水泳では“キック動作”いわゆる“バタ足”は重要ポイントの一つですよね。
足首の柔軟性が高いほどバタ足で泳ぐ速度が早いと言われています。
水中では柔らかい足首の方が良いですが、柔らかいと陸上では捻挫しやすい足首になってしまいます。
みなさんの中にも水泳を行っている方が多いのではないでしょうか。
水泳は水中でカラダを動かすため負担が少なく、とても良いスポーツの一つです。
水泳の競技特性上、足首の柔軟性がとても重要になりますが、逆にそれが原因で捻挫を起こすことがあります。
それではご説明していきます。
水泳と足首の関係とは?
バタ足をするときに『足首を柔らかく使いましょう』と言われたことはありませんか。
水泳をやっている方であれば、一度は言われたことがあるのではないでしょうか。
こちらはYouTubeに掲載されているバタ足の動画になります。
とてもわかり易く、いい指導だと思います。
水泳では足首を下にさげる動きの柔軟性が重要です。
この足首を下に動かすことを底屈(ていくつ)といいます。
実際に足関節底屈の柔軟性が高いほど、キック泳速度が速いといった報告もあります。
足関節を底屈方向へ動かすと、正常では底屈に伴い内反(ないはん)の動きも加わります。
足首の柔軟性はバタ足キック動作にとって重要ですが、柔らかいほど陸上では捻挫をしやすい要素の一つになります。
ではなぜ捻挫と関係しているのでしょうか。
水泳と捻挫の関係とは?
まずは簡単に捻挫の復習をしましょう。
捻挫は軽くみられがちなケガの一つですが、実は靱帯損傷のことを捻挫といいます。
捻挫は足首を内側にひねって受傷することが多いですが、その時に痛めるのが足首の外側にある靱帯です。
損傷する靱帯は、前距腓靭帯(ぜんきょひ靱帯)、踵腓靭帯(しょうひ靱帯)、後距腓靭帯(こうきょひ靱帯)です。
この靱帯は足関節の“底屈・内反”の動きを抑える働きをします。
捻挫については以前にご紹介しています。
ご興味がある方はこちらをご確認ください。
⇒足首の捻挫とは?! 効果的な痛みの対処法と予防法をご紹介!
⇒捻挫や前距腓靭帯の手術後に“正座”や“あぐら”をすると悪化する?! 知らない人は要注意!
先ほどご紹介したように水泳では足首の柔軟性が重要であり、足関節底屈・内反が柔らかくなるようにトレーニングを行っています。
私も水泳を行っていましたが、足関節底屈・内反は柔らかいです。
足関節底屈・内反の動きが柔らかいということは、靱帯での制御が弱いということです。
水泳ではバタ足キック動作の向上を求めるために足関節底屈・内反の柔軟性を得ようとしますが、陸上では捻挫を起こす要素の一つになってしまうのです。
このように水泳のバタ足キック動作は捻挫と関係しています。
捻挫の予防方法とは?
捻挫の予防方法は色々ありますが、今回は簡単にできるトレーニングを一つご紹介します。
捻挫は足関節の内反で起こるため、この内反を制動することができれば捻挫の予防につながります。
そこで今回は腓骨筋のトレーニングをご紹介します。
腓骨筋はスネの外側から外くるぶしの後ろを通り、足の裏につきます。
腓骨筋は足首を外側に返す“外反(がいはん)”という働きをします。
そのため腓骨筋が働くことで足関節が内反することを制御することができます。
腓骨筋のトレーニングはこのようにバンドなどを使うと効果的です。
足のチューブを引っ掛け外側に足首を返すだけでできるため、誰でも簡単に行なえます。
普段はセラバンドというトレーニングバンドを使っています。
これは医療業界でも頻繁に使われているため、オススメのアイテムの一つです。
まとめ
水泳ではバタ足キック動作が重要で、足関節底屈方向の柔軟性がポイントです。
足関節の動きは底屈に伴い内反も起こります。
この足関節底屈・内反の動きを抑えるのが前距腓靭帯です。
前距腓靭帯は捻挫で最も損傷の多い靱帯です。
水中では柔らかい足首が重要ですが、陸上では捻挫をする要素の一つになるため注意が必要です。
今回は水泳と捻挫との関係についてご紹介してきました。
水泳をやる方は捻挫に気をつけましょうね!
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