抗インフルエンザ薬の服用とその後の異常行動には明確な関係性がないのを知っていますか?
正しくマスクを付けないとインフルエンザにかかる可能性が上昇するのを知っていますか?
今回はインフルエンザの薬の副作用や症状、効果的なマスクの付け方、感染ルートについてご紹介します。
インフルエンザとは?
インフルエンザは年間およそ1000万人もの人が感染します。
これは10人に1人の割合です。
さらにインフルエンザが悪化すると年間1000人程度の人が死亡します。
インフルエンザの症状は風邪症状に加え、関節の痛みや筋肉痛、下痢などの『プラスα』の症状がみられます。
ウイルスが体内に入りインフルエンザを発症するまで1〜3日程度かかります。
発症後1〜3日程度は熱が出現することが多く、その後1週間程度も軽い症状が続きます。
風邪症状+αの症状みられた際は早急に医療機関を受診しましょう。
インフルエンザ症状
風邪症状に加え…
・関節痛
・筋肉痛
・下痢 など
インフルエンザの感染ルートとは?
インフルエンザはどのように感染するか知っていますか?
インフルエンザの感染ルートは二つあり、飛沫感染と接触感染があります。
一番多いのが飛沫感染です。
飛沫感染は病原体の大きさが5μm以上で1m程度しか飛ばず感染距離が短いことです。
空気感染は病原他の大きさが5μm以下で飛びやすく、感染距離が広いということです。
インフルエンザは咳やくしゃみによって広がる飛沫感染がほとんどです。
みなさんは一回のくしゃみや咳でどのくらいウイルスが飛び散るか知っていますか。
実は一回のくしゃみでおよそ4万ものウイルスが飛び散ります。
くしゃみや咳によって出たウイルスの生存時間は12時間と長く、同じ空間にいると感染するリスクが高いです。
もう一つの感染ルートは接触感染です。
接触感染は感染した人と直接または間接的に接触した場合に起こります。
よくあるケースをご紹介しましょう。
手でくしゃみを抑えるといった行動はどこでもみられる光景です。
しかしこれがインフルエンザ患者の場合、手に大量のインフルエンザウイルスがつきます。
この状態でドアノブや蛇口を触るとどうなるのかは想像がつくと思います。
ドアノブや蛇口についたインフルエンザウイルスを違う方が触りその手で鼻や口を触ることでインフルエンザに感染をします。
ドアノブ等についたインフルエンザウイルスの生存時間は数分と短いですが、頻繁に利用するドアノブや蛇口には注意が必要です。
インフルエンザの合併症とは?
インフルエンザにかかると重篤な合併症にかかる恐れがあります。
小児で特に注意をしなくてはならないのはインフルエンザ脳症です。
インフルエンザ脳症は高熱や意識障害、けいれん、重症性肺炎、鋳型気管支炎(plasticbronchitis)などが起こります。
インフルエンザ脳症は年間100〜300人がかかり、このうちの3割は死亡するほど怖い合併症です。
大人でインフルエンザに特に注意が必要な方は慢性呼吸器疾患、慢性心疾患、糖尿病、腎機能障害などがある方です。
これらの病気がある方は通常よりインフルエンザにかかる可能性があるため、特に注意が必要です。
この他の合併症はインフルエンザを発症することで元々ある病気が悪化したり、二次的な細菌感染症にかかる恐れがあります。
インフルエンザの検査方法とは?
インフルエンザの検査は専用の検査キットを使います。
一般的によく用いられている検査は細長い綿棒のようなものを使います。
この細長い綿棒のようなものを鼻から8〜10㎝程度入れ鼻腔粘膜から採取したものを検査します。
ここで注意していただきたいのが、インフルエンザの検査が陽性になるまで発症してから12時間かかるということです。
そのためインフルエンザを発症した直後に病院を受診し検査をしてもインフルエンザ陰性になるケースがあります。
検査が陰性だったとしてもインフルエンザの検査が陰性だったとしても症状や周りの環境の状況を考慮し、インフルエンザ陽性の診断がつくこともあります。
インフルエンザの予防方法とは?
インフルエンザの予防は手洗い・うがい、マスクの着用など基本的なことをしっかりと行いましょう。
みなさんはマスクの正しい使い方を知っていますか。
実はマスクには裏と表があります。
①と②のどちらが外向きになるようにつけるのが正解だと思いますか。
正解は②です。
マスクの折り目が下を向くのが正しい付け方です。
折り目が上を向いていると折り目の隙間にウイルスなどが溜まってしまう可能性があります。
このようにマスクには表と裏があるため必ず確認をしましょう。
マスクを付ける時のポイント
①折り目が下をむくこと
②鼻と口を完全に覆うこと
③鼻の部分を折ること
マスクは正しく使用をしないと効果がないため、正しく使用しましょう!
インフルエンザ薬の副作用とは?
現在日本で認められている抗インフルエンザ薬は全部で4種類あります。
抗インフルエンザ薬
①タミフル
②リレンザ
③イナビル
④ラビアクタ
インフルエンザ検査が陽性になると薬が処方されます。
タミフルやリレンザは1日2回を5日間続けます。
イナビルやラビアクタは1回行えば終了となります。
抗インフルエンザ薬と異常行動とは?
数年前にインフルエンザ薬を服用した者が異常行動を起こしたというニュースがありましたね。
『突然走りだす』『飛び降りる』『泣く』『話が通じなくなる』などの症状がみられ、最も多かったのが『突然走りだす』といった異常行動でした。
しかし現在の報告ではインフルエンザ薬と異常行動の明確な関係性はありません。
ですが、抗インフルエンザ薬の服用をした後に異常行動を起こしているのは事実でもあります。
異常行動が起こるのは発症後してから2日以内が多く、学生から中学生の男子に多い傾向です。
発症してから2日以内の時期は熱も高く、抗インフルエンザ薬以外の多くの要素があり結果として異常行動につながっています。
この時期に保護者の方が注意をし看病をすることで異常行動を大幅に防ぐことができます。
妊婦は抗インフルエンザ薬を服用して大丈夫?
この他に抗インフルエンザ薬服用で気になるのが妊婦や授乳中の母親のケースです。
現在はタミフルやリレンザの服用は妊婦・授乳中の母親共に服用しても大丈夫となっています。
抗インフルエンザ薬を服用することで32〜36週での早産の可能性が減るとの報告もあります。
抗インフルエンザ薬の予防投与とは?
抗インフルエンザ薬の予防投与はある一部の方で可能になっています。
予防投与の前提条件として、インフルエンザ患者と同居・共同生活していることが条件です。
例えば人が多く出入りする場所で働いている人でも、この条件を満たしていないと予防投与はできません。
この前提条件を満たした中で予防投与を受けられるのが、『65歳位以上の高齢』又は『基礎疾患を有する方』となっています。
基礎疾患は慢性呼吸器疾患や慢性心疾患患者、代謝性疾患患者、腎機能障害患者などです。
健康成人は対象外であり、注意していただきたいのが健康小児も対象外となります。
予防投与する場合、受診費用や薬の費用は保険適応外となり、そのためすべて患者負担(実費)となります。
費用はおよそ5000〜7000円程度かかります。
まとめ
インフルエンザは10人に1人の高い割合で感染します。
感染ルートとして飛沫感染で感染することが多く、場合によっては接触感染でも感染します。
インフルエンザは予防接種を受けていても感染することもあるため、手洗いやうがい、適切な方法でのマスクの着用が重要です。
以前は抗インフルエンザ薬の投与で異常行動が起こると言われていましたが、現在はその明確な関係性はありません。
しかしインフルエンザ発症後2日間に異常行動がみられるケースもあるため、この時期の看病は最も重要といえます。
これからどんどんインフルエンザが流行するため、みなさんもインフルエンザにならないようにしっかりと準備をしましょうね!
【注意事項】
インフルエンザ感染の判断や抗インフルエンザ薬の服用判断については、必ず医師に確認し指示に従って下さい。
参考・引用文献
厚生労働省HP:インフルエンザ罹患による異常行動研究より
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