治療をする過程で痛みの変化を知ることはとても重要です。
しかし、痛みを表現することはとても難しいですよね。
こんなときにペインスケール(痛みスケール)を使うと、誰でも簡単に痛みを表現でき評価をすることができます。
今回は簡単にできるペインスケール・評価についてご紹介します。
うまく痛みを表現できない方は多くいらっしゃいます。
しかし痛みの変化をしっかりと追っていくことは重要ですよね。
そんなときに誰でも簡単に使える4つのペインスケールをご紹介します。
これを使うことで痛みの経過を簡単に調べることができます。
4つのペインスケールとは?
今回は簡単にできる4つのペインスケールをご紹介します。
〜ペインスケール〜
①NRS (numeric rating scale)
②VAS (visual analogue scale )
③フェイススケール
④VRS (verbal rating scale )
それぞれ特徴があり小さい子からお年寄りまで幅広く使えますが、対象者に合った方法を選択して行ってください。
NRS (numeric rating scale)とは?
NRS(numeric rating scale) は、痛みを数字で口頭で答えてもらう方法です。
これは0〜10までの11段階で行ないます。
0:全く痛みなし 〜 10:今までで一番痛い痛み
このように0から10に上がるにつれて、痛みの強さが上がります。
5が痛みの強さの真ん中になります。
この評価スケールはリハビリの現場でもよく使われる方法の一つです。
小さい子から高齢者まで幅広く使え、数値化もできるためとても便利なスケールです。
簡単に例をあげましょう。
『今の痛みの強さについて教えて下さいね。今までで一番痛かったのを10点、中くらいの痛みを5点、全く痛くないのを0点とした時に、今の痛みはどのくらいですか?』
『ん〜7点ぐらいかな』
これでNRSは7と評価できます。
これに加え、今の痛みは我慢できるかどうかも聞いておくといいでしょう。
あくまでNRSは主観的評価のため、同じ7であっても個々で痛みが違います。
そのため我慢できる痛みなのか、我慢できない痛みなのかも聞いておくといいでしょう。
VAS (visual analogue scale )とは?
次はVAS(visual analogue scale )についてです。
VASは記述式となります。
これは100mmの線の上に痛みの強さに合わせて、線を引いてもらう方法です。
線の左が“まったく痛くない”、右が“今までで一番強い痛み”として、現在の痛みの強さの場所に線を引きます。
VASもリハビリの現場でよく使われますが、方法の理解ができないと評価ができないため、小さい子や高齢者には適応にならないことがあります。
フェイススケールとは?
フェイススケールは顔の表情で痛みの強度を評価する方法です。
フェイススケールは6段階あります。
引用1)
この方法は質問や記載がないため、小さい子やお年寄り、認知症の方でも評価することができます。
VRS (verbal rating scale )とは?
VRS(verbal rating scale )とは、0〜4まで痛みの強さを段階的に書いてあるものを読み、痛みに合った数字を選んでもらう方法です。
このスケールは理解がしやすく、痛みの程度が言語化されているためわかりやすいです。
注意点とは?
この4つのスケールはあくまでも主観的評価になります。
例えばNRS7を表現する方が二人いたとしても、痛みの感じ方は二人とも違います。
ひとりは痛みに強い方かもしれないし、ひとりは痛みに弱い方かも知れません。
痛みのスケールだけで痛みの強さを決めつけないように注意しましょう。
ペインスケールの使い方とは?
ペインスケールでどのくらい痛みが強いのかある程度想像がつきます。
大事なのはスケールで痛みの状態を把握し、治療でその痛みの状態を追っていくことが重要です。
先ほどご紹介したように、ヒトが違えば同じNRS7であっても痛みの感じ方が違います。
しかし、同一人物であれば時間の経過によるNRSの変化を比較することはできます。
もう少しわかりやすくご説明しましょう。
痛みに弱いAさん、痛みに強いBさんがいたとします。
Aさん、Bさん共にNRS7でした。
この場合は同じNRS7であっても、痛みのスケールは主観的評価のため、全く同じ痛みとはいえません。
Aさんの手術後の痛みはNRS7、手術後1ヶ月ではNRS2であった。
この場合、同じAさんであり痛みの基準は変わらないためNRS7とNRS2を比較し、痛みが軽減したといえます。
このように痛みのスケールは主観的評価であるため、数値が同じだからといって痛みの強さが同じとは限りません。
まとめ
今回は痛みのペインスケールについて4つご紹介してきました。
この4つのスケールはとても簡単に使用できるためオススメです。
痛みは時間経過で変化を追うことがとても重要です。
みなさんも痛みがある場合には、時間の経過で痛みが強くなっているのか、減ってきているのか調べてみてもいいかもしれませんね!
引用・参考文献
1)山中政子:ペインスケール,プロフェッショナルがんナーシング.4(4):385-385, 2014.
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