《最新版》 歩いた後や山登り後、ランニング後に“すね”の周りに痛みが出ることはありませんか?
ある4つのポイントに注意することで、痛みを減らしたり、予防することができます。
今回は”すね”の痛みの原因や解消法のポイント、前脛骨筋やシンスプリントとの関係もご紹介します。
“すね”の周りに痛みが出現する方は多くいらっしゃいます。
原因のほとんどが筋肉や骨膜炎によるものです。
なかでも代表的な疾患がシンスプリントです。
シンスプリント以外にも、スネの横にある前脛骨筋(ぜんけいこつ筋)が痛みの原因となることもあります。
それでは詳しくご紹介していきましょう。
”すね”の痛みの原因とは?
すねの痛みの原因として、前脛骨筋やシンスプリントが関係しています。
まずは前脛骨筋の影響からみていきましょう。
前脛骨筋の構造とは?
まず前脛骨筋(ぜんけいこつ筋)の構造からご説明します。
前脛骨筋は足首を上に持ち上げる筋肉で、ちょうど“すね”の外側にあります。
イラストで見てみましょう。
前脛骨筋はスネの外側にあることがわかると思います。
足首を上げ、スネの外側の盛り上がり部分が前脛骨筋になります。
前脛骨筋の詳しい構造
[icon image=”check3-b”]起始:脛骨外側面,下腿骨間膜
[icon image=”check3-b”]付着:内側楔状骨,第1中足骨の底面
[icon image=”check3-b”]作用:背屈,内返し
[icon image=”check3-b”]神経:深腓骨神経
前脛骨筋と歩き方の関係とは?
前脛骨筋は歩行を行う上で非常に重要な働きをします。
歩きの中で特に前脛骨筋が働くのが、地面に“かかと”がついて続いて足の裏が地面につく間です。
この時期に前脛骨筋が働くことで、ゆっくりと足の裏が地面につきます。
もし前脛骨筋がなかったらどうなるでしょう。
足の裏から地面につき、ペタペタ歩きになってしまいます。
ペタペタ歩きになると足の筋肉がうまく働かず効率の悪い歩行となり、他の関節にも負担が及び痛みが生じてしまいます。
前脛骨筋に痛みが生じる歩き方とは?
普段の歩行ではあまり前脛骨筋に痛みが出現することはありませんが、次の2つを行ったときに痛みが出現することがあります。
この他にも原因はありますが、今回はこの2つをご説明します。
[icon image=”finger1-b”]まず早歩きと前脛骨筋の痛みについてです。
早歩きは歩くスピードが早くなるため、つま先が地面に引っかからないようにつま先を上げる前脛骨筋の活動が増えます。
実際に行ってみればわかりますが、長い距離を早歩きするとスネの周りが痛くなります。
この痛みは一時的な筋肉の疲労によるものなので、休憩をすることで改善します。
ちなみに早歩きでは痛みが出現し、走っているとき(走行)は痛みが出現しないのはなぜでしょうか。
それは地面に足が接地する方法が違うからです。
早歩きでは“かかと”から地面に接地するのに対し、走行では“つま先”から地面に接地するため、走行の方が前脛骨筋の働きが減少するためです。
[icon image=”finger1-b”]続いて下り坂と前脛骨筋の痛みについてです。
下り坂は平らな地面と比べ進行方向が下がっています。
そのため歩行時より足首を下げる範囲が広がるため、前脛骨筋の活動量が増えます。
これにより筋疲労が起こりやすくなり痛みが生じます。
では、なぜ上り坂より下り坂の方が痛みが出現するのでしょうか。
上り坂は足首を上げる動きをしますが、下り坂では足首を上げた状態から下げる方向に向かってゆっくりと下ろしていきます。
このようにゆっくりと下げるときの前脛骨筋の働きを遠心性収縮(えんしんせい収縮)といい、筋肉への負荷が大きい動きとなります。
これが、坂道を下ったり、長い階段を降りたり、山登りをした翌日にスネの周りが筋肉痛になる原因なのです。
シンスプリントによる痛みとは?
次にシンスプリントが原因によるスネの痛みについてご説明します。
シンスプリントは別名で脛骨過労性骨膜炎(けいこつかろうせいこつまくえん)と呼ばれます。
骨の周りは骨膜という膜で覆われており、筋肉も骨膜とつながっています。
この骨膜に炎症が起こっている状態がシンスプリントです。
シンスプリントはオーバーユース(使いすぎ)が原因で、ランニングやジャンプ動作を繰り返す競技で多く発症します。
ランニングやジャンプを行うことで筋肉が働き、筋肉とつながっている骨膜にも負担が及びます。
そのため過剰に筋肉を使いすぎると骨膜が炎症し骨膜炎なってしまうのです。
シンスプリントにならないためにも過剰な筋肉の使いすぎには注意が必要となります。
シンスプリントの症状や治療、ストレッチの仕方について、こちらで詳しくご紹介しています。
ご興味がある方はご覧ください。
痛みの解消法とは?
ご紹介した2つの痛みは筋肉の疲労(使いすぎ)によるものが原因です。
まずは活動量を減らし、筋肉を休めましょう。
それに加えマッサージやストレッチを行い、筋肉を緩めておくこともポイントです。
〜4つのポイント〜
①活動量を減らす(安静にする)
②マッサージやストレッチを行う
③前脛骨筋のトレーニング
④事前準備
前脛骨筋の痛みの対処法とは?
長い下り坂や山登りをした後に生じる前脛骨筋の痛みは、筋疲労や筋肉痛が原因です。
対処法として、下り坂や山登りをする前に前脛骨筋のトレーニングをしておくことです。
いきなり長い下り坂や山登りをすることで筋疲労や筋肉痛が生じるため、事前に少しずつ練習をしておくことがポイントです。
前脛骨筋のトレーニングとして、足首に重りを巻いて上下にゆっくりと動かしましょう。
このときに一緒に指が上がってしまうと効果が半減してしまうため、指の力は極力抜いておくことがポイントです。
シンスプリントの対処法とは?
シンスプリントの対処法として、運動量を減らすことです。
前脛骨筋の痛みの原因とは違いシンスプリントは骨膜の炎症のため、まずは炎症を抑えることがポイントです。
筋トレは控え運動量を調整しつつ、ストレッチやマッサージをしっかりと行いましょう。
シンスプリントで問題となる筋肉は4つです。
〜問題の4つの筋肉〜
①後脛骨筋
②ヒラメ筋
③長母趾屈筋
④長趾屈筋
《後脛骨筋》
《ヒラメ筋》
《長母趾屈筋・長趾屈筋》
この筋肉をイメージしながらしっかりとマッサージを行いましょう。
シンスプリントにはインソールもいい
シンスプリントによる痛みを軽減するには、インソールも有効です。
シンスプリントは、すねである脛骨の内側に疲労骨折です。
この部分には、後脛骨筋がついています。
シンスプリントになる方の特徴は、足の土踏まずである内側縦アーチが低下しています。
内側縦アーチが低下していることで、後脛骨筋に伸張ストレスがかかり、後脛骨筋がついている脛骨の内側に負担がかかります。
特に長距離ランナーやマラソン選手は、毎日練習で長い距離を走っているため、後脛骨筋に負担がかかりやすく、シンスプリントを発症することが多いです。
シンスプリントを治すには、休息も重要ですが、土踏まずである内側縦アーチにインソールを入れ、サポートすることで、練習中の足への負担も減り、シンスプリントの再発予防にもなります。
ぜひ試してみてくださいね。
理学療法士から一言
今回はスネの痛みについてご紹介してきました。
スネの痛みの原因として前脛骨筋痛やシンスプリントがあり、主にオーバーユースが原因となります。
症状が出てしまったときは活動量を抑えマッサージやストレッチを行い、無理せずしっかり管理することが重要です。
みなさんもスネが痛くならないように注意しましょうね。
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