“手足の筋(すじ)が痛い”、“すじが張っている”と一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
しかし、実は人のカラダに“スジ”というものはありません。
今回は“すじ”の正体、筋肉と腱の違い、靱帯と腱の違いについてご紹介します。
みなさんは“すじ”という言葉を聞いたり、使ったりしたことがあると思います。
実際にカラダを触ってみると、ピーンと張っており“すじ”みたいですよね。
しかし“すじ”というのは本当はカラダにはありません。
それでは“すじ”の正体を解明しましょう。
“すじ”の正体とは?
ピーンと張っている部分を“すじ”といいますよね。
例えばこのような部分です。
このピーンと張った部分は“腱(けん)”といいます。
実は“すじ”の正体は“腱”なのです。
腱と聞いてあまりピント来ない方もいらっしゃると思いますので、詳しくご説明します。
腱とは?
腱とは筋肉と骨をつなぐ間の部分になります。
カラダで一番わかりやすい腱はアキレス腱ですね。
アキレス腱を触ってみてください。
ピーンと張っており、俗にいう“すじ”ですよね。
膝の裏にもピーンと張ったのがあります。
これも腱であり、膝を曲げる筋肉と骨をつなげています。
腱の働きは、骨と筋肉をつなげることです。
腱は伸張性があまりないのが特徴です。
筋肉に力が入ると腱が引っ張られるため、筋肉と腱の境目あたりに痛みが生じることがよくあります。
〜腱のまとめ〜
①俗にいう”スジ”とは腱のこと
②筋肉と骨をつなげる組織
③伸張性があまりない
④筋肉と腱のつなぎめに痛みが生じやすい
筋肉とは?
筋肉についてもご説明しましょう。
ご存知の通り、筋肉はこの盛り上がっている部分です。
人のカラダは筋肉が縮んだり伸びたりすることで動いています。
筋肉はすごく小さい筋線維が束になることで出来上がっており、一番小さいものは筋節(サルコメア)というものになります。
筋肉はカラダの外側だけでなく内臓部分にも筋肉があり、実は心臓も心筋という筋肉でできています。
筋肉なしではヒトのカラダは動くことができず、とても重要な組織の一つになります。
スジ(腱)と筋肉の違いとは?
スジ(腱)と筋肉についてご説明してきました。
俗にいうスジとは腱のことであり、筋肉と骨をつなげるものであり、伸縮性はほとんどありません。
これに対し、筋肉は関節を動かすために伸び縮みをよくします。
もうおわかりだと思いますが、スジ(腱)と筋肉は全くの別物になります。
みなさんがよく言う“スジが痛い”というのは、筋肉と骨をつなげる腱の部分の痛みのことなのです。
靱帯とは? 腱と靱帯の違いとは?
腱と筋肉についてご紹介してきたので、靱帯についてもご説明しましょう。
靱帯という言葉もよく耳にすると思いますが、靱帯がどのようなものなのか答えられる方は少ないと思います。
靱帯とは骨と骨をつなげる組織になります。
特徴として、腱と同様にほとんど伸縮性がありません。
先ほど腱は筋肉と骨をつなげる組織とお伝えしましたが、靱帯は骨と骨をつなげるものになります。
腱と靱帯は似たようなモノに感じると思いますが、実は全くの別物なのです。
足首の靱帯をみてみましょう。
この靱帯は前距腓靭帯(ぜんきょひ靱帯)といい、捻挫(ねんざ)をした際に損傷する靱帯です。
前距腓靭帯は距骨(きょこつ)と腓骨(ひこつ)をつなぐ靱帯になります。
捻挫については以前にご紹介しています。ご興味がある方はこちらをご覧ください。
このように足首には多くの靱帯があり、骨と骨とをつなぎ安定性を得ています。
〜靱帯のまとめ〜
①骨と骨をつなぐ組織
②伸縮性がほとんどない
③腱とは全くの別物
まとめ
俗にいう“スジ”の正体は腱であり、筋肉と骨をつなげる組織のことです。
腱は伸縮性はありませんが、筋肉はよく伸び縮みするため、全くの別物になります。
靱帯は骨と骨とつなぐ組織であるため、腱と似たようなイメージを持たれるかもしれませんが、まったくの別物です。
ヒトのカラダには“スジ”というものはなく、スジの正体は腱であることをマメ知識として知っておくのもいいですね。
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