足首の脛骨や腓骨の骨折は転倒や事故で起こります。最近では雪で転んで骨折する人もいらっしゃいます。
足首の骨折をすると後遺症として日常生活で不便になり、特に正座やしゃがみ込みなどが制限になります。
今回は足首の骨折後の後遺症、不便になる日常動作や改善方法についてご紹介します。
最近のニュースで西日本や東日本の大雪映像をみる機会が多いですね。
雪で転んで足首の骨折やアキレス腱断裂など足首周囲のケガをする人がものすごく多いです。
一年の中でも足首周囲のケガは今が一番ピークであるといってもいいぐらいでしょう。
今回は足首の骨折後の後遺症についてご紹介しますが、その前に足首の骨折について復習しましょう。
足首の骨折とは?
まずは足首の構造や骨折について簡単にご紹介します。
足首は足関節ともいい、脛骨(けいこつ)と腓骨(ひこつ)、距骨(きょこつ)、踵骨(しょうこつ)から構成されています。
足関節の骨折は主に脛骨と腓骨の両方、もしくは片方の骨折のことを指します。
骨折の原因は転倒や交通事故なかでもバイク事故で起こります。
転倒や事故の際に足をひねった状態で体重や負荷がかかることで骨折してしまいます。
足関節の骨折について以前にご紹介しています。
さらに詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
足関節の後遺症とは?
足関節骨折では骨折している場所が多いほど治りが遅くなり、後遺症が出やすくなります。
骨折の種類として脛骨や腓骨の片方の骨折、両方の骨折、そして脛骨の後ろの後果(こうか)の骨折があります。
後果に骨折があると予後が悪くなります。
また元々糖尿病がある方の場合、傷の治りが遅くなることがあり予後が悪くなる可能性があります。
足関節骨折の手術翌日よりリハビリが開始となります。
手術後4週間は体重をかけることができず、その後徐々に体重をかけていきます。
およそ2ヶ月程度で全体重をかけることができるようになりますが、腫れが落ち着くまでは松葉杖を使用しての歩行になります。
足関節骨折の手術後に生活動作で問題になってくるのは、しゃがみ込みや正座、階段を降りるといった足関節を大きく使う動作です。
歩くのは問題なくリハビリが進めば、そこまで大きな問題となることはありません。
足関節の骨折をすると背屈が固くなるため、しゃがみ込みがしづらくなることは想像がつくと思います。
ここで意外なのが、しゃがみ込みより正座ができるようになるまでの期間の方が長くかかるということです。
これは足関節背屈より底屈の可動域の方が良くなるまでの期間がかかるということです。
実際はある程度骨折をしていない方の足に力があればしゃがみ込んだりするのは行えます。
しかしこれを長い期間続けていると、必ず骨折をしていない方の足も痛めてしまいます。
やはり骨折をした方の足もしっかりと使うことが大切です。
ではしゃがみ込みや正座をできるようにするにはどうすればいいのでしょうか。
しゃがみ込みや正座をできるようにするには?
しゃがみ込みや正座は足関節の筋力より可動域が関係しています。
しゃがみ込みは特に足関節背屈の角度が重要です。
背屈が行えないとしゃがみ込んだ際に足首の前側に痛みがでたり、重心が後ろへ移動し転倒する可能性があります。
足関節背屈ができなくなる原因は多数ありますが、今回はご自身で簡単にできる方法をご紹介します。
筋肉で問題になることが多いのが下腿三頭筋(かたいさんとうきん)、長母趾屈筋(ちょうぼしくっきん)、後脛骨筋(こうけいこつきん)です。
これらの筋肉が固くなってしまうと足関節背屈がいきづらくなります。
では一つずつ詳しくみていきましょう。
まずは下腿三頭筋です。
下腿三頭筋は腓腹筋とヒラメ筋の総称で、ふくらはぎの筋肉のことです。
腓腹筋のストレッチはみなさんがよく知っているアキレス腱伸ばしの方法で行えます。
ヒラメ筋は膝を軽く曲げた状態で同じようにストレッチを行ってみましょう。
《下腿三頭筋の解剖》
〜腓腹筋〜
起始:内側頭 大腿骨内側上顆 外側頭 大腿骨外側上顆
付着:アキレス腱を介して踵骨隆起に付着
神経:脛骨神経
作用:足関節底屈・内反,膝関節屈曲
〜ヒラメ筋〜
起始:腓骨頭,ヒラメ筋線
付着:アキレス腱を介して踵骨隆起に付着
神経:脛骨神経
作用:足関節底屈・内反
次に長母趾屈筋です。
長母趾屈筋は親指を曲げる筋肉です。
この筋肉が固くなると足関節背屈がしにくくなります。
そのためこの筋肉のストレッチも重要です。
方法はこのようにしゃがんだ状態で足の指を立てて伸ばします。
《長母趾屈筋の解剖》
起始:脛骨後面の下部2/3,下腿骨間膜後面
付着:母趾の基節骨底
神経:脛骨神経
作用:足関節底屈・内反,母趾の屈曲
最後に後脛骨筋です。
後脛骨筋は足関節を底屈・内反させる筋肉です。
底屈・内反は足を下側に下げた状態で内側にひねる動きです。
《後脛骨筋の解剖》
起始:下腿骨間膜,脛骨と腓骨の隣接面
付着:舟状骨粗面,内・中・外側楔状骨,第2〜4中足骨底
神経:脛骨神経
作用:足関節底屈・内反
ストレッチはこのように行います。
方法はアキレス腱伸ばしと変わりませんが、ポイントはつま先を内側に向けて行いましょう。
足関節背屈を獲得するためには特にこの4つの筋肉のストレッチを行いましょう。
次に正座です。
正座は足関節底屈の可動域が重要となります。
足関節底屈の可動域が狭くなる原因として、筋肉では前脛骨筋や足趾伸筋群が固くなることが挙げられます。
筋肉以外にもさまざまな原因はありますが、ご自分で簡単にできる方法として筋肉のストレッチをご紹介します。
前脛骨筋と足趾伸筋群のストレッチをしっかりと行いましょう。
前脛骨筋は足首を下にさげるようにストレッチを行います。
この状態でさらに足の指も一緒に下にさげるようにストレッチを行うことで、足趾伸筋群のストレッチもできます。
もしくはひたすら正座をしてもストレッチ効果があるため、それでもいいでしょう。
ストレッチの目安はおよそ30秒程度、強さは痛気持ちいい程度が効果的です。
まとめ
今回は足関節骨折の後遺症についてご紹介してきました。
骨折後は足関節の可動域に問題が生じ、特に足首をさげる角度が減少します。
日常生活動作ではしゃがみ込みや正座、階段の降段といった動作で支障が出ることが多いです。
動作を改善するために、足関節の可動域はとても重要となります。
足首の骨折は若い人や高齢者でも起こるため、しっかりと抑えておきましょう!
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