股関節のレントゲンを診る際に、よく用いられる基準としてCE角とSharp角があります。
初めて聞く方もいらっしゃるかと思いますが、非常に重要な基準です。
これは股関節の臼蓋形成不全の指標になり、必ず股関節のレントゲンをチェックする際は用いられています。
今回は、CE角とSharp角の診かたや正常値、臼蓋形成不全との関係についてご紹介します。
CE角とSharp角とは?
CE角とSharp角はレントゲン上で寛骨の寛骨臼と大腿骨の大腿骨頭との適合性をみる評価方法です。
寛骨の寛骨臼とは受け皿のことです。
イラストで見てみましょう。
大腿骨頭はこの部分です。
寛骨臼と大腿骨頭からなる関節が股関節であり、歩行時等ではこの部分に全体重がかかってきます。
CE角やSharp角計測する上で基準点として骨盤の骨を使用するため、骨盤の骨の位置についてご紹介をします。
骨盤とは左右の寛骨・仙骨・尾骨から構成されています。
これは後ろからのイラストです。
CE角やSharp角は旧蓋形成不全の診断時によく用いられる評価方法です。
では一つずつご紹介します。
CE角とは?
CE角は『大腿骨の骨頭中心を通る垂線と、骨頭中心と旧蓋外上縁を結んだ線がなす角度』のことです。
①まず骨頭中心に垂線を引きます。
骨頭中心とは骨頭の真ん中の部分です。
②次に臼蓋外上縁を見つけます。
これは旧蓋の一番外側の部分です。
③①と②からの線のなす角がCE角になります。
CE角の正常値は25°以上で、それより小さい場合は大腿骨頭に対して臼蓋の被りが浅い状態となります。
日本人の平均では男性30〜32°、女性27〜34°です。
女性の方がやや角度が小さいのが特長です。
Sharp角とは?
Sharp角は『左右の涙痕(るいこん)を結ぶ線と、臼蓋外上縁と同じ側の涙痕を結ぶ線のなす角度』のことです。
①左右の涙痕を結びます。
②次に臼蓋外上縁を見つけます。
これは旧蓋の一番外側の部分です。
③①と②の線からのなす角度がSharp角になります。
Sharp角の正常値は45°以下で、それより大きい場合は大腿骨頭に対して臼蓋の被りが浅い状態となります。
日本人の平均では、男性35〜39度°、女性34〜42°です。
女性の方がやや角度が大きいのが特長です。
CE角やSharp角と臼蓋形成不全との関係とは?
CE角やSharp角にご説明してきました。
どちらも大腿骨頭に対して臼蓋の被りが浅い方を問題としています。
では、なぜ臼蓋の被りが浅い方が問題なのでしょうか?
臼蓋の被りが浅いということは、大腿骨頭と臼蓋が接地する面積が狭いということです。
接地面積が狭いということは、ある一部分に負担がかかりやすいということになります。
大腿骨頭を覆う部分が大きければ、接地面積も広がり大腿骨頭も安定します。
この大腿骨頭に対して臼蓋の被りが浅い状態を臼蓋形成不全といいます。
臼蓋形成不全ではある一部分に負担がかかりやすい状態であり、その部分痛みが出現することがあります。
CE角とSharp角の特長として、どちらも女性の方が大腿骨頭に対して臼蓋の被りが浅いというデータがあります。
そのため、日本人で股関節が悪い人は男性に比べ女性の方が多いです。
まとめ
CE角とは『大腿骨の骨頭中心を通る垂線と、骨頭中心と旧蓋外上縁を結んだ線がなす角度』のことです。
またCE角の正常値は25°以上で、それより小さい場合は大腿骨頭に対して臼蓋の被りが浅い状態となります。
Sharp角とは『左右の涙痕(るいこん)を結ぶ線と、臼蓋外上縁と同じ側の涙痕を結ぶ線のなす角度』のことです。
またSharp角の正常値は45°以下で、それより大きい場合は大腿骨頭に対して臼蓋の被りが浅い状態となります
この大腿骨頭に対して臼蓋の被りが浅い状態を臼蓋形成不全といいます。
臼蓋形成不全ではある一部分に負担がかかりやすい状態であり、その部分痛みが出現することがあります。
CE角とSharp角の特長として、どちらも女性の方が大腿骨頭に対して臼蓋の被りが浅いというデータがあります。
今回はCE角とSharp角についてご紹介してきました。
この角度は股関節のレントゲンをみる上で非常に重要は指標となります。
股関節が痛くてレントゲンを撮る機会があれば気にしてみてはいかがでしょうか。
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