理学療法士が股関節外旋筋の効果的なトレーニング方法を解説!知っていますか?

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股関節を安定させる重要な筋肉に外旋筋があります。
今回は股関節の外旋筋の構造やトレーニング方法についてご紹介いたします。


外旋筋は股関節のインナーマッスルとも言われており、股関節の安定に関与しているとても重要な筋肉です。
股関節疾患では特に重要な筋肉であり、例えば人工股関節全置換術(THA)やFAIなどです。

 

それでは、股関節外旋筋の解剖や筋トレ方法をご紹介します。

 

股関節外旋筋の解剖とは

股関節の外旋筋は、股関節を外側にひねる動きをします。

 

股関節には6つの外旋筋があり、梨状筋(りじょうきん)、上双子筋(じょうそうしきん)、下双子筋(かそうしきん)、大腿方形筋(だいたいほうけいきん)、内閉鎖筋(ないへいさきん)、外閉鎖筋(がいへいさきん)です。 

外旋筋でポイントなる梨状筋を見てみましょう。
梨状筋は大殿筋の下側にある筋肉で、大殿筋をどかしたイラストになります。
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〜梨状筋の解剖〜

起始:仙骨の内側面

付着:大腿骨の大転子

作用:股関節の外旋

神経:坐骨神経叢(S1〜S2)

 

外旋筋の働きとは?

外旋筋は短い筋肉ですが、大腿骨頭を臼蓋に引きつけ安定させます。
大腿骨頭とは大腿骨の頭のところで、臼蓋(きゅうがい)とは骨盤にある受け皿のことです。

 

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外旋筋は骨頭の後ろ側にあるため、後ろから股関節の安定をサポートしています。
外旋筋の他にも筋肉が骨頭を安定させており、前側からは腸腰筋、側方からは小殿筋がサポートします。

 

外旋筋が人工股関節全置換術で重要な理由とは?

人工股関節全置換術とは?

股関節疾患でメジャーな手術の一つに、人工股関節全置換術があります。
この手術は、変形性股関節症で行います。

 

変形性股関節症は、股関節の臼蓋や骨頭の部分が変形してしまい股関節に痛みが出てしまう病気です。

 

変形性股関節症の原因として、このような報告があります。

患者さんの多くは女性ですが、その場合原因は発育性股関節形成不全の後遺症や股関節の形成不全といった子供の時の病気や発育障害の後遺症が主なもので股関節症全体の80%といわれています。最近は高齢社会となったため、特に明らかな原因となる病気に罹ったことが無くても年齢とともに股関節症を発症してくることがあります。
                              引用:日本整形外科学会

 

変形性股関節でも生活をすることは可能ですが、痛みが強くなり日常生活に支障がでてきた場合に手術を行うことがあります。
痛くても、うまく痛みをコントロールしながら生活ができている方は、手術をせずリハビリをしながら生活を送っている方もいらっしゃます。

 

 

外旋筋と人工股関節全置換術の関係とは?

人工股関節全置換術にも手術方法がいくつかあります。

股関節の前側から行う手術や後側から行う手術など、各病院によって方法が異なります。

股関節の後側から手術する方法で、股関節の外旋筋がとても重要となります。

 

後ろからの手術方法では、外旋筋である梨状筋を一度大腿骨から切り離します。
その後、人工の股関節に入れ替え、再び梨状筋を縫合します。

 

そのため、手術後は外旋筋の力が発揮しづらくなり、股関節の安定性が低下します。 

 

人工股関節全置換術のあとで、最も注意しなかればいけないのが脱臼です。

股関節を安定させる外旋筋を一度切っているため、他の手術方法とくらべ脱臼しやすいのが特徴です。脱臼を予防するためにも、しっかりと外旋筋のトレーニングは行うことが重要です。

 

人工股関節全置換術の脱臼の原因についてはこちらで詳しくご紹介しています。
ご参考にしてください。
人工股関節全置換術の脱臼の原因はこちら。

 

股関節外旋筋のトレーニングとは?

 外旋筋のエクササイズのポイントは、低負荷から行っていくことです。
外旋筋がうまく使えないと、他の筋肉でカバーしてしまうため、まずはしっかりと外旋筋をつかいましょう。

 

コロコロ運動

一番弱い負荷の外旋筋の練習です。
仰向けで股関節を内側と外側にコロコロと転がします。

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注意点として、足を持ち上げないことです。
持ち上げるとももの前に力が入り効果が落ちます。

 

ポイントとして、ももの後ろは床につけておきます。

 

開排運動とは

《仰向けの場合》
仰向けで両足を曲げます。
両方のかかとはつけ、足を開きます。足にはチューブを巻きましょう。

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《横向きの場合》
横向きで両足を曲げます。
両方のかかとはつけ、足を開きます。

 

開排スタート

 

開排

代償

 

注意点として、体が上を向かないようしてください。
イメージとして足を持ち上げるのではなく、かかとを支点にし開くイメージです。

 

理学療法士から一言

股関節の外旋筋は股関節を安定させる上でとても重要な働きをします。
特に人工股関節全置換術後はポイントとなる筋肉なので、しっかりとエクササイズをしましょう。

 

またスポーツ外傷で多い股関節疾患のFAIなどでも役立つトレーニング方法ですので、是非行ってみてくださいね。

 

参考・引用文献

・松下功:軟部組織と脱臼-梨状筋温存からみた股関節安定性について,関節外科33(7),705-708, 2014.

・宮武和正ら:変形性股関節症 (人工股関節置換術),MB Orthopaedics30(2),35-42, 2017.

日本整形外科学会

・変形性股関節症診療ガイドライン

理学療法士として、医療機関で多くの方のリハビリを行っており、のべ1万5千人以上の方のリハビリ実績があります。理学療法士の視点から、カラダの痛みやトラブルを改善できるように、最新の医療業界の情報やセルフエクササイズなどを根拠やエビデンス、ガイドラインに基づきご紹介します。

〜所有資格〜
✓理学療法士 ✓3学科呼吸療法認定士 ✓認定理学療法士 ✓地域包括推進リーダー ✓介護予防推進リーダー ✓福祉住環境コーディネーター2級 等

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