足関節の骨折は受傷の仕方によってさまざまな折れ方をします。
骨の折れ方はLauge-Hansen分類により大きく4種類に分類され、それぞれ特徴があります。
今回は足関節の骨折の分類、骨折により損傷する靱帯についてご紹介します。
足関節の骨折は転倒により足首をひねったり、転倒や交通事故で強い力が加わることで起こります。
足首を内側にひねって骨折した場合と、逆に外側にひねって骨折した場合では骨の折れ方や損傷する靱帯が変わります。
骨折の仕方でLauge-Hansen分類で分けることができ、損傷している可能性のある靱帯を予測することができます。
足関節の骨折とは?
はじめに簡単に足関節の骨折についてご説明します。
足関節の骨折は別名で足関節顆部骨折(そくかんせつかぶ骨折)や足関節脱臼骨折とも呼ばれます。
顆部(かぶ)とは“足のくるぶし”のことです。
内側のくるぶしを内果(ないか)、外側のくるぶしを外果(がいか)といいます。
後側にある後果(こうか)という部分も非常に重要で、重症な骨折ではこの部分も折れます。
脛骨と腓骨の間の関節を脛腓関節(けいひ関節)といいます。
この間には脛腓靱帯があり関節の安定性を保っています。
外側の靱帯には、前距腓靱帯(ぜんきょひ靱帯)、後距腓靱帯(こうきょひ靱帯)、踵腓靭帯(しょうひ靱帯)などがあります。
以前に詳しくご紹介しているため、ご興味がある方はこちらをご覧ください。
このくるぶし周囲の骨折を足関節顆部骨折といい、骨折に伴い足首の脱臼が起こっているのを足関節脱臼骨折といいます。
足関節の骨折の分類とは?
足関節の骨折で有名な分類は“Lauge-Hansen分類(ラーグハンセン分類)”です。
この分類は大きく4種類に分けられます。
Lauge-Hansen分類の4種類
①SERタイプ
②SAタイプ
③PERタイプ
④PAタイプ
骨折の仕方でとてもわかりやすい動画があるため、それもご紹介いたします。
それでは分類を一つずつみていきましょう。
SER :Supination external rotation
SERタイプは足首を内側にひねる内反(ないはん)の動作で起こります。
わかりやすく言えば、捻挫のように足首をひねった状態です。
足をひねることで回旋ストレスが加わり骨折をするため、骨折線は斜めになります。
SERが最も多く起こる骨折タイプ。
動画でみてみましょう。
動画からもわかるように、SERは腓骨の外果から骨折が始まり、後果、内果の順番で骨折が起こります
重症な骨折では外側の靱帯、脛腓靱帯の損傷や脱臼を伴うため手術で脛腓関節を固定することがあります。
固定はスクリューピンや体内に吸収されるピンで行ないます。
吸収されないものの場合は数カ月後に抜く手術を行うことがあります。
SA :Supination adduction
SAタイプは足首が内側に倒れるような動きで骨折が起こります。
SAはSERと同じで足首は内側に倒れますが、SERのようにひねることによる回旋ストレスは加わりません。
そのため骨折線は横方向になります。
この骨折も外側の靱帯を損傷することがあり、重症では内果の骨折も起こります。
PER:Pronation external rotation
PERタイプはSERタイプと逆で、足首を外側にひねる外反(がいはん)の動作で起こります。
PERの骨折は内果から起こり、その後に外果や腓骨の骨折が起こります。
この骨折タイプでは三角靭帯が損傷することがあります。
また重症例では脛腓靱帯の損傷も起こります。
PA:Pronation abduction
PAタイプはSAタイプと逆で、足首を外側に倒すような動きで骨折が起こります。
この骨折もPER同様に三角靭帯や脛腓靱帯の損傷が起こることがあります。
まとめ
足関節の骨折の分類にはLauge-Hansen分類が有名です。
大きく4種類に分けられ、骨折の仕方によって折れ方や靱帯の損傷する場所もかわります。
動画で立体的にイメージするとわかりやすいですね。
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