病床では医療行為に加えリハビリも行われます。
リハビリでは理学療法士や作業療法士によって、関節が固くならないようにストレッチを行ったり、筋力低下を防ぐために運動を行ったりします。
また、車椅子に乗る練習や日常生活動作の練習も行ったりします。
療養型病床は、医療行為が必要な方が入所するところで、医療行為が落ち着いた場合は他の医療機関へ移動となります。
訪問リハビリとは
訪問リハビリは、自宅に理学療法士などのリハビリ職が訪問しリハビリを行うことです。
自宅の中で生活動作の練習をしたり、屋外を歩いたりするなど実際の生活環境の中でリハビリが行われます。
自宅内でリハビリが行えるため、実際の生活に近い状態で動作の練習をできるため、生活動作練習をする方にはとてもよいでしょう。
リハビリ種類のまとめ
このように様々な医療機関でリハビリを受けることが可能です。
しかし、同じリハビリであっても、医療保険と介護保険で対象が異なるため、注意が必要です。
例えば、訪問リハビリは介護保険でのリハビリとなるため、医療保険では受けることはできないため、介護保険を取得する必要があります。
医療保険と介護保険は、使えるサービスや取得方法、対象者などが違います。
上記で、様々なリハビリについてご説明しましたが、リハビリによって介護保険が必要となるものがあります。
保険 | リハビリ |
医療保険 | 病院でのリハビリ,病院やクリニックでの外来リハビリ |
介護保険 |
デイケア,介護老人保健施設, |
表のように、リハビリを受ける場所によって医療保険と介護保険のどちらを使うか異なります。
デイケアや老健でリハビリを行う場合は介護保険が必要となるため、必ず介護保険の取得が必要となります。
それでは医療保険や介護保険について、詳しく解説していきます。
医療保険とは
医療保険には、公的と民間があり普段みなさんが使っている健康保険が公的な医療保険にあたります。
3割負担や1割負担など聞いたことがあると思いますが、これが公的な医療保険です。
これに対し、CMなどでやっている保険に任意で加入するのが民間の医療保険です。
病院でのリハビリや治療は、公的な医療保険である国民健康保険が使われます。
これにより窓口での支払いが3割負担や1割負担などになります。
介護保険制度とは
介護保険制度は2000年に制定されました。
近年、高齢化や核家族化が進んでいます。
仕事や子育てなどで若い世代が自宅で高齢者を介護することが困難になっていることも現状あります。
介護保険制度の目的は厚生労働省より以下のように提示されています。
家族の負担を軽減し、介護を社会全体で支え ることを目的に、2000 年に創設されたものが介護保険制度
介護保険制度によって、介護サービスを受けられるようになり、介護負担の軽減、仕事と介護を両立できるようになった方も大勢います。
それでは介護保険制度の利用方法や介護保険サービスの料金など、一般の方々が気になる部分を解説していきます。
介護保険を使える方とは?
介護保険の被保険者(加入者)は以下のように厚労省で定められています。
①65歳以上の者(第1号被保険者)
②40~64歳の医療保険加入者(第2号被保険者)
①65歳以上の者:原因を問わず要支援・要介護状態となった場合
②40~64歳の者:特定疾病に該当し要支援・要介護状態になった場合
特定疾病とは
特定疾病とは、心身の病的加齢現象との医学的関係があると考えられる疾病であって次のいずれの要件をも満たすものについて総合的に勘案し、加齢に伴って生ずる心身の変化に起因し要介護状態の原因である心身の障害を生じさせると認められる疾病である。
- がん【がん末期】
- 関節リウマチ
- 筋萎縮性側索硬化症
- 後縦靱帯骨化症
- 骨折を伴う骨粗鬆症
- 初老期における認知症
- 進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病
- 脊髄小脳変性症
- 脊柱管狭窄症
- 早老症
- 多系統萎縮症※
- 糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症
- 脳血管疾患
- 閉塞性動脈硬化症
- 慢性閉塞性肺疾患
- 両側の膝関節又は股関節に著しい変形を伴う変形性関節症
特定疾病に該当する方は、40〜64歳の方でも介護保険制度を利用することが可能となります。
介護保険料とは?
介護保険料は健康保険に加入している40歳以上の方が納めます。
つまり健康保険とは別に介護保険料を納めるため、40歳からは納める額が上がります。
納める保険料は各市町村で異なりますが、月々およそ5000円〜5500円程度です。
年間にするとおよそ6〜7万円ぐらいになります。
納めた介護保険料を使って、デイサービスやヘルパーなどの介護保険サービスは運用されています。
【第1被保険者(65歳以上)】
介護保険の運営を行う「保険者」である市区町村が、3年ごとに策定する「介護保険事業計画」の予算の21%が第1号被保険者の納める保険料の総額。それを第1号被保険者の数で割ったものが、基準となる介護保険料です。
しかし、全員同じ保険料にすると、人によっては負担が大きくなってしまうこともあるので、被保険者本人や世帯の収入、合計所得などによっていくつかの所得段階を設定し、保険料を計算しています。
【第2被保険者(40〜64歳)】
全国の介護保険サービスにかかる費用の見込みをもとに、第2号被保険者が1人あたり平均していくら負担するかを毎年、国が定めます。
第1号被保険者の2015~17年度の介護保険料は、平均で月5,514円。第2号被保険者の2016年度の介護保険料は、平均で月5,352円となっており、要介護者の増加とともに保険料も増加傾向にあります。
介護保険の利用や取得方法
初めての方は、“介護保険料を納めていれば介護保険サービスを利用できる”と思っている方が多いですが、介護保険料を納めていても利用はできません。
デイサービスやヘルパーなどの介護サービスを利用するには、介護保険の取得が必須となります。
介護保険の申請を行い、介護保険を取得することで初めて介護保険サービスを利用することができるようになるため注意が必要です。
それでは介護保険の申請の仕方や流れについて解説します。
介護保険の申請手順
大まかな流れとしてはこのような感じになります。
①役所の窓口要介護認定の申請
②第1次審査:主治医意見書と聞き取り認定調査
④第2次審査:介護区分が決まる。(要介護や要支援など)
⑤介護保険の交付
被保険者証
窓口に行く方の本人確認ができるもの
個人番号がわかるもの(マイナンバー)
申請書
主治医の氏名と医療機関 (かかりつけの医師や医療機関)
まずは、最寄りの役場に行き、介護課や高齢課などの担当窓口に行きましょう。
介護保険について詳しく知りたい方は、窓口で教えてもらいましょう。
窓口では、介護認定の申請書類を提出します。
申請書類は、役所でもらえたり、役所のホームページから取得することができます。
被保険者氏名や住所(申請する人の氏名)
個人番号(マイナンバー)
主治医や医療機関名(かかりつけ)
窓口に申請に行く方の氏名や住所
印鑑 など
各市区町村で若干異なりますが、大体はこのようなものを記載します。
主治医や医療機関名の記載欄があるため、予め確認してから行きましょう。
申請後、役所から認定調査員が申請者の状況を調査しに来ます。
自宅で生活をされている方は自宅に、入院されている方は入院先の医療機関に来ます。
調査時に、カラダの状況や歩行状況、認知面などさまざまな情報を調査していきます。
その情報をもとに第1次判定をコンピューターで行われます。
第2次判定として、第1次判定の結果や主事意見書、その他の書類などをもとに介護認定審査会で介護認定の区分などが決められます。
この一連の流れはおよそ1ヶ月程度かかるため、介護保険が実際に取得できるのは申請してからおよそ1ヶ月後が目安となります。
介護認定の区分とは
介護認定の区分は、全部で7段階あります。
区分 | 状態 | サービス |
自立 | 日常生活が自立している。介護サービス必要なし | なし |
要支援1 |
日常生活はほぼ自立。掃除などの一部にならかの介助を要す |
予防サービス |
要支援2 |
排泄や食事など一人でほぼできる。掃除などの一部に介助を要す。 |
予防サービス |
要介護1 |
立ち上がりや歩行など一人でできるが支えが必要なことがある。 |
介護サービス |
要介護2 |
立ち上がりや歩行など何らかの支えが必要。 |
介護サービス |
要介護3 |
立上りや歩行など一人でできず介助が必要。 |
介護サービス |
要介護4 | 排泄や入浴、更衣、移動など、日常生活全般的に全面的な介助が必要。 介助がなければ生活が困難。 認知面が低下していることがある |
介護サービス |
要介護5 | 排泄や更衣、食事、移動など日常生活全般的に介助が必要。 介助がなければ生活が困難。 寝たきりの状態。 認知面が低下していることがある |
介護サービス |
要支援1が最も介護度が低く、日常生活はほぼ自立している状態です。
要支援1や2では、要介護に移行しないように予防的なサービスが行われます。
要介護5は介護度が最も高く、ほぼ寝たきりの状態で、介助がなければ生活を送ることが困難な状態です。
そのため要介護度が高いほうが重症の扱いとなり、支給限度額が高くなります。
つまり、介護度が高いほうが使えるサービスの幅や量、回数が多いということです。
介護度が低くても介護保険サービスを多く使うことはできますが、支給限度額を超えた場合は実費での支払いとなります。
介護保険で他のサービスとは
介護保険を取得することで、デイケアでのリハビリ、デイサービス、訪問リハビリ、ヘルパーなどを利用することができます。
実はこのようなサービス以外にも、住宅改修をする際に補助がでます。
例えば、脳梗塞や骨折してしまい、リハビリをしたことで手すりがあればトイレに一人で行けるようになったとします。
しかし自宅のトイレには手すりがついていない。
このような場合、介護保険で手すりを取り付けることができます。
トイレ以外にも段差の解消や電動ベッドのレンタル、などなどさまざまなサービスを受けることができます。
介護保険を使って自宅を改修した場合、最大20万円までが適応範囲となり、そのうち18万円が補助され、実質支払う金額は2万円となります。
例えば、自宅に手すりをつけたり、段差を解消したりしたとします。
住宅改修にかかった費用が25万円だとしたら、
25万円−18万円(補助)=7万円(支払額)
このように介護保険ではさまざまなサービスを受けることができます。
医療保険と介護保険では、行えるリハビリが異なります。
デイサービスなどは医療保険では行うことができないため、特に注意が必要です。
それでは詳しく解説していきます。
医療保険でのリハビリとは
医療保険でのリハビリは、病院やクリニックでのリハビリが中心です。
例えば、○○総合病院、○○整形外科クリニック、○○医院など、健康保険証を使う場所でのリハビリがこれにあたります。
リハビリの対象者はさまざまで、整形外科疾患や脳梗塞などの脳血管疾患、肺炎や心不全などの内部疾患など様々です。
主治医がリハビリが必要と判断した場合は、どんな疾患でもリハビリを行います。
リハビリの料金とは
リハビリは20分を1単位として行っています。
例えばリハビリを40分行ったり2単位、60分行ったら3単位と増えていきます。
リハビリの料金は、疾患によって1単位の料金が異なります。
また、これに加え他の加算がつき、合計した料金がリハビリ料金となります。
(※施設基準Ⅰの場合)
疾患 | 診療報酬 |
脳血管疾患 | 245点 |
運動器疾患 | 185点 |
廃用症候群 | 180点 |
心大血管 | 205点 |
呼吸器 | 175点 |
脳梗塞の患者さんがリハビリを1時間行った場合を例にあげましょう。
脳梗塞は脳血管疾患ですので、1単位245点になります。
(わかりやすくするために、他の加算は抜いて計算)
245点×3単位=735点
735点×10=7350円(1時間あたり)
医療保険は1〜3割負担なので、3割負担であればおよそ2200円、1割負担であれば735円となります。
脳血管以外もこのような計算方法で、おおよその料金を出すことはできますが、一点気をつけることがあります。
それは、疾患によって料金が異なることです。
脳梗塞で1単位リハビリを行うと脳血管疾患のため245点、骨折の手術後に1単位リハビリを行うと185点となり、同じ時間リハビリを行ったとしても60点分の差が疾患によって生じるため料金が異なります。
リハビリの期限とは
リハビリにはリハビリを行える期限というもの決まっています。
リハビリをいつまでもダラダラとやるのではなく、基本的にはこの期限内でしっかりとリハビリを行い終えられるようにします。
疾患 | リハビリ期限 |
脳血管疾患 | 180日 |
運動域疾患 | 150日 |
廃用症候群 | 120日 |
心大血管 | 150日 |
呼吸器 | 90日 |
診断日もしくは手術をした日からカウントされ、上記の表の日数の間だけリハビリを行うことができます。
注意点は、リハビリを開始した日からのカウントではないということです。
また、脳血管疾患であれば180回ではなく、診断日もしくは手術日から180日の間ということになります。
この期限より超える場合は主治医に許可がなければリハビリを継続することはできません。
リハビリはずっと行えるわけではないので、頭の片隅に入れておくとよいでしょう。
回復期リハビリテーションとは
救急車で運ばれたり、手術を行う病院を急性期病院といい、主に治療を行う場所です。
治療を来ないながらリハビリを行い、急性期の時期でリハビリが終わりになり方もいます。
急性期病院で治療が終わり、あとはリハビリだけになった方に関しては、回復期リハビリテーション病院でのリハビリに移行していきます。
回復期リハビリテーションはリハビリを集中して行う場所のため、1日に2〜3回リハビリを行っていきます。
介護保険でのリハビリとは
介護保険領域でのリハビリもさまざまです。
よく利用されるリハビリをご紹介します。
介護老人保健施設でのリハビリ
介護老人保健施設とは・・・
介護老人保健施設とは、要介護者であって、主としてその心身の機能の維持回復を図り、居宅における生活を営むことかができるようにするための支援が必要である者に対し、施設サービス計画に基つづいて、看護、医学的管理の下における介護及び機能訓練 その他必要な医療並びに日常生活上の世話を行うことを目的とする施設。
介護老人保健施設は“老健(ろうけん)”とも言われ、老健でのリハビリでは自宅で生活できることを目標としてリハビリを行っていきます。
歩く練習やトイレの練習、段差の練習、更衣動作の練習など、日常生活で必要となる動作のリハビリを行っていきます。
デイケア・デイサービスでのリハビリ
デイケアとデイサービスの違い
デイサービスとデイケアは同じように感じますが、実は違います。
デイサービスは“通所介護”のことをいい、デイケアは“通所リハビリテーション”のことをいいます。
どちらも通所のため、自宅で生活をしている方が、週に数回“介護”や“リハビリテーション”を受けに通います。
デイサービスやデイケアは、車で送り迎えをしてくれるため、自宅からの移動手段がない方でも通うことができます。
デイサービスでのリハビリ
デイサービスは通所介護のため、基本的には理学療法士などのリハビリ専門職種によるリハビリはありません。
デイサービスでは、看護師や介護士が中心となって集団で体操をしたり、歌を歌ったりすることがリハビリとして捉えられています。
デイケアでのリハビリ
デイケアは通所リハビリテーションのため、基本的には理学療法士や作業療法士、言語聴覚士といったリハビリの専門職が、利用者と1対1で個別にリハビリを行います。
リハビリの内容として、ストレッチやマッサージ、筋力トレーニング、生活動作の練習、歩行練習、食事動作の練習や嚥下の練習など、利用者の方が生活でうまくできていない動作の改善などを目的に介入しています。
そのため歩行や動作の改善などでしっかりとリハビリを行いたい方は、デイサービスよりデイケアの方が合っているでしょう。
介護療養型医療施設でのリハビリ
介護療養型医療施設では、医療やリハビリを受けられることが特徴です。
点滴や胃ろうなどの医療的管理が必要な方は老人保健施設などに入所することはできませんが、介護療養型医療施設は医療体制があるため入所することができます。
※胃ろうとは:口から食事を摂取することが困難になった方が、胃に管を入れ、そこから食事の代わりとなるものを入れる方法になります。
リハビリも、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士といったリハビリの専門職によるリハビリが可能となります。
特別養護老人ホームのリハビリ
特別養護老人ホームは、“特養(とくよう)”と呼ばれることが多いです。
また、別名として介護老人福祉施設とも言われます。
特養は自宅での生活が困難な方が入所する施設です。
例えば、寝たきりで動けない、重度の認知症で自宅で介護ができないなどといった方が多く入所されています。
特養の良い点は、料金が比較的安く、長期間の入所も可能で、24時間の管理体制となっています。
特養は良い点ばかりではなく、デメリットもあります。
特養の入所は誰でもできるというわけではなく、要介護3以上という基準が設けられています。
つまり、それより低い段階の要介護者は入所することができないということです。
特養は比較的費用が安く、長期間の入所が可能なため、なかなか空かずに入所することが難しいケースもあります。
特養に入所する方は、寝たきりなど生活することが困難な方が多いですが、入所中はリハビリも行ったりします。
リハビリといえば、歩く練習のイメージが強いですが、歩く練習以外にも、車椅子に乗る練習や座る練習、関節を動かして固くならないようにすることもリハビリです。
特養でのリハビリは、車椅子に乗り他の方と交流したり、ベッドのわきに座る練習などをします。
座ることで、肺炎などの予防になったり、筋力などが低下してしまう廃用症候群の予防にもなります。
また関節が固くなってしまうと着替えをするときに大変になってしまうため、関節が固くならないようにストレッチをすることも大切なリハビリです。
このように重度の介護が必要な方でも、リハビリはとても大切です。
リハビリの料金
リハビリなどを行った際にかかる料金は、地域や介護度によってことなります。
地域によって料金が異なり、東京23区など都心では高く、地方ではやや低く設定されます。
また介護の重症度によってかかる金額が違い、要介護5が最も高くなります。