登山をしたり、ハイキングで長い坂道を歩くことがあると思います。
翌日にすねの横が痛くなったことありませんか。
今回は登山や坂道の後に生じた“すねの痛み”の原因や改善方法、予防法についてご紹介します。
登山や坂道歩行の後にすねの横が痛くなることはありませんか。
これは筋肉の痛みが原因であることがほとんどです。
登山や坂道歩行の後のすねの痛みとは?
みなさんも登山や坂道歩行の後に、すねの横が痛くなった経験があるのではないでしょうか。
すねの横には前脛骨筋(ぜんけいこつきん)という筋肉があり、多くはこの前脛骨筋の痛みが原因です。
まずは前脛骨筋を確認してみましょう。
〜前脛骨筋の詳しい解剖〜 起始:脛骨の外側面上部2/3,下腿骨間膜,下腿筋膜 付着:内側楔状骨,第1中足骨底 神経:深腓骨神経(L4,5) 作用:足関節背屈,内反(回外)
前脛骨筋はすねの外側にある筋肉で、主に足首を上にあげる働きをします。
この上げる動きを背屈(はいくつ)といいます。
逆に足首を下にさげる動きを底屈(ていくつ)といいます。
前脛骨筋が収縮すると足首は背屈します。
この筋肉の働きを求心性収縮(きゅうしんせいしゅうしゅく)といいます。
前脛骨筋は足首を上にあげる働きをしますが、足首を上げた状態からゆっくりと降ろす働きもします。
重力で足がストンッと落ちてしまうのを、前脛骨筋がゆっくりとブレーキをかけながら足を降ろしてくれます。
このように力が入ったままゆっくり筋肉が伸びる働きを遠心性収縮(えんしんせいしゅうしゅく)といいます。
足首の詳しい構造や働きについてはこちらでご紹介しています。
ご興味がある方はご覧ください。
これを踏まえて、登山や坂道歩行の後の筋肉痛に関してご説明します。
登山や坂道を登る際の足首の動きとは?
登山や坂道を登るときに、足首はどのような動きをしているのでしょうか。
日常では平地で歩く機会がほとんどですが、登山や坂道では進行方向の地面が高くなります。
そのため平地と同様に歩くとつま先が引っかかってしまうため、いつもより足首を高く上げるようにカラダが調整してくれます。
先ほど足首を上げる筋肉は前脛骨筋とご紹介しましたね。
登山や坂道では普段より足首を上げた状態になるため、前脛骨筋が過剰に働きます。
この状態で長時間の登山や坂道を行うと、前脛骨筋に筋疲労や筋肉痛が起こります。
これが原因の一つです。
登山や坂道を下る際の足首の動きとは?
登山や坂道を下るとき、足首の動きはどのようになっているのでしょうか。
下りでは登りとは逆で進行方向の地面が低くなります。
地面には踵から接地しますが、平地とくらべ地面が斜めに下がっているため歩行時よりも足首は底屈位方向へ動きます。
下りでは平地で動いている範囲以上に足首を下げなければなりません。
そのため普段動かしていない範囲で筋肉を使うことになります。
先ほどご説明したように、足首をゆっくり下ろすことを遠心性収縮といいます。
遠心性収縮は求心性収縮よりも負担が大きいことが特徴です。
このように前脛骨筋に遠心性収縮が長時間起こることで筋疲労や筋肉痛が起こります。
これがもう一つの原因であり、登りより下りの方が原因になることが多いです。
すねの痛みの改善方法とは?
それでは、すねの痛みの改善方法についてご紹介します。
登山や坂道後の対応方法とは?
今回のような登山や坂道後の痛みは筋疲労や筋肉痛によるものがほとんどです。
そのため患部の安静、前脛骨筋のマッサージやストレッチの実施、一時的に痛みを軽減させたいのであれば冷やしてもいいでしょう。
前脛骨筋のストレッチは足首を下側に伸ばすようにしましょう。
登山や坂道を行う前の予防法とは?
予防として前脛骨筋のトレーニングを行ないます。
登山や坂道では、普段あまり働いていない前脛骨筋が急に過剰に働くことで筋疲労や筋肉痛が起こります。
これを防ぐためには、普段から前脛骨筋を使うようにしましょう。
トレーニング方法として、足首に重りを巻き足首を上にあげます。
一番上まで上げたら、そのままゆっくりと足首を下げてきます。
上げるときは求心性収縮、ゆっくり下げるときは遠心性収縮の練習が行えます。
慣れてきたら足首の上げ下げを行うスピードをどんど上げてください。
このようにゆっくり動かしたり、早く動かしたりするトレーニングを続けるといいでしょう。
まとめ
今回は登山や坂道歩行後のすねの痛みについてご紹介してきました。
すねの横の痛みは、前脛骨筋の筋疲労や筋肉痛であることがほとんどです。
平地での歩行と比べ登山や坂道は前脛骨筋の活動が過剰になるためです。
改善方法として、安静やマッサージ、ストレッチを実施します。
予防方法は、前脛骨筋を普段から使うようにトレーニングし一次的に過剰な負荷がかからないようにしましょう。
登山やハイキングで坂道を昇り降りする機会がある方は、意識してみるといいかもしれませんね。
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