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整形外科疾患のリハビリや手術、予防方法を理学療法士がわかりやすく解説!

カラダの各関節・部位ごとに痛みやケガを疾患ごとに検索できるようにまとめています。
痛みやケガの原因や症状、治療、リハビリ、予防について、理学療法士が徹底解説!

 

股関節の痛みやケガ

股関節は、骨盤の臼蓋と大腿骨で構成させる関節です。

股関節で特に多い疾患をご紹介します。

 

大腿骨頚部骨折とは

大腿骨頸部骨折の要点

原因:転倒が最も多い。自宅内での転倒も多い

症状:足の付根の痛み,立ったり歩けないなど

診断:診察,レントゲンやCT検査

治療:保存療法,手術(スクリュー固定,人工骨頭置換術)

リハビリ:保存療法では、数週間体重をかけることができない。手術療法では、早期より足に体重をかけることができる。

注意:人工骨頭置換術の場合、脱臼のリスク。深部静脈血栓症

 

大腿骨頸部骨折の原因

大腿骨頸部骨折は転倒で受傷することが多いです。

自転車の乗って転んだり、屋外で転ぶ方もいますが、自宅の中で転んでしまう方もとても多くいます。

自宅内で転倒しやすい場所

カーペットや座布団につまずいて

トイレでズボンの上げ下ろし中に

トイレや台所で方向転換したときに

椅子から立ち上がろうとしてバランスを崩した時に

ベッドから立って歩こうとしてバランスを崩した時に
など

 

大腿骨頸部骨折の症状

症状として、股関節の付け根に痛みが生じ、痛みによって立つことや歩くことができなくなることが多いです。
そのため、病院に来る方のほとんどは救急車で運ばれてきます。

 

痛みの他には、股関節周囲が腫れたり、熱を持ったりといった炎症症状が生じます。

 

大腿骨頚部骨折の診断と治療

大腿骨頸部骨折の診断は、レントゲンやCTで判断します。

 

治療は保存療法と手術療法がありますが、多くは手術療法が選択されることが多いです。

 

保存療法が選択されることもありますが、保存療法はしばらくの間、足に体重をかけることができず、立つことや歩くことは禁止となります。

高齢者は立つことや歩くことができなくなると、一気に体力が低下し、その後の回復にかなりの影響が生じてしまいます。
筋力や体力を回復するにはかなりの期間を要すため、これを防ぐことがとても重要です。

 

そのため高齢者の場合は手術療法を選択することが多く、手術をして早期より立つ練習や歩く練習を開始し、体力や筋力が落ちないようにする対応がされています。

 

手術療法では、骨の折れ方によって術式が変わります。
骨の折れ方が軽度に対してはスクリューなどによる固定術、中〜重度に対しては人工の股関節に入れ替える人工骨頭置換術が行われます。

人工骨頭置換術後に最も注意すべきことは、股関節が脱臼するリスクがあることです。
人工骨頭に変えているため、脱臼するリスクがあり、もし脱臼してしまうと徒手的に整復を行い、それでもうまくいかない場合は再手術になるため特に脱臼に関しては注意が必要です。

 

大腿骨頸部骨折のリハビリ

手術でスクリュー固定をした場合は、数週間体重をかけては行けないケースがありますが、多くは翌日より荷重練習開始となります。

 

リハビリは手術翌日より開始となります。
手術後は、骨折や手術の影響で炎症症状が強く、患部の熱感や痛み、腫れなどが生じます。

炎症症状があると、痛みが続きやすいため、まずは炎症の管理が重要です。
炎症を軽減させるためにはアイシングが重要となるため、氷で患部を冷やしましょう。
アイシングの目安として、冷やす時間を20分、冷やさない時間を40分の計1時間を何回も繰り返すとよいでしょう。

 

炎症管理に合わせ関節可動域練習も行います。 

人工骨頭置換術では、手術翌日より体重をかけていいため、翌日より立つ練習や歩行練習が開始となります。

 

歩行練習の他には、しっかりと関節が動くように関節可動域練習、股関節周りの筋力強化、生活動作の練習なども行っていきます。

 

人工骨頭置換術後に最も注意することは脱臼ですが、脱臼しないように日常生活が送れるような練習も行っていきます。

 

人工骨頭の脱臼を防ぐには

人工骨頭の脱臼は、足を曲げて内股にすることで起こります。
わかりやすく言えば、お姉さん座りのような股関節です。

日常生活で脱臼が起こりやすい場面はこちらです。

 

脱臼が起こりやすい場面

靴の着脱のとき

床のものを拾うとき

後ろを振り向くとき

など

 

深部静脈血栓症の予防とは

大腿骨頸部骨折後のリスクとして深部静脈血栓症があります。

深部静脈血栓症はエコノミークラス症候群のことで、足の循環が悪くなると血の塊である血栓が生じ、場合によっては血栓が肺に飛んで呼吸困難などを起こすリスクがあります。

 

深部静脈血栓症の予防

足首を上下に動かし、ふくらはぎの筋肉を使う

弾性ストッキングを着用する

 

大腿骨頸部骨折の詳しい解説

大腿骨頸部骨折の治療やリハビリ、脱臼の予防法については、こちらで詳しく解説しています。
大腿骨頸部骨折の治療やリハビリ、脱臼の詳しい解説はこちら!

 

大腿骨頸部骨折の入院〜退院までの流れやリハビリについて解説しています。
大腿骨頸部骨折の入院〜退院までのリハビリの流れはこちら!

参考にしてみてくださいね。

 

 

大腿骨転子部骨折とは

大腿骨転子部骨折の要点

転子部と頸部の違い:骨折の場所が違う

原因:転倒が最も多い。自宅内での転倒も多い

症状:足の付根の痛み,立ったり歩けないなど

診断:診察,レントゲンやCT検査

治療:保存療法,手術療法

リハビリ:荷重制限がかかることがある。早期より歩行練習を開始する

 

大腿骨の転子部骨折と頚部骨折の違いとは

大腿骨転子部骨折と大腿骨頸部骨折は同じように感じますが、実は違う骨折になります。
折れている骨は大腿骨なのですが、大腿骨の中でも折れている場所の違いで名称が分かれています。

このように太い部分の骨折が大腿骨転子部骨折、細い部分の骨折が大腿骨頸部骨折になります。

 

大腿骨転子部骨折の原因と診断とは

大腿骨転子部骨折の原因は転倒が最も多く、転倒の場所は大腿骨頸部骨折と同様となっています。
また診断に関しても、頸部骨折同様にレントゲンやCT検査を行います。

 

大腿骨頸部骨折の症状と治療

大腿骨転子部骨折の症状は、大腿骨頸部骨折と同様で、股関節の痛みが生じたり、立ったり歩行ができなくなることが多くあります。
また炎症症状として、腫れや熱感も生じることがあります。

 

治療も大腿骨頸部骨折と同様で、保存療法と手術療法があり、骨折の度合いによって選択されます。

手術療法では、大腿骨の中に太い金属を入れて固定をし、手術翌日よりリハビリが開始となります。

 

大腿骨転子部骨折のリハビリ

大腿骨転子部骨折の特徴は、頸部骨折と違い、人工骨頭置換術の手術ではないということです。
人工骨頭ではないため、脱臼するリスクはありません。

そのため、同じ股関節の骨折であってもリハビリの進め方や注意する点が異なるため、担当の理学療法士から詳しく話を聞くとよいでしょう。

 

大腿骨転子部骨折の詳しい解説

大腿骨転子部骨折の治療や手術、リハビリについてはこちらで詳しくご紹介しています。
是非ご参考にしてくださいね。

大腿骨転子部骨折の治療〜リハビリまで

 

変形性股関節症とは

変形性股関節症

特徴:女性に多い。子供の頃、発育性股関節形成不全(先天性股関節脱臼)や臼蓋形成不全がある方に多い傾向がある

症状:歩行時や動作時の股関節の痛み

要因:重量物作業,発育性股関節形成不全や臼蓋形成不全が関係していることがある。明らかな原因はなく加齢によるものもある

診断:レントゲン検査,症状など

治療:保存療法や手術療法,薬など

リハビリ:股関節への負担や痛みを減らすリハビリが中心

生活:股関節への負担を減らすように杖を持ったりして対応をする。手術は股関節の痛みを取り生活の幅を広げることが目的なので、手術後は生活の幅が広がることが多い。

趣味:水泳やテニス、ジョギングなどを行っている方もいる。

 

変形性股関節症の特徴・症状

変形性股関節症は女性に多い股関節疾患の一つです。

単純X線診断によるわが国の有病率は1.0〜4.3%で,男性は0〜2.0%,女性は2.0〜7.5%と女性で高い.
引用)変形性股関節症診療ガイドライン

症状は、歩行や動作時の股関節の痛みが多く聞かれます。
短い距離で痛いこともあれば、長い距離を歩いたあとに痛みを訴えることもあります。

 

膝と違い股関節は奥の方にある関節であり炎症症状はわかりにくいため、痛みで状態を判断したりします。

 

変形性股関節症の要因

変形性股関節症のリスクファクターとして以下のようにいわれています。

Grade A肥満とスポーツは,欧米人の変形性股関節症の発症のリスクファクターになる.
Grade A職業(重量物の作業従事者)は変形性股関節症の発症のリスクファクターになる.
Grade B臼蓋形成不全は,変形性股関節症の発症のリスクファクターになる.
Grade C先天性股関節脱臼の既往は,変形性股関節症の発症のリスクファクターになる.
                                  引用:変形性股関節症診療ガイドライン

仕事で重量物を職種は、変形性股関節症のリスクファクターになることが明らかにされています。

先天性股関節脱臼は、変形性股関節症のリスクファクターになる可能性もありますが、明らかにはされていません。

 

変形性股関節症の診断・治療

診断は、診察で症状の確認やレントゲン検査を行います。
変形性股関節症でも病期があり、軽度のものから重度のものまであります。

治療は保存療法と手術療法があります。

保存療法は、薬による疼痛コントロールやリハビリを行います。
まずは保存療法で経過をみますが、痛みが強かったり日常生活に支障を来す場合は、手術療法を行うことがあります。

 

手術では、人工股関節全置換術(THA)を行います。
人工股関節全置換術は、股関節を構成する大腿骨の頸部と臼蓋を人工の関節に交換する手術です。

 

骨が変形して痛みが出ていた部分を人工の関節にするため、手術をすることで関節の痛みはなくなります。
しかし、人工の関節に変えることで脱臼に注意しなければなりません。

 

脱臼してしまうと医者に整復してもらい、手で整復することができなければ再手術になります。
そのため人工股関節全置換術では、脱臼に最も注意する必要があります。
後ほど脱臼について詳しくご説明します。

 

変形性股関節症のリハビリ

変形性股関節症にはリハビリもともて重要です。
保存療法では、投薬以外にリハビリも行っていきます。

 

リハビリでは、理学療法士が股関節へ負担をかけている原因を分析し、痛みを軽減させるような治療を行います。
自分ではなかなか痛みを減らすことはできませんが、理学療法士にリハビリを行ってもらうことで痛みが軽くなった方も大勢いらっしゃいます。

 

手術後もリハビリを行っていきます。
手術翌日よりリハビリが開始となり、関節可動域訓練や筋力強化、手術後2・3日で歩行練習も開始となります。

手術後は手術の影響で、腫れたり、痛みが生じたりしますが、しっかりとアイシングなどで炎症管理を行うことで、炎症による痛みは比較的早い段階で軽減してきます。

 

入院期間は2〜3週間ぐらいで、退院時は屋外杖歩行、屋内杖なし歩行での退院が目安となります。

手術後のリハビリ効果については有効と言われているので、手術後はがんばりましょう。

Grade B THAに対するリハビリテーションは,歩行能力,筋力,可動域および精神状態の向上に有効である.
引用:変形性股関節症診療ガイドライン

脱臼を防ぐ方法

人工股関節全置換術で最も注意しなければならいのが脱臼です。

脱臼は股関節を内股にすることで起こります。

脱臼が起こりやすい場面はこちらです。

 

脱臼が起こりやすい場面

靴の着脱のとき

床のものを拾うとき

後ろを振り向くとき

高いものを取るために背伸びをしたとき

カラダをそったとき  など

脱臼してしまうと最悪の場合、再手術になる恐れもあるため注意しましょう。

人工股関節全置換術の詳しい解説

人工股関節全置換術の手術内容やリハビリ、脱臼についてこちらで詳しく解説しています。
脱臼が起こりやすい場面や注意点など、イラストを使って説明していますので是非参考にしてくださいね。

 

人工股関節全置換術の手術やリハビリ、脱臼の防ぎ方はこちら。

 

その他の股関節疾患はこちら

坐骨神経痛とは

坐骨神経痛とよく聞きますが、坐骨神経痛は病気ではなく症状のことです。
坐骨神経痛は足のしびれや痛みが生じます。

坐骨神経痛の原因はさまざまへ、腰の椎間板ヘルニアや梨状筋症候群など、さまざまな疾患で症状が生じます。

 

坐骨神経痛の要点

症状:足のしびれや痛み

原因:腰椎椎間板ヘルニア,梨状筋症候群,脊柱管狭窄症 など

診断:診察や症状,MRIやレントゲン検査 など

治療:保存療法や手術療法,ブロック注射 など

リハビリ:症状を軽減させるリハビリ

 

坐骨神経痛の原因である梨状筋症候群については、こちらで詳しくご紹介しています。
梨状筋症候群の原因や治療、セルフエクササイズについてはこちら。

 

FAIとは

FAIは股関節で起こるインピンジメントのことです。
インピンジメントとは、挟まったり衝突したりすることで、股関節の形態異常により臼蓋や大腿骨頸部が衝突などをすることで、関節唇や関節軟骨などが損傷を起こしてしまうことです。

 

寛骨臼と大腿骨頸部の形態異常により、繰り返し臼蓋縁と大腿骨頸部が衝突することで関節唇や関節軟骨が損傷を起こします。

 

FAIの要点

症状:鼠径部痛や股関節の前面部痛,車の乗り降りや足を組んだ際の瞬間的な痛み

原因:インピンジメントによる関節唇や関節軟骨の損傷

診断:診察や症状,レントゲンやMRI検査など

治療:投薬やリハビリ,手術など

リハビリ:痛みの原因を分析し緩和をさせたり、股関節への負担を減らす

スポーツ:手術後はおよそ6ヶ月ぐらいでスポーツ復帰

 

FAIの詳しい病態や原因、手術やリハビリについてこちらでご紹介しています。
簡単にできFAIの検査方法も説明していますので、スポーツ関係者の方は参考にしてくださいね。
FAIの原因や治療、リハビリなどはこちら。

 

先天性股関節脱臼とは

先天性股関節脱臼は、現在の見解として脱臼は生まれた後に発症するものと考えられているため、先天性ではなく発育性股関節形成不全に名前が変わっています。

割合として、1000人に2〜3人ぐらいです。

 

発育性股関節形成不全

症状:開排で左右の開きが違う,左右のシワの本数が違う,歩き始めたときにびっこを引く など

原因:抱っこの仕方や足を伸ばした状態でのおむつの変え方,逆子で生まれた など

診断:開排検査やアリスサイン,レントゲン検査やエコー検査など

治療:リーメンビューゲル装具での治療や手術 など

成長:しっかりと治療を行えば歩行は可能になることが 多い

最近では、スリングを使って育児をしている方もいますが、スリングも発育性股関節形成不全の要因の一つになる可能性があります。

 

最近育児に取り入れられたスリングによる保育法が、この疾患の発生を助長するのではないかとの危惧が持たれています。
引用:日本整形外科学会

 

先天性股関節脱臼(発育性股関節形成不全)の症状や診断、治療、育て方についてはこちらで詳しくご紹介しています。
実際に先天性股関節脱臼の育児を体験された方が書かれたものですので、是非参考にしてくださいね。
先天性股関節脱臼(発育性股関節形成不全)の詳しい解説はこちら。

 

膝関節の痛みやケガ

膝関節は大腿骨、脛骨、膝蓋骨で構成される関節です。

スポーツで生じやすい膝疾患

前十字靭帯損傷

半月板損傷

肉離れ など

スポーツ傷害の原因や予防、治療、リハビリなど徹底解説はこちら!

 

スポーツで起こりやすい膝のスポーツ傷害は、予め原因やリスクを把握しておくことで防ぐことも可能となります。

膝疾患に限らず、ジョーンズ骨折やアキレス腱断裂などのスポーツに関係する傷害の”原因や予防、治療、リハビリなど”重要な内容を一挙まとめております。

スポーツをされる方や指導されるから、保護者の方は是非参考にしてみてくださいね。

 

変形性膝関節症とは

変形性膝関節症の要点

割合:女性に多い,年齢が高いほうが多い

種類;O脚である内反変形・X脚である外反変形がある

原因:加齢による軟骨のすり減り,肥満など

症状:膝の痛み

治療:保存療法(リハビリや薬),手術療法(人工膝関節全置換術)

リハビリ:入院期間2〜4週間,歩行練習や筋力強化,関節可動域練習など

生活:手術前より痛みの軽減や生活範囲の拡大を目的にする手術のため、生活の幅は広がることが多い

 

変形性膝関節症の病態・原因

変形性膝関節症は、膝が変形してしまうことで、O脚である内反変形(ないはん変形)やX脚である外反変形(がいはん変形)があります。

 

変形性膝関節症の男女比は1:4と女性に多くみられ、高齢になるにつれて発症する割合が増えてきます。

 

原因はさまざまですが、加齢により軟骨のすり減り、肥満などがあげれます。
軟骨のすり減りや肥満などはよくテレビで言われていると思うので知っている方も多いと思いますが、理学療法士の視点では他にも原因があります。

 

理学療法士が考える原因

背骨が丸まったり、骨盤が後傾している

筋力の低下

膝がしっかりと伸びない など

変形性膝関節症になってしまう要因は上記のようにさまざまです。

 

背骨が丸まって骨盤が後傾してしまうと、重心が後ろの方に移動してきます。
そうすると膝にかかる負担が大きくなり、膝の痛みに繋がります。

筋力低下に関しては、膝を伸ばす大腿四頭筋の筋力低下もよくテレビとかで言われていますが、股関節周りの筋肉もとても重要です。
大殿筋(だいでんきん)や中殿筋(ちゅうでんきん)といった足を安定させる筋肉です。

大殿筋の筋力強化は寝た状態でのお尻上げ、中殿筋横向きでの足上げなどで鍛えることができます。
エクササイズはこちらでご紹介していますので、参考にしてくださいね。
エクササイズのやり方をわかりやすくご紹介

 

変形性膝関節症の症状

症状として一番多いのが膝の痛みです。
痛み以外にもさまざまな症状が見られます。

立ち上がるときに膝が痛い

歩きはじめに膝が痛い

長い距離を歩くと膝が痛い

膝に水がたまる

膝が腫れる など

 

膝がO脚やX脚に変形し痛みが生じている場合は、変形性膝関節症の恐れがあるため、一度整形外科を受診してみてもいいかもしれませんね。

変形性膝関節症の治療

変形性膝関節症の治療には保存療法と手術療法があります。

 

保存療法は、主に薬や理学療法(リハビリ)などを行います。
薬は痛み止めの内服や、膝にヒアルロン酸を注射したりします。

理学療法では、リハビリのプロである理学療法士が膝に痛みが生じる原因を追求し、膝に痛みが生じないように原因をなる場所を見つけ治療を行います。

 

個人の小さなクリニックや整形外科医院などに行く方も多いと思いますが、痛いところに温める治療などを行っていませんか?

私の個人的な考えとしては、温めるだけでは痛みは治りづらいです。
なぜなら、温めるだけでは、根本的な原因に対して治療を行っていないからです。

 

膝の痛みを軽減するには、根本的な原因を治療する必要があるので、理学療法士がいる整形外科を受診することをおすすめします。

 

保存療法を行っても、痛みが軽減されない場合の次の手段として人工膝関節全置換術(TKA)が行われます。
この手術は、膝関節を人工の関節に取り替えるという手術です。
軟骨がすり減った関節を人工の関節に変えるため、関節自体の痛みはなくなります。

左が人工膝関節全置換術(TKA)、右が変形性膝関節症のレントゲンです。

人工関節をわかりやすく例えるのであれば、歯の銀歯と同じですね。
虫歯になったところを削って上に銀歯をかぶせますが、人工関節も同じで変形した関節を切って人工の関節をかぶせます。

 

人工の関節にすることで、手術前よりも生活の幅が広がり、長い距離も歩けるようになることが多くあります。

 

変形性膝関節症のリハビリ

保存療法リハビリでは、膝に痛みが生じている原因を分析しリハビリを行います。
関節のストレッチや筋力強化、動作や歩き方の修正などを行います。

 

手術後のリハビリは、手術翌日より開始になります。
手術後は手術による炎症症状が強いため、まずは炎症の管理を行います。

痛みに合わせて関節を動かす練習や、車椅子に乗る練習、歩行練習を段階的に行っていきます。
入院期間は各病院ごとでことなりますが、およそ2〜4週間程度です。

退院時は屋外は杖歩行、家の中は杖無しでの歩行ができることを目標に行っていきます。

退院後は外来リハビリに移行していきます。

 

足関節の痛みやケガ

足関節は脛骨や腓骨、距骨、踵骨によって構成され、距腿関節(きょたいかんせつ)と距骨下関節(きょこつかかんせつ)の総称です。

 

足関節骨折とは

足関節骨折の概要

症状:足首の痛み,歩行困難,炎症症状など

原因:転倒や転落,交通事故など

診断:診察やレントゲン・CT検査

治療:ギプス固定や手術療法

リハビリ:関節可動域練習や筋力強化・歩行練習など

 

足関節骨折は若者から高齢者まで起こる骨折の一つです。
足関節骨折に対し手術を行った場合、約1ヶ月は足に体重をかけられなくなってしまうことが多くあります。

 

骨が付けば体重を全部かけられるようになりますが、それまで約2ヶ月ぐらいかかるケースが多いです。
そのため、入院期間が長くなりやすいケースが多くあります。

 

足関節骨折の治療や手術、リハビリ、セルフエクササイズについてこちらで詳しくご紹介しています。
是非参考にしてくださいね。
足関節骨折の病態や手術、リハビリはこちら。

足関節骨折の分類や特徴、靭帯損傷の予測方法はこちら。

足関節骨折後に歩けるまでの期間についてはこちら。

腓骨骨折の病態やリハビリはこちら。

 

スネの痛みとは

スネの痛みは色々ありますが、シンスプリントや前脛骨筋の筋肉痛などが考えられます。

 

シンスプリントの要点

症状:すねの痛み

原因:オーバーユース(使いすぎ),ランニングやジャンプを多く繰り返すスポーツ

診断:診察やレントゲン検査など

治療:運動の制限やリハビリなど

リハビリ:炎症管理(アイシング),原因となる動作の改善・運動量の指導など

 

シンスプリントの詳しい原因や病態、リハビリなどご紹介しています。
ご参考にしてくださいね。
シンスプリントの詳しい解説はこちら。

 

アキレス腱断裂とは

アキレス腱断裂の要点

症状:つま先立ち不能,アキレス腱部の陥凹(へこみ),アキレス腱の痛みや炎症症状など

原因:ジャンプやステップ動作など

診断:診察,トンプソンテスト,MRIやエコーなど

治療:ギプス固定や手術療法

リハビリ:関節可動域練習や筋力強化、歩行練習など

スポーツ復帰:手術後約6ヶ月ぐらいでの復帰が目安。ふくらはぎの筋力回復がポイント

 

アキレス腱断裂は30代と50代に多い傾向があります。
30代はスポーツでの受傷が多く、50代は日常生活での受傷が多いです。

スポーツではバスケットやバレーボールなど、ジャンプや切り返し動作で起こることがあります。

アキレス腱断裂の治療やリハビリ、スポーツ復帰までこちらで詳しくご紹介しています。
是非参考にしてくださいね。
アキレス腱断裂の原因や手術、リハビリはこちら。

 

捻挫とは

捻挫の要点

捻挫:捻挫は靭帯損傷のこと。軽視されやすい

症状:足首の外側に腫れや痛みの出現。痛いけど、どうにか歩けるなど

原因:足を内側にひねる

診断:診察やレントゲン,前方引き出しテストなど

治療:患部の安静やリハビリ,靱帯が完全断裂の場合は手術

リハビリ;痛みに合わせて関節可動域練習や筋力強化,足首が内側にひねらないような動作修正など

スポーツ:保存療法でも治らないうちに無理に復帰すると捻挫グセになる可能性がある。手術後はおよそ3〜4ヶ月程度でスポーツ復帰可

後遺症:捻挫グセ,変形性足関節症になる可能性がある

 

捻挫はスポーツの中で最も多い足部疾患です。
みなさんも一度は経験したことがあると思いますが、捻挫は軽視されがちなケガです。

 

しかし捻挫は前距腓靱帯の靭帯損傷であるため、軽視せずにしっかりと治療し無理な早期のスポーツ復帰に注意しましょう。

特に中学生や高校生は『捻挫だから大丈夫!』と思う方も多いですが、捻挫が悪化すると靱帯が断裂し手術に至るケースもあるため、監督やコーチは選手に捻挫の重要性をしっかりと指導することが大切です。

 

捻挫の治療や手術、リハビリ、予防方法など、捻挫に関する重要な情報をまとめてあります。
是非、参考にしてみてくださいね。
捻挫で必ず知っておくべき知識はこちら!

捻挫グセの方は慢性足関節不安定症の可能性があります。
慢性足関節不安定症の原因や治療、リハビリなどについても詳しく解説しています。
慢性足関節不安定症の詳しい解説はこちら!

 

ジョーンズ骨折とは

ジョーンズ骨折の要点

症状:小指である第5中足骨部の痛み,腫れや熱感,体重をかけると痛いなど

原因:疲労骨折,オーバーユース(使いすぎ)

診断:診察、レントゲンやCT検査など

治療:ギプス固定や手術療法

リハビリ:アイシングなどでの炎症管理,患部への負担のかからない動作の獲得。第5中足骨に短腓骨筋が付着するため、腓骨筋を使うようなエクササイズは初期の段階では控える

注意:第5中足骨は治りにくい遷延治癒や、偽関節になる可能性がある。

スポーツ:順調に行けば、手術後およそ3〜4ヶ月でスポーツ復帰

 

ジョーンズ骨折は”第5中足骨基部骨折”ともいい、オーバーユースで起こる疲労骨折です。
サッカーやラグビーなどスポーツで起こることの多い足部疾患です。

 

プレー中やプレー後などに第5中足骨に痛みや違和感が生じている場合は、ジョーンズ骨折の前徴かもしれません。

ジョーンズ骨折の手術は、骨にスクリューを入れ固定をします。
手術後、足の指にはしばらく体重をかけることはできませんが、関節を動かす練習は行います。
またかかとであれば体重をかけることは可能です。

 

手術後よりリハビリが開始となります。
ジョーンズ骨折で注意しなければ行けないのが、遷延治癒と偽関節です。
第5中足骨は血流が乏しい部位であるため、骨がくっつくのが遅くなってしまい、なかなかくっつかないことがあります。
これが遷延治癒です。

 

偽関節は、本来関節でない部分が関節のように動いてしまうことです。
骨折した部分がうまくくっつかずに関節のように動いてしまうリスクもあります。
そのため、まずは骨がくっつく邪魔をしないように注意することが大切です。

 

第5中足骨には短腓骨筋がつきます。
短腓骨筋は、足首を外側に返す動きをする筋肉です。
ジョーンズ骨折後に、短腓骨筋に力を入れる運動を行いすぎると骨の治りを阻害してしまうため、短腓骨筋の収縮は極力避けるようにしましょう。

 

順調に治っていけば、スポーツ復帰は3〜4ヶ月が目安となります。

ジョーンズ骨折についてこちらで詳しく解説していますので、ご参考にしてください。
ジョーンズ骨折の症状や手術、リハビリを徹底解説

ジョーンズ骨折のリハビリでの注意点とは

 

踵骨骨折とは

踵骨骨折の要点

症状:かかとの痛みや腫れ,歩行困難など

原因:転落などの強い衝撃。脚立から落ちるなど

診断:診察,レントゲンやCT検査

治療:ギプス固定,手術でボルトなどで固定

リハビリ:しばらくはかかとへの荷重禁止。早い段階から関節可動域練習可

 

踵骨骨折は日常生活で起こることのある骨折です。
脚立に登って木の枝を切っていて落ちて骨折したり、少し高いところから飛び降りて骨折したりなどです。

 

踵骨骨折は骨折の程度でギプス固定か手術か決まりますが、どちらにしてもしばらくは踵に体重をかけることはできないため、松葉杖生活になります。

 

踵骨骨折の原因や手術、リハビリなどこちらで詳しく解説しています。
参考にしてみてくださいね。
踵骨骨折についてはこちら。

 

腓骨筋腱脱臼とは

腓骨筋腱脱臼の要点

症状:外くるぶし周りの痛みや熱感、腫れ,脱臼感

原因:捻挫のような状態や、足首を深く曲げ外側にひねった状態で腓骨筋に強い収縮が加わることで起こる

診断:診察,脱臼するかどうか,レントゲンなど

治療:腓骨筋腱脱臼は脱臼を繰り返すことが多い傾向にあるため、手術療法が行われる事がある。

リハビリ:手術後、数週間は関節可動域練習や体重をかけることが禁止になる。

スポーツ:競技にもよりますが3〜4ヶ月程度で復帰

 

腓骨筋腱脱臼の詳しい手術やリハビリ、スポーツ復帰などについてはこちらで解説しています。
是非、参考にしてみてくださいね。
腓骨筋腱脱臼の原因や手術、リハビリについて解説

 

体幹や脊柱の痛みやケガ

体幹は、胸の骨である胸郭、骨盤、背骨である脊椎で構成される総称です。

 

骨盤骨折とは

骨盤骨折の要点

原因:交通事故や転倒

診断:レントゲンやCT,診察

治療:保存療法または手術療法

リハビリ:しばらく足に体重をかけることができないことがある。

骨盤骨折の原因とは

骨盤骨折の原因には交通事故と転倒があります。

交通事故で起こるパターンとして二通りあります。
①直接車と接触して骨折する
②車と車が接触し、その反動で勢いよく足がダッシュボードやハンドルに当たることで骨折する

 

②に関しては、ダッシュボードに足が当たることで起こることから、ダッシュボード損傷とも言います。
この場合、股関節が脱臼することもあり、なかには坐骨神経を損傷してしまうケースもあります。

 

骨盤骨折の診断と治療とは

骨盤骨折の診断は、診察、レントゲンやCTで行われます。

骨盤が骨折している場合は、痛みを伴うことが多く、歩くことができないことが多いです。

 

治療は、骨折の状況に応じて保存療法と手術療法があります。
多くは保存療法で行うことが多いですが、損傷が強いと手術でボルトなどで固定することがあります。

 

骨盤骨折では、骨の折れ方によって安定型と不安定型に分けられます。
安定型の場合は、比較的早い段階から足に体重をかけ立つ練習や歩く練習が開始となります。

しかし、不安定型の場合は、足に体重をかけると骨がずれる恐れがあるため、しばらくは足に体重をかけることが禁止にある場合があります。

骨盤骨折のリハビリ

リハビリは翌日より開始になることが多いです。

骨盤骨折の状況にもよりますが、主治医から足に体重をかけていい許可が出れば、痛みに合わせて早期より立つ練習が開始となります。

 

骨折が不安定型で体重をかけることができなくても、ベッドの上で足に負担をかけないようなリハビリを行っていきます。

ベッドの上にいると筋力低下や関節が固くなるなどの悪影響が生じるため、それを防ぐためにベッドでのリハビリもとても重要です。

 

骨盤骨折の痛みは数週間続くため、リハビリ開始直後は痛みで動けないことが多いですが、痛みが落ち着けば比較的リハビリスムーズに進んでいく印象があります。

 

骨盤骨折の詳しい解説

骨盤骨折の治療やリハビリ、骨盤の構造については、こちらでさらに詳しく解説していますので、こちらもご参考にしてくださいね。

骨盤骨折の治療やリハビリなどの詳しい解説はこちら!

 

上肢の痛みやケガ

上肢は肩や肘、手などの総称です。
上肢の痛みやケガで多いものをご紹介します。

鎖骨骨折について

鎖骨骨折の要点

原因:コンタクトスポーツやロードバイクでの受傷が多い

症状:患部の痛みや腫れ、盛り上がり

診断:診察、レントゲンやCT検査

治療:保存療法はバンド固定,手術療法はプレート固定など

リハビリ:保存療法は関節を動かせない時期あり。手術療法では比較的早く動かせる

 

鎖骨骨折の原因とは

鎖骨骨折は全骨折の約10%を占め、比較的多い骨折の一つです。

鎖骨骨折はスポーツのコンタクトプレーロードバイクで転倒した際に受傷することがあります。

ラグビーなどのコンタクトプレーで直接鎖骨に衝撃が加わり骨折することもあれば、ロードバイクで転倒した際に手をついてその衝撃で骨折することがあります。

 

鎖骨骨折の症状や診断

鎖骨骨折の症状は、患部の痛みや腫れ、また骨折部が盛り上がることもあります。

鎖骨骨折の診断は、レントゲンやCT、診察で行われます。

 

鎖骨骨折の治療

鎖骨骨折の治療は、骨の折れ方によって保存療法と手術療法に分けられます。

保存療法では、鎖骨をバンドで固定する方法で治療が行われます。
手術療法では、鎖骨の骨折部をプレートなどで固定をする治療が行われます。

 

鎖骨骨折のリハビリ

リハビリは翌日より開始となります。

保存療法で固定している期間は方を動かすことはできませんので、肘や手など鎖骨以外の場所のリハビリを行って行きます。

手術療法後では、比較的早い段階から関節を動かせる許可が出るため、リハビリでは関節可動域訓練を行います。

関節を動かすことは早期から行えますが、手に体重をかけたり重い物を持ったりすることはできないため、主治医や担当理学療法士と相談し、そのあたりは進めていくことになります。

 

鎖骨骨折の詳しい解説

鎖骨の構造、鎖骨骨折の治療やリハビリの進め方など、もっと詳しいことを知りたい方のために、こちらでさらに詳しく解説をしています。
ご参考にしてくださいね。

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