深部静脈血栓症をご存知でしょうか?
イメージしやすくいうとエコノミークラス症候群と同じ状態です。
これは足の手術後に起こる可能性がある非常に怖い病気の一つです。
今回は①深部静脈血栓症の危険性について、②起こりやすい手術、③症状や予防方法についてご紹介します。
まず深部静脈血栓症についてご紹介します。
深部静脈血栓症とは?
深部静脈血栓症とは、深部の静脈になんらかの原因で血栓(血の塊)が生じる病気です。
原因として、長期臥床、長時間の安静座位(エコノミークラス症候群)、下肢の手術後、妊娠、下肢の麻痺、ギプス固定、心疾患や肥満などがあります。
そもそも深部静脈血栓症はなぜ危険性があるのでしょうか?
実は、足に血栓があるだけではそれほど危険性はありません。
何が危険かというと、足の血栓が飛んで肺に行ってしまい肺血栓塞栓症になってしまうことがとても危険なのです。
肺に血栓が飛んでしまうと血管が詰まってしまいます。
これが非常に危険な状態です。
症状として呼吸困難、胸痛、冷や汗などで発症し、重症化すると意識消失や呼吸停止に至ります。
こうならないために、深部静脈血栓症に対し予めの予防がとても重要になります。
手術後の深部静脈血栓症について
足の手術を行う際に深部静脈血栓症の予防をしなかった場合の発生率をご紹介します。
人工股関節置換術:22.6 ~ 33.8% 股関節骨折手術:48.1% 人工膝関節置換術:55.8% それ以外は10〜20%前後です。
予防を行わなければ、半分の確率で深部静脈血栓症になってしまいます。
このことからもわかるよう、事前に予防をすることがとても重要です。
ではどのような予防方法が効果的なのでしょうか?
深部静脈血栓症の予防方法とは?
いくつか予防方法をご紹介します。
弾性ストッキングによる予防方法です。
使用時の注意点として、シワがないように上までしっかり上げましょう。 引用1)
次にフットポンプによる予防方法です。
これは弾性ストッキングと併用して行うことが多いです。
これは足にマンシェットを巻き自動で空気が入るため、足部の血液の循環を促すものです。 引用1)
パンピング動作による予防方法についてです。
深部静脈血栓症の予防には血流をの流れを良くしておくことが重要です。
方法はとても簡単です。
足首を上下左右に動かすだけです。
ポイントとして、動く範囲全部をしっかりと動かふくらはぎの筋肉が動くこと重要です。
深部静脈血栓がある場合の症状・治療について
血栓がある場合の症状として、熱感、腫れ、発赤、痛みなどの炎症症状がみられます。
また、Homans徴候(ホーマンズ徴候)が陽性になります。
これは膝関節を伸展位にした状態で足関節を背屈させると腓腹筋部に痛みが出現すると陽性です。
この場合は、看護師や医者へ相談してください。
治療に関してはワーファリンなどの薬によりコントロールが行われます。
そのため、血栓があったとしても医者に確認し許可が出れば普通にリハビリを行います。
まとめ
深部静脈血栓症は非常に思いこれは足の手術後に起こる可能性がある非常に怖い病気の一つです。
原因として、長期臥床、長時間の安静座位(エコノミークラス症候群)、下肢の手術後、妊娠、下肢の麻痺、ギプス固定、心疾患や肥満などがあります。
足の手術を行う際に深部静脈血栓症の予防をしなかった場合の発生率は、 人工股関節置換術:22.6 ~ 33.8% 股関節骨折手術:48.1% 人工膝関節置換術:55.8%と非常に高い数値です。
そのため、手術前からの管理がとても大変です。
予防方法として、弾性ストッキングやフットポンプ、足関節の底背屈を行います。
血栓がある場合の症状として、熱感、腫れ、発赤、痛みなどの炎症症状がみられます。
またHomans徴候が陽性になります。
深部静脈血栓症は肺塞栓症へつながる重要な病気です。
これは予防をしっかりすれば防げる確率は大幅に上がります。 手術前後はしっかりと足首を動かし、血栓ができないように心がけましょう。
引用・参考文献
1)吉田智子:深部静脈血栓症(DVT)予防機器の使用方法,ブレインナーシング,30(3),253-255.2014
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