痛みがあるときに、”冷やす”のか、”温める”かどちらか迷ったことがあると思います。
今回は、痛みがあるときの対応方法について、効果的な方法をご紹介します。
温めるのと、冷やすのどちらが良いのか・・・
実は、冷やしても温めても、両方とも痛みを緩和させる効果はあります。
効果はありますが、冷やす時期と温める時期によって、逆に痛みが悪化することもあります。
どのような時期に温めたり冷やしたりすればいいのか、詳しくご説明しましょう。
いつ温める?冷やす?
冷やすときと、温めるときを見極めるポイントは、炎症症状です。
炎症症状とは、腫張、発赤、熱感、疼痛などです。
ケガをした直後は、腫れたりしているため、この時期に温めてしまうよ余計に腫れてしまいます。
このような時期は、冷やすほうが良いです。
反対に、慢性的な痛みや筋肉が固くなって痛い場合は、温めることで和らぐこともあります。
そのため各時期に合わせて、温めるのか、冷やすのか、選択することが大切です。
特に炎症症状があるときに気をつけなければなりません。
炎症症状があるときに温めてしまうと悪化するため、注意が必要です。
それでは、痛みの正しい対応方法や冷やすときの方法をご紹介します。
痛みの正しい対応方法とは?
痛みにはさまざまな原因があり、その原因よって対応方法が異なります。
そのため、まずは原因を知ることが重要です。
”急性期の炎症による痛み”なのか、それとも”長年の慢性痛”なのかによっても対応方法がまったく違います。
そのため、やみくもに『痛いから冷やす』『痛いから温める』というふうに行わず、しっかりと各部位をみて判断することが大切です。
冷やすのはどのようなとき?
冷やす治療法を寒冷療法といいます。
基本的に急性期や炎症症状がある場合に冷やします。
例えば、捻挫の直後、スポーツ中にぶつかって腫れてしまった場合、手術後の場合などさまざまです。
炎症症状の兆候は大きく分けて5つあります。
発赤
熱感
腫張
疼痛
機能障害
この症状が見られている場合は、組織の損傷や組織内で出血などが起こっています。
炎症症状が見られた場合や受傷直後は冷やすのが基本です。
この時期に温めるのはタブーなので注意しましょう!
なぜ炎症があるときに温めてはダメなの?
冷やした場合と温めた場合で、カラダの作用・効果がまったく違います。 まずこちらの表をご覧ください。
温熱療法 | 寒冷療法 |
血管拡張 | 血管収縮と二次性拡張 |
血流増加 | 血流量の減少 |
神経伝達速度の上昇 | 神経伝達速度の低下 |
疼痛閾値の上昇 | 疼痛閾値の上昇 |
このように ”冷やすこと” や ”温めること” はカラダへの作用・効果がまったく違います。
例えば炎症がある場所を温めると、血管が拡張し血流量が増加するため腫れが増加し、痛みが強くなってしまいます。
これは温めの効果として血管拡張、血流増加、神経伝達速度が速くなるためです。
そのため炎症症状がある場所に対し温めることは禁忌とされています。
温めるのはどのようなとき?
温めるのは基本的に炎症症状がない場合です。
例えば、慢性的に筋肉が硬くなっていて痛みが出ている場合は温めます。
筋肉は温めることで柔らかくなるため痛みが軽減します。 このように原因によって使い分けが必要です。
”冷やす”と”温める” 適応と禁忌は?
では、どのように使い分けをすればいいのでしょうか。 適応と禁忌についてご紹介します。
適応 | 禁忌 | |
温熱療法 |
筋骨格系の疼痛 | 急性炎症 |
関節拘縮 | 外傷 | |
筋スパズム | 出血部位 | |
寒冷療法 |
骨格筋系外傷の急性期 | 虚血部位 |
筋骨格系の疼痛 | 感覚脱出 |
表のように適用や禁忌が違うので注意して処置を行ってください。
理学療法士から一言
冷やすのと温めるのは、その時の状況に応じて、温めるのか、冷やすのか見極めることが大切です。
まずは、急性痛なのか、慢性痛なのか、評価を行い、その時期に合わせた治療を行うといいと思います。
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