レントゲンでは骨折はわかりますが、靱帯の損傷はわかりませんよね。
しかしレントゲンで距骨傾斜角を計測することで、捻挫である前距腓靭帯損傷を調べることができます。
レントゲンを撮れば骨折や靱帯の損傷などすべてがわかると思っている方が意外と多くいらっしゃいます。
しかしレントゲンには靱帯は写りません。
そんなときでも距骨傾斜角を計測することで、前距腓靭帯の損傷を判断することができます。
レントゲンで何がわかるの?
レントゲンを撮れば何でもわかると思われがちですが、実はレントゲンでもわからないことが多くあります。
骨はよく写るため骨折の有無はわかりますが、靱帯や半月板などは写らないため靭帯や半月板の損傷を調べることはできません。
靱帯や半月板の損傷を調べるのが得意なのはMRIです。
例えば、ラグビーで膝にタックルを受け痛くて歩けなくなり整形外科を受診したとします。
レントゲンで骨折の有無を調べ、MRIで靱帯の損傷の有無を調べます。
靱帯損傷は徒手で検査することもできますが、損傷部位や程度を詳しく知るためにはMRIが有用となります。
距骨傾斜角(TTA)とは?
普段よく使う捻挫は、前距腓靭帯の損傷のことです。
前距腓靭帯は距骨と腓骨をつないでおり、この靱帯は足首が内側へねじれる(距骨が傾く)のを防ぐ働きをします。
足首をひねり前距腓靭帯が損傷してしまうと、距骨が内側へ傾くのを抑えることができなくなってしまいます。
先ほど、ご紹介したように基本的にはレントゲンでは靱帯は写らないため、前距腓靭帯が損傷しているかどうかはわかりません。
しかし距骨の傾きである距骨頚斜角を計測することで前距腓靭帯の損傷を調べることができます。
距骨傾斜角(TTA)とは距骨の傾きの角度です。
前距腓靭帯の損傷をレントゲンを使って検査するには、この距骨の傾きを計測します。
検査するにあたり、足首を内側にひねり固定する専用の機材が必要になりますが、レントゲンがある医療機関ではあることが多いです。
距骨傾斜角の正常値は5°以下です。
これ以上で前距腓靭帯が損傷している可能性があり、角度が大きくなるにつれ損傷の度合いが強くなります。
まとめ
レントゲンでは靱帯は映らないため、靱帯の損傷を調べることはできません。
しかし距骨傾斜角を計測することで、前距腓靭帯の損傷を調べることができます。
レントゲンでは骨折の有無を判断し、靭帯や半月板の損傷はMRIで調べることが多いため、スポーツでケガをした場合はレントゲンとMRIがある医療機関を受診することをオススメします。