ランニングをしていて太ももの横が痛くなったことはないでしょうか?
これは腸脛靭帯炎という症状です。
腸脛靭帯炎は別名ランナー膝といい、名前のごとくランナーに多い疾患であり、オーバーユースにより引き起こされます。
今回はランナー膝の発症原因や症状、再発予防や治療方法についてご紹介します。
ランナー膝とは?
ランナー膝は別名腸脛靭帯炎といいます。
ランナー膝は特に長距離を走るランナーに多く発症します。
この傷害は痛みが伴いやすく膝の外側に痛みが出現してきます。
ランナー膝の主な原因として、走りすぎによるオーバーユースがあります。
腸脛靭帯とは?
腸脛靭帯とは太ももの外側にある長い靭帯です。
イラストで見てみましょう。
付着:大腿筋膜〜脛骨外側顆(ガーディー結節)
作用:大腿筋膜張筋の作用によって緊張し、膝関節を安定させる
腸脛靭帯については以前にこちらで詳しくご紹介しています。
詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
発症メカニズムとは?
まず膝の屈伸時の腸脛靭帯の位置についてご説明します。
膝を伸ばした状態では腸脛靭帯は大腿骨外側上顆の前側にあります。
膝を曲げることで大腿骨外側上顆の前側にあった腸脛靭帯は大腿骨外側上顆の後方へ移動してきます。
引用1) 左は大腿骨外側上顆の図。 真ん中が膝を伸ばした状態。右側が膝を曲げた状態。
このように膝が屈伸することで腸脛靭帯が大腿骨外側上顆の上を乗り越え移動します。
これがランニングなどで繰り返されオーバーユースを起こすことで炎症を起こし、ランナー膝(腸脛靭帯炎)となります。
症状・痛みの場所とは?
痛みは膝の外側に出ます。
特に痛みはランニングやスポーツ後に生じますが、休むと落ち着きます。
しかし再びランニングやスポーツをすると痛みが出現してきます。
さらに重症になると歩いているときも痛みが出るようになります。
痛みが出る場所はこの辺りです。
再発予防や治療方法とは?
腸脛靭帯炎はオーバーユースによるランニングやスポーツが最も関与しています。
そのため、腸脛靭帯炎になった場合はまず運動量を減らしましょう。
腸脛靭帯の部分が炎症を起こしている場合はアイシングを行います。
アイシングついては以前にご紹介しています。
ご興味がある方はこちらをご覧ください。
腸脛靭帯や周りの筋肉は硬くなりやすいため、マッサージやストレッチをよく行いましょう。
ストレッチ方法をイラストでご紹介します。
引用1)
足を伸ばして座りましょう。
片方の足を曲げてクロスさせ、反対側の肘を使って内側(赤線の方向)へ伸ばしましょう。
引用1)
立った状態で足をクロスさせましょう。
体と腕を横(赤線の方向)へ倒しましょう。
予防としては、1日の走行距離が10kmを超えないようにしましょう。
受傷後は、ストレッチや運動負荷量を減らし徐々にupしていきます。
痛みが消失したからといって、一気に負荷量を増やすと再び腸脛靭帯炎になる恐れがあるため、運動量や走行距離には注意してください。
まとめ
腸脛靭帯炎はランナーに多い疾患でランナー膝ともいいます。
ランナー膝は長距離を走る人に多く、オーバーユースが原因となります。
腸脛靭帯炎が起こるメカニズムとして、腸脛靭帯が大腿骨外側上顆の上を乗り越えるのを繰り返されることでオーバーユースが起こり炎症症状が生じます。
特に長距離を走行するランナーが多いです。
再発予防や治療では、しっかりと腸脛靭帯のマッサージやストレッチを行い運動負荷量を調整することが重要です。
腸脛靭帯炎は日頃の準備運動やストレッチをよく行うことで防げることもあります。
みなさんもランニング前にはしっかりと準備運動を行うようにしましょう!
参考・引用文献
1)亀田敏明ら:第13回 ランナー膝・ジャンパー膝.整形外科看護19(9). 937-941, 2014.
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