2月は節分の季節ですね。
消費者庁より『3歳以下のお子さんには豆やナッツ類を食べさせないようにしましょう!』との呼びかけがされているのをご存知ですか?!
今回は3歳以下のお子さんが豆やナッツ類を食べると危ない理由、誤嚥による肺炎の症状についてご紹介します。
みなさんのご家庭では節分で豆まきをしますか?
毎年、何気なくやっている豆まきですが、3歳以下のお子さんが豆を食べると肺炎や気管支炎になる可能性があることをご存知でしょうか?
多くのご家庭では鬼のお面をかぶり豆まきをしていると思います。
豆をまくことは自体は大丈夫ですが、その豆を3歳以下のお子さんが食べてしまうことが非常に危険です。
消費者庁から1月28日に出された重要な記事について一部ご紹介します。
消費者庁の記事とは?
こちらは消費者庁から1月28日に出された記事の一部です。
豆やナッツ類は、かまなくてもそのまま気道に入りやすく、乳幼児の窒息事故につながりやすい食品ですが、小さな破片であっても事故になった情報が医療機関(※)より寄せられています。→消費者庁HPはこちら
豆やナッツ類の小さな破片が気道に入った場合、放置すると気管支炎や肺炎を起こすこともあります。取り除くには全身麻酔が必要で、場合によっては肺の部分切除となることも。→消費者庁HPはこちら。
3歳頃までは、豆やナッツ類は食べさせないようにしましょう。
このように消費者庁から3歳以下のお子さんがいらっしゃるご家庭へ呼びかけを行っています。
それでは乳幼児の気管や豆を食べると肺炎になる理由をご紹介します。
乳幼児(小児)の気管とは?
簡単に小児の気管についてご紹介します。
こちらはわかりやすく大人のイラストになります。
呼吸は鼻と口から行い、食べ物は口から摂取します。
当たり前といえば当たり前ですが、これは非常に重要なことです。
食べ物も呼吸も同じ口から入り、喉を通ります。
口から入り喉まで行くと、空気が通る気管と食物が通る食道に分かれます。
気管と食道は前後で並んでいて、気管が前側、食道は後側にあります。
実際の気管の太さはどのくらいかご存知ですか?
成人の気管の太さは16.5mm、気管の長さは10〜12㎝です。
乳幼児の気管の太さは9.4〜10.8mm、気管の長さは4.5〜5㎝です。
新生児の気管の太さは5mm、気管の長さは4㎝です。
このように3歳以下のお子さんの気管は非常に細いということがわかります。
豆やナッツ類を食べるとどうなる?
冒頭でご紹介しましたが、3歳以下のお子さんがいらっしゃる方は特に注意が必要です。
私たち大人は豆やナッツ類を食べることはなんの問題もありません。
しかし乳幼児にとって豆を食べることは非常に危険です。
先ほどご紹介しましたが、成人と乳幼児の気管の太さが違います。
乳幼児の気管の太さは9.4〜10.8mmと細く誤って気道に入ってしまった場合、つまって窒息する恐れがあります。
また豆の小さい破片であっても気管に入り出てこないことがあるため、豆やナッツ類食べさせるのは絶対にやめましょう。
気管に豆が入った状態で放っておくと肺炎や気管支炎になります。
これを誤嚥性肺炎といいます。
高齢者でよく誤嚥性肺炎と聞くことがあると思いますが、乳幼児でも特に注意が必要です。
まだうまく食べ物が飲み込めないと、豆以外の食べ物でも誤嚥性肺炎になることがあるため注意しましょう。
肺炎の症状とは?
肺炎の症状を5つご紹介します。
一つ目は『微熱』です。
肺炎になると熱がでます。
これは炎症が原因で熱が上がり、採血をすると白血球数(WBC)やCRPといった炎症値も上がります。
二つ目は『痰が絡むせき』です。
肺炎や気管支炎になると痰が出てきます。
せきをした時にキレイなせきでなく痰が絡んでいる場合は、肺や気道で何か炎症が起こっている可能性があります。
三つ目は『ゼーゼーした呼吸音』です。
聴診器をお持ちであれば呼吸の音を聞いてみてください。
肺炎や気管支炎の場合、呼吸時に雑音が聞こえます。
四つ目は『顔色』です。
体調が悪ければ顔色も悪くなります。
また肺炎や気管支炎によって呼吸に影響が出ていると、肺で酸素がうまく交換できず体内の酸素が下がります。
めったにチアノーゼになることはありませんが、唇の色や表情には注意しましょう。
五つ目は『食欲』です。
これは大人と同じで体調が悪いと食欲がありません。
水分や母乳、ミルクを取らなくなると脱水になる可能性もあるため注意しましょう。
まとめ
今回は豆やナッツ類を3歳以下のお子さんに食べさせない方がいい理由をご紹介してきました。
豆やナッツをつまらせて窒息したり、肺炎や気管支炎になるといった報告も多数あります。
乳幼児は成人と違い飲み込む力や吐き出す力も弱いため、食べ物には十分に注意しましょう!
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