太ももの外側にある大腿筋膜張筋や腸脛靭帯を聞いたことがありますか?
この筋肉は特に硬くなりやすい筋肉の一つです。
また外側広筋や変形性膝関節症とも密接に関係しています。
今回は大腿筋膜張筋と腸脛靭帯の解剖学、外側広筋や変形性膝関節症との関係についてご紹介します。
大腿筋膜張筋・腸脛靭帯とは?
大腿筋膜張筋や腸脛靭帯は太ももの外側にある筋肉です。
大腿筋膜張筋は途中から腸脛靭帯となり骨につきます。
そのため大腿筋膜張筋と腸脛靭帯は同じといえば同じです。
まず大腿筋膜張筋についてご説明します。
まずはイラストで見てみましょう。
大腿筋膜張筋は二関節筋であり、骨盤、股関節、膝関節をつないでいます。
二関節筋とは二つの関節を通る筋肉です。
起始:腸骨稜,上前腸骨棘の後方 付着:腸脛靭帯 神経:上臀神経 作用:股関節屈曲・外転・内旋,下腿外旋
大腿筋膜張筋は股関節の屈曲・外転・内旋として働きます。
膝関節に関しては下腿を外旋させる筋肉の一つです。
下腿にも影響を及ぼすためとても重要です。
大腿筋膜張筋は大臀筋ともつながっているため、大臀筋に力が入ると大腿筋膜張筋も一緒に力が入る方向へ引っ張られます。
次に腸脛靭帯についてご説明します。
まずイラストで見てみましょう。
このように腸脛靭帯は非常に長いです。
付着:大腿筋膜〜脛骨外側顆(ガーディー結節) 作用:大腿筋膜張筋の作用によって緊張し、膝関節を安定させる
靭帯は縮んだり伸びたりすることが乏しいため、大腿筋膜張筋の収縮に伴います。
大腿筋膜張筋や腸脛靭帯の影響とは?
腸脛靭帯と外側広筋との関係とは?
腸脛靭帯の深層部には外側広筋があります。
外側広筋とは大腿四頭筋のうちの一つで膝を伸ばす筋肉です。
こちらでご紹介しているため、ご興味があればご覧ください。
イラストで見てみましょう。
膝を曲げ伸ばしする際に、腸脛靭帯は外側広筋の上を滑るようにして動きます。
腸脛靭帯と外側広筋はくっついておらず、滑りながら動くことが重要です。
このことを滑走(かっそう)といいます。
腸脛靭帯と外側広筋の部分の滑走は悪くなりやすく、膝の動きや痛みに影響を及ぼすことが多々あります。
外側広筋は膝蓋骨ともつながっているため、外側広筋の動きが悪くなると膝蓋骨も動きが悪くなります。
これにより、膝関節の動きが悪くなります。
膝蓋骨の解剖学や動かし方についてこちらでご紹介しています。
ご興味がある方はご覧ください。
特に膝を手術した後に滑走性が低下しやすくなります。
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《膝への影響》
膝の手術
↓
腸脛靭帯 と 外側広筋 の滑走低下
↓
膝蓋骨の動き悪くなる
↓
膝関節の動き悪くなる。下腿外旋する。
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このように悪循環になり、膝関節の動きが悪くなります。
腸脛靭帯と変形性膝関節症との関係とは?
大腿筋膜張筋や腸脛靭帯は変形性膝関節症の影響を受けます。
O脚の場合、膝が外に開いてきます。
そのため、膝の外側にある腸脛靭帯の張力で膝を寄りかからせるようにして支えます。
そのため硬くなりやすく、張りやすい状態となります。
変形性膝関節症についてはこちらでご紹介しています。
ご興味がある方は、こちらをご覧ください。
このように大腿筋膜張筋や腸脛靭帯はさまざまな影響を受けやすく、硬くなりやすい部分でもあります。
まとめ
今回は大腿筋膜張筋と腸脛靭帯の解剖学についてご紹介してきました。
この筋肉は特に硬くなりやすい筋肉の一つです。
大腿筋膜張筋は二関節筋であり、骨盤、股関節、膝関節をつないでいます。
働きとして、大腿筋膜張筋は股関節の屈曲・外転・内旋、膝関節は下腿を外旋させるように働きます。
腸脛靭帯は非常に長いです。
靭帯は縮んだり伸びたりすることが乏しいため、大腿筋膜張筋の収縮に伴います。
腸脛靭帯の深層部には外側広筋があります。
この部分の滑走が悪くなると、膝関節の動きが悪くなったり痛みが出現することがあります。
外側広筋は膝蓋骨ともつながっているため、膝蓋骨の動きにも影響を与えます。
また腸脛靭帯は変形性膝関節症の影響も受けやすいです。
O脚の場合、膝が外に開いてくるため腸脛靭帯で膝を寄りかからせるようにして支えます。
このように大腿筋膜張筋や腸脛靭帯はさまざまな影響を受けやすく、硬くなりやすい部分でもあります。
この筋肉や靭帯はさまざまな疾患に影響を及ぼすため、まずは解剖学をしっかりと押さえておきましょう!
途中でご紹介した補足の記事はこちらです。
ご興味があればご覧ください。
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