胸郭と呼吸は密接な関係があり、とても重要です。
また胸郭は体幹の一部であるため、固くなると体幹の動きも悪くなります。
今回は胸郭の動き方やストレッチ方法についてご紹介します。
胸郭と呼吸は密接な関係があり、呼吸と一緒に胸郭は常に動いています。
あたりまえですが、息を大きく吸うと胸郭も大きく広がりますよね。
しかし胸郭が固いと息を大きく吸っても広がらず、息がしづらくなってしまいます。
また胸郭は体幹の一部でもあるため体幹の動きも悪くなります。
胸郭は呼吸をするにも、カラダを動かすにも、とても重要な部分であるということです。
それでは胸郭動き方や働き方についてご紹介していきましょう。
胸郭の構造とは?
まず簡単に胸郭の構造について復習をしましょう。
胸郭は胸骨・肋骨・胸椎によって構成されており、樽状の形をしています。
胸骨は胸骨柄と胸骨体、剣状突起で構成され、胸椎と肋骨はそれぞれ12個ずつあります。(肋骨:左右合わせると24個)
胸郭の前側にある胸骨と肋骨は肋軟骨でつながっており、この部分を胸肋関節(きょうろく関節)といいます。
後側は肋骨と胸椎が小さな靱帯などでつながっており、この部分を肋椎関節(ろくつい関節)といいます。
胸郭の詳しい構造については、以前こちらでイラストを用いてご紹介しています。
ご興味がある方はご覧ください。
胸郭の動き方とは?
胸郭の動きは肋骨や胸椎などが動くことで行われます。
みなさんもご存知だと思いますが、息を吸うと胸郭は広がり、息を吐くと閉じます。
胸郭はただ広がっているように感じますが、胸郭の動きは前と横で違います。
胸郭を前から見たときの動きをバケットハンドルモーション、横から見たときの動きをポンプハンドルモーションといいます。
簡単にご説明します。
バケットハンドルモーションとは?
胸郭の動きで有名なのがバケットハンドルモーションです。
バケットハンドルモーションは胸郭を前から見たときの動きで、息を吸うと胸郭は広がり吐くと胸郭は縮みます。
なぜバケットハンドルかというと、胸郭の動きがバケツを逆さにした時の取っ手の動きと似ているからです。
ポンプハンドルモーションとは?
ポンプハンドルーションは胸郭を横から見た時の状態です。
息を吸うと上に向かって胸郭が広がり、息を吐くと下に向かって閉じてきます。
これは井戸水の水くみと同じです。
取っ手を上げた時が息を吸った時、取っ手を上げた時が息を入った時になります。
このようにポンプハンドルーションは上下にしか動きません。
肋骨の動きとは?
次に肋骨の動きです。
肋骨は上側や下側に向かってねじれながら動きます。
これをそれぞれ上方回旋、下方回旋といいます。
胸を張るときに肋骨は上に向かって上方回旋し、丸めると下に向かって下方回旋します。
では体幹がねじれたときには肋骨はどのように動くのでしょうか。
座った状態でカラダを左右にねじった状態を想像してください。
このとき左右の肋骨もねじれるよう動きます。
たとえば右側にカラダをねじると右の肋骨は後方回旋、左側の肋骨は前方回旋します。
逆に左側にねじると右の肋骨は前方回旋し、左の肋骨は後方回旋します。
このようにカラダをねじる側の肋骨は後方回旋し、反対側の肋骨前方回旋します。
実際に肋骨の動きを感じてみましょう。
まず両手を胸の横から前に向かってあてます。
手をおく高さは”みぞおち”よりやや上ぐらいです。
胸郭に手をおいたまま、カラダを右側へねじってみてください。
すると右側の手は上にあがって、左側の手は下にさがると思います。
これは右側の肋骨が後方回旋、左側の肋骨が前方回旋が起こっているということです。
ではカラダを左右に傾けると胸郭はどのような動きをするのでしょうか。
まず座った状態でカラダを右側に傾けた状態を想像してください。
右側の胸郭は狭くなり、左側の胸郭は広がります。
これはイメージしやすいですね。
肋骨も同じ状態となっており、右側の肋骨と肋骨の間は圧縮されるように狭くなり、左側の肋骨と肋骨の間は広がります。
ポイントは傾けた側の胸郭と肋骨は狭くなり、反対側は広がります。
このように体幹を動かすと胸郭も一緒に動きます。
最初にご紹介しましたが、肋骨はカラダの前側で胸骨と胸肋関節としてつながっており、後側では胸椎と肋椎関節としてつながっています。
要するに胸郭が動くということは、胸肋関節や肋椎関節、肋骨すべてが動かないといけません。
ではどうすれば胸郭は動きやすくなるのでしょうか。
胸郭を動きやすくする方法とは?
胸郭を動きやすく、柔らかくする方法は色々ありますが、今回はダイナミックに全体的に動かす方法をご紹介します。
胸郭を拡張する方法とは?
まず胸郭を拡張する方法です。
これはシンプルに胸を張るような動作を行いましょう。
立った状態でバンザイをしたり、座った状態で胸を張るだけでもかまいません。
このように床に手をつき胸を張るようにしてもいいでしょう。
ポイントは胸を張るのと同時に左右の肩甲骨を背骨によせるように意識します。
肩甲骨をよせることで、さらに胸郭は広がりやすくなります。
胸郭を閉じる方法とは?
胸郭を閉じる方法として、猫背のようにカラダを丸めましょう。
ポイントは肩甲骨を背骨から遠ざけるようにします。
分かりづらければ腕組みをすると肩甲骨が遠ざかるように動くので、腕組みをした状態でカラダを丸めてください。
胸郭をねじる方法とは?
最後に胸郭をねじる方法です。
これは左右の肋骨がねじれる動作なので、必ず行った方がいいストレッチ方法です。
方法として座った状態でも、寝た状態でもどちらでも行なえます。
まず座った状態からご紹介します。
椅子に背筋を伸ばした状態で座ります。
ポイントとしてしっかりと胸を張り、腰も伸びていることです。
ねじる側の手を頭の後ろに回し、カラダをねじるようにストレッチを行います。
手を頭の後ろに回すことで、肩甲骨は背骨に近づき胸も張りやすくなります。
次に寝た状態でのストレッチ方法です。
座った状態と同様にカラダをねじりますが、足も反対側にねじることがポイントです。
このようにダイナミックにカラダを動かすことで胸郭はストレッチされます。
是非、試してみてください!
まとめ
胸郭が固くなると呼吸がしづらくなったり、体幹の動きが悪くなります。
胸郭は高齢者になればなるほど固くなるため、毎日動かしておくことが重要です。
胸郭のストレッチ方法は色々ありますが、今回はダイナミックに動かす方法をご紹介しました。
胸郭が固くならないように、みなさんも日頃からカラダを伸ばしたり・ねじったりして柔らかくしておきましょうね!
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