LHA(leg heel angle)は後ろから足首を見た時の角度のことです。
足首が悪い人はこの角度が悪く、アキレス腱に負担がかかったりカラダの違う場所に痛みが出現したりします。
今回はLHAの測定方法や正常値、LHAとアキレス腱・カラダへの影響についてご紹介します。
LHAは足の後側から足の角度を測定する方法です。
足の外反や内反の角度を測定します。
まずLHAに関係する骨のご紹介をします。
足の構造とは?
LHAは後ろから計測するため、後ろから見た状態の足についてご説明します。
脛骨と腓骨を合わせて下腿(かたい)といいます。
距骨下関節は距骨と踵骨から構成されている関節、足首を左右にひねる動きをします。
距骨下関節について詳しくはこちらでご紹介しています。
ご興味がある方はご覧ください。
LHAとは?
LHAは英語でleg heel angleです。
Legは足、heelは踵(かかと)、angleは角度です。
LHAは足と踵の傾きをみる検査方法です。
下腿の長軸と踵骨の長軸のなす角がLHAです。
下腿の長軸:下腿の中央線
踵骨の長軸:踵骨隆起と踵骨の中央を結ぶ線
参考資料:よくわかる足部・足関節の動きとしくみ
LHAの正常角度は5〜10°外反位(回内位)です。
LHAは立った状態で計測します。
床に足をついた状態とついていない状態ではLHAは変化するためです。
足をついていない状態では内反位(回外位)になっていることがほとんどです。
しかし体重をかけることで足は内反位になったり外反位にもなるため、足をついた状態で計測をします。
LHAとカラダの関係とは?
LHAはカラダとさまざまな関係があります。
LHAとアキレス腱の関係についてご紹介します。
LHAとアキレス腱は関係しており、アキレス腱に障害が起こることがあります。
アキレス腱を障害しやすい人の特徴として、LHAが大きく距骨下関節が外反位(回内)であり、アキレス腱が硬い人です。
アキレス腱はヒラメ筋と腓腹筋(腓腹筋)が合わさり腱になった部分です。
腓腹筋には腓腹筋内側頭と腓腹筋外側頭があります。
腓腹筋の下にヒラメ筋あります。
アキレス腱はかかとの骨である踵骨(しょうこつ)につきますが真っ直ぐつくわけではありません。
アキレス腱はねじれながら踵骨の踵骨隆起(しょうこつりゅうき)という部分につきます。
左側のアキレス腱は時計回りに、右側のアキレス腱は反時計回りにねじれます。
これは左側のアキレス腱が踵骨につく場所のイラストです。
4パターンのアキレス腱のつき方をご紹介します。
A:前側 M:内側(右) P:後ろ側 L:外側(左)
Sol:ヒラメ筋 MG:腓腹筋内側頭 LG:腓腹筋外側頭
引用1)
腓腹筋内側頭(MG)は内側にある筋肉ですが、踵骨の外側(L)につきます。
これに加え踵骨が外反(回内)することでさらに腓腹筋内側頭からなるアキレス腱は伸張される状態になります。
引用2)右足を後方からみたイラスト
そのため外反(回内)が強い場合はアキレス腱に負担がかかり障害が起こる可能性が高いです。
このようにLHAの外反角度が大きいとアキレス腱に負担がかかりやすいことがわかります。
アキレス腱断裂の手術やリハビリ、予防方法についてはこちらでご紹介しています。
ご興味がある方はご覧ください。
LHAが小さく内反位(回外位)の場合はどうでしょうか。
距骨下関節が内反していると足の外側に体重が乗りやすい状態になります。
運動した際もこのまま内反位だった場合どうでしょうか?
足の外側に負担がかかりやすい状態になります。
このような状態で運動を続けたら足の外側に疲労がたまることはわかると思います。
例えばジョーンズ骨折(第5趾中足骨基部骨折)のように外側の骨の疲労骨折を起こす可能性もあります。
ジョーンズ骨折はJリーガーや卓球選手などプロで活躍している方々もなった骨折で、サッカーやバスケ、ラグビーを行っている方は知っておいた方がいい骨折の一つです。
こちらでジョーンズ骨折の手術やリハビリについてご紹介しています。
ご興味がある方はご覧ください。
まとめ
LHAは足と踵の傾きをみる検査方法です。
後ろから測定を行います。
下腿の軸と踵骨の軸の交わった部分の角度で、正常角度は3〜5°外反位です。
外反が大きくなるとアキレス腱に負担がかかります。
逆に内反になると足の外側に負担がかかり、ジョーン骨折などを起こす可能性があります。
今回はLHAについてご紹介しました。
みなさんの足首は傾いていませんか?
引用・参考文献
1)江玉睦明ら:アキレス腱のねじれ構造の肉眼解剖学的検討.新潟医療福祉学会誌.13(1).45-45.2013
2)入谷誠:入谷式足底板 ~基礎編~(DVD付) (運動と医学の出版社の臨床家シリーズ).運動と医学の出版社.2011
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