圧迫骨折は高齢者に多い疾患の一つで、日常生活で2つのポイントに注意しないと悪化してしまいます。
今回は圧迫骨折の治療や入院中のリハビリ、2つの注意点についてご紹介します。
一度は『圧迫骨折』という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。
圧迫骨折は高齢者にとても多い骨折の一つで、尻もちをついたり、物を持った時に起こります。
また圧迫骨折は痛みを伴うことが多く、注意して生活をしないと悪化する恐れがある骨折の一つです。
まずは圧迫骨折について簡単にご紹介していきましょう。
脊椎圧迫骨折とは?
脊椎とは背骨のことで、いくつもの小さい骨が重なりあることでできています。
圧迫骨折は潰されるような圧迫ストレスが脊椎に加わることで起こります。
この骨折は高齢の女性や骨粗鬆症の方に多く、特に猫背の方に見られる傾向があります。
また圧迫骨折は尻もちをついた時や物を持ち上げた時に起こります。
本来、背骨はS字型をしていますが、高齢になるにつれ猫背となりS字型ではなく大きなカーブを描くような姿勢となります。
S字型の背骨であれば尻もちをついても衝撃を吸収してくれますが、大きなカーブを描くことで背骨の前側に負担が集中し圧迫骨折が起こってしまいます。
圧迫骨折が特に起こりやすい部位は、第11・12胸椎、第1腰椎のところで、ちょうど胸椎から腰椎へ切り替わる部分です。
脊椎圧迫骨折については以前に詳しくご紹介しています。
ご興味がある方はこちらをご覧ください。
次に脊椎圧迫骨折の治療についてご紹介します。
脊椎圧迫骨折の治療とは?
圧迫骨折の治療は安静がメインとなり、痛みが強い方に関しては安静目的で入院となるケースもあります。
脊椎に負担をかけないように多くは専用のコルセットをつくります。
このコルセットは半分がプラスチックでできており、背骨が動かないようにしっかりと固定する目的があります。
コルセットをしないと背骨に負担がかかり、どんどん骨が潰れていってしまう恐れがあります。
安静目的であっても入院中はリハビリを行います。
コルセットが出来上がるまでは基本的にベッドの上で背骨に負担がかからないように行います。
コルセットが完成次第、痛みに合わせて歩行練習開始となり、リハビリでは背骨に負担が掛からないような姿勢や生活動作の獲得を目指し行います。
痛みが落ち着き、ある程度日常生活が送れるようになれば退院となります。
日常生活で注意する2つのポイントとは?
退院しても日常生活で注意をしないと悪化する恐れがあります。
日常で注意する2つのポイントをご紹介します。
①椅子の高さや素材に注意
一つ目は椅子の高さや素材に注意しましょう。
高齢者の場合、低い椅子の方が良いと思う方が多いのではないでしょうか。
安全面を考えれば高い椅子より低い椅子の方がいいでしょう。
しかし圧迫骨折をされた方の場合、低い椅子だと悪化する恐れがあります。
低い椅子に座ってみるとわかりますが、骨盤が後ろへ倒れ背骨が丸まってしまいます。
この状態では背骨の前側に圧迫ストレスが生じてしまいます。
もう一つは椅子の素材です。
一般的な椅子の素材であれば問題ありませんが、ソファーは気をつけましょう。
ソファーは柔らかいため尻もちをついても大丈夫ですが、その分座った際に沈みます。
この沈みがよくなく、沈むことで骨盤が後ろへ倒れやすく背骨も丸まりやすくなります。
椅子を選択する際は、低すぎないモノを選び、柔らかいソファーには座らないようにした方がいいでしょう。
②お風呂は要注意
お風呂は特に注意が必要で、コルセットも外すため気をつけなければなりません。
一つ目は、頭を洗ったり、体を洗うときに前傾姿勢になりやすく、脊椎の前側に圧迫ストレスが加わるため注意が必要です。
二つ目は、シャンプーや石鹸などの置き場所にも注意が必要です。
多くのご家庭では下の方に置いてあることが多いのではないでしょうか。
下にあると必ず体を曲げるため圧迫ストレスが加わります。
これを避けるために、極力高い位置に置くようにしましょう。
こうすることでかなり背骨への負担が軽減されます。
圧迫骨折後の生活では前傾姿勢にならないように注意することが、とても大切になります。
悪化しないためにも、上記の2点に気をつけてください。
まとめ
圧迫骨折は高齢の女性や骨粗鬆症の方に多い疾患の一つです。
治療はコルセットを作成し安静にしながらリハビリを行います。
圧迫骨折後のポイントは、極力前傾姿勢にならないように注意して生活することが大切です。
みなさんの周りにも圧迫骨折の方がいらっしゃれば、是非アドバイスしてみてはいかがでしょうか。
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