普段、みなさんが言っている“足首”は”足関節”という関節のことです。
足関節はさまざまな方向へグルグルとよく動く関節です。
今回は足関節の動きや解剖学について詳しくご紹介します。
足関節とは?
足の骨はとても多く、片側で7つの足根骨・5つの中足骨・14の指骨の計26個の小さい骨が集まりできています。
引用1)
足関節は上下左右さまざまな方向へグルグルと滑らかに動かすことができます。
どのように関節が動いているのか疑問をもつ方もいるのではないでしょうか。
足関節は総称であり距腿関節(きょたいかんせつ)と距骨下関節(きょこつかかんせつ)からできています。
では、さっそく距腿関節と距骨下関節について詳しくみてみましょう。
距腿関節とは?
距腿関節は距骨・脛骨・腓骨より構成しています。
足関節の上下の動き(背屈・底屈)は主に距腿関節で行っています。
距腿関節の正常は可動範囲は背屈20°、底屈45°です。
脛骨と腓骨の間の関節を脛腓関節といいます。
脛骨と腓骨の間のスペースを距骨が出入りすることで足関節は底屈・背屈します。
引用2) 左:背屈 右:底屈
背屈時に腓骨が上がり(挙上)、外側へ回旋(外旋)しながら開くことで、脛骨と腓骨の間の脛腓関節が開きます。
脛腓関節が開き脛骨と腓骨の間のスペースが広がることで距骨が入りやすくなり、スムーズに背屈が行えるようになります。
このようにして足関節の底屈や背屈は距腿関節で起こっています。
距腿関節では脛骨と腓骨に挟まれるように距骨があるため、左右へのひねる動きは起こりません。
ではどのようにして足関節は左右へ動くことができるのでしょうか。
距骨下関節とは?
足関節の左右への動きを作り出しているのは距骨下関節です。
距骨下関節は距骨と踵骨によって構成されています。
左右への動きを回内・回外といいます。
関節が動く軸を運動軸といいます。
距骨下関節の運動軸はこのようになっています。
引用1)
踵から前上方に床との角度は約42°、足の中心線から内側に約16°傾いています。
この運動軸により距骨下関節は左右の動きが行えます。
距骨下関節の正常な可動範囲は回外20°・回内10°です。
距腿関節の底屈や背屈、距骨下関節の回内や回外の運動が同時に複合して起こることで足関節はグルグルと動くことができます。
足部の回内や回外運動にはショパール関節も関与します。
ショパール関節とは距舟関節と踵立方関節の総称であり、踵骨・立方骨・舟状骨・距骨から構成される関節です。
ショパール関節についてはこちらで詳しくご紹介しています。
ご興味がある方はこちらをご覧下さい。
この複合的な動きを“内反し”や“外返し”といいます。
内返し:底屈・内転・回外が合わさった運動
外返し:背屈・外転・回内が合わさった運動
このように足関節はさまざまな関節の動きが一つになることで出来上がります。
まとめ
足関節は多くの小さな骨が集まりできています。
足関節は距腿関節と距骨下関節から構成されています。
距腿関節は底屈と背屈運動を、距骨下関節は回内と回外運動を行います。
距腿関節と距骨下関節が複合して動くことで、内返しと外返し運動が起こります。
そのため足関節がグルグルとさまざまな方向へ動くには、距腿関節と距骨下関節の両方の関節運動が重要になります。
今回は足関節の構造や動き方についてご紹介してきました。
みなさんの足はしっかりとグルグル動きますか?
引用・参考文献
1)入谷誠:入谷式足底版〜基礎編(DVD付)(運動と医学の出版社臨床家シリーズ).運動と医学の出版社.2011
2)林典雄ら:改定第2版 運動療法のための 機能解剖学的触診技術 下肢・体幹.メジカルビュー社.2012
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