炎症症状を正しく対処することは非常に重要です。
みなさんは効果的な炎症症状の対処法を知っていますか?
特に急性外傷や手術後の炎症管理の仕方によって、その後のリハビリや治癒過程に大きく差が出ます。
今回は炎症についてと、効果的な対処法・RICE処置についてご紹介します。
炎症ってなに?
炎症とは、生体に外傷や侵襲が加わることで起こる全身または局所組織の反応のことです。
まずは急性炎症の生理学的メカニズムについて簡単に説明します。(ここは飛ばしても構いません。)
①生体に外傷や侵襲が加わる
→ ②そこの血管拡張・透過性亢進、血漿成分の滲出が起こる
→ ③炎症細胞の浸潤が起こる(好中球など)
→ ④炎症物質・発痛物質が生産
→ ⑤炎症症状の発生
このように外傷や手術によりカラダに侵襲が加わることで炎症物質が生産され、炎症症状としてカラダに出てきます。
炎症症状とは?
カラダに出てくる炎症は5つあります。
[illust_bubble subhead=”5徴候とは?” align=”right” color=”green” badge=”ポイント!” illst=”point-m1-l” align=”right” width=”110″]発赤、熱感、腫脹、疼痛、機能障害[/illust_bubble]よくある炎症症状の光景です。
ケガ直後や手術後の場合、患部は赤く(発赤)、熱(熱感)を持ち腫れています(腫脹)。
また動かそうとしても痛み(疼痛)が強く動かせません(機能障害)。
炎症症状はケガや手術後の早い段階から起こるため、炎症管理は早急に行うことが重要です。
なぜ炎症管理が重要なの?
急性期の炎症管理は基本的に冷やす(寒冷療法)ことを中心に行います。
痛みに対しも”冷やす場合”もあれば、”温める場合”もあります。
どのときに “冷やす” のか “温める” のかこちらでご紹介しています。ご興味がある方はご覧ください→〜炎症や痛みは…冷やすの?温めるの?〜
炎症管理を行うことで、
①痛みを緩和できる
②循環が良くなり痛みの物質が溜まらなくなる
③腫れが引けることで関節が楽に動かせる
④腫れによる筋萎縮を抑えられる
など、さまざまな効果があります。
炎症があるとリハビリの進行に影響が出てしまい、治るまで時間がかかります。
また痛みが残る可能性があります。
それに加え入院期間が延び入院費が多くなり、他には体力が落ちたり、友人と遊びに行けなかったりし、良いことが一つもありません。
これを防ぐためにも炎症管理が重要です!
炎症をしっかりと対処することでリハビリがスムーズに進み、早く退院をすることができます。
RICE処置とは?
外傷や手術後の急性炎症に対してRICE処置を行います。
RICE処置についてご紹介します。
[illust_bubble subhead=”RICE療法” align=”right” color=”green” badge=”ポイント!” illst=”point-m1-l” align=”right” width=”110″]Rest:安静 Icing:アイシング Compression:圧迫 Elevation:挙上[/illust_bubble]
〜Rest:安静〜
受傷直後に骨折の疑いがある場合は固定をします。
手術後は動かした方がいいため、安静を積極的に取ることはあまりありません。
〜Icing:アイシング(冷却)〜
アイシングは市販の袋またはビニール袋を使ってください。
このように氷を平らにすると効果的です。
注意点として、冷やしすぎると凍傷になる可能性があります。
冷やす時間:20分冷やす + 40分休憩で行ってください。
〜Compression:圧迫 Elevation:挙上〜
圧迫は包帯で足の先の方から上へ向かって巻いていきます。
挙上は下に枕などを置き高くします。
効果を上げる4つのポイント
《その1》
常に固まっている氷を使うことです。
氷が溶けて水になっている状態で冷やしても効果はありません。
《その2》
アイシングは運動やリハビリ直後に行うのが効果的です。
理由として、運動により患部に負担がかかり炎症が増えるのを抑えたいからです。
《その3》
圧迫はややきつめに包帯を巻きましょう。この場合、うっ血には注意してください。
《その4》
挙上は患部を心臓より高い位置にしましょう。
炎症管理はその後の治癒過程に関わってくるため、ポイントを抑え行いましょう。
まとめ
炎症の5徴候は発赤、熱感、腫脹、疼痛、機能障害です。
炎症症状は受傷直後や手術直後の早い段階からみられるため、早急な炎症管理が重要です。
急性炎症では基本的に冷やす(寒冷療法)を行います。
方法としてRICE処置(R:安静 I:アイシング C:圧迫 E:挙上)を行います。
効果的なポイントとして、
①固まっている氷を使うこと
②アイシングは運動直後に行うこと
③圧迫はややきつめにし、うっ血に注意すること
④患部の高さは心臓より高い位置にすることです。
炎症の状態により、その後のリハビリや治癒過程に関わってくるため炎症の対処法は非常に重要です。
みなさんも炎症の効果的な対処法を覚え、いざという時に実践してみましょう!
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