初めて入院しリハビリを受ける方は退院までの流れがわからない人が多いのではないでしょか?
実際に入院してきた方からも「わからない」と聞かれることが多々あります。
今回は大腿骨頸部骨折をし手術後をした場合の、入院から自宅退院までのリハビリや流れの一例をご紹介します。
元々の生活レベルやご自宅の暮らしの環境の違いで退院時の目標や時期が大幅に変わってきます。
元々杖なしで歩かれていた方と、物に捕まってやっと歩いていた方のリハビリの目標等も違ってきます。
今回ご紹介する例として、元々一人で歩け身の回りの動作が出来ていたレベルの方の大腿骨頸部骨折後の手術からから退院までの流れをご紹介します。
大腿骨頸部骨折とは?
まず大腿骨頸部骨折について簡単にご紹介します。
大腿骨頸部骨折は足の付け根の骨折です。
イラストで見てみましょう。
大腿骨頸部骨折は高齢者で非常に多い骨折です。
主に転んだ際に起こります。
大腿骨頸部骨折の場合、ほとんどのケースが手術となり入院しリハビリとなります。
それでは手術後から退院までのある一例をご紹介します。
手術はいつやるの?
多くの方は転倒し痛くて歩いたり動けなくなり、救急車を呼んで病院に来られる方がほとんどです。
病院にこられまず色々な検査が始まります。
レントゲンを撮ったり、採血をしたり、、、
検査をして、大腿骨頸部骨折の診断がつきます。
手術は骨折をしてから数日以内に行うことが多いです。
私の経験上では、翌日には手術を行っていることがほとんどです。
基本的に手術後は一般病棟に戻ってきます。
リハビリはいつからやるの? どんなことをやるの?
手術後、リハビリを行うのは知っている方は多いと思います。
しかし『リハビリをいつからやるのか』、『どんなことをやるのか』知らない方がほとんどではないでしょうか?
驚くかもしれませんが、リハビリは手術の翌日から行います。
実際に「リハビリで〜す!」とお部屋にうかがうと、ご家族や患者さんが驚かれることがあります。
ご家族・患者さん「もうやって大丈夫なの?」
よく聞かれる一言ですが、、、
大丈夫です!
逆にリハビリを行わず、ベッドの上にずっと横になっている方が悪くなります。
たった一日でも何もせずベッドの上にいるのは、特に高齢者の場合は良くありません。
高齢者の場合、体力が低下するのが早いため手術後早い段階からベッドを起こした方が良いです。
ではどんなリハビリを行うかご紹介します。
リハビリ1日目
手術翌日のため、痛みが強い方がほとんどです。
しかし、翌日からリハビリは開始となります。
翌日から開始となりますが、すぐに歩く練習をしましょうとはならないので安心してください。
ですが、できることはたくさんあります。
できる範囲内でリハビリは行います。
手術翌日の内容としては痛みも強いでので、、、
①炎症管理の説明
②リラクゼーション
③痛みに合わせて手術した足を動かす練習
④ベッドを上げたり、痛みが大丈夫であれば座る練習
などを行います。
リハビリ2日目〜
リハビリ2日目からは、大丈夫であればリハビリ室に行きます。
リハビリ2日目の時期で点滴は入っていると思いますが、リハビリ室に移動し平行棒で立つ練習が開始になります。
痛みが大丈夫であれば歩行練習も行うことがあります。
早い段階から立つ練習や歩行練習は行っていきます。
リハビリはとても重要ですが、これに加え炎症管理がとても重要になります。
手術をすると、足が腫れたり熱を持ったりと炎症症状がみられます。
炎症症状があると、なかなか痛みは減ってきません。
そのため早く炎症を引くことが最も重要なポイントとなります。
炎症が長引き痛みがなかなか減らないとリハビリの進みも遅れ、結果として入院日数が伸びてしまいます。
そのため炎症管理は必ず行ってください。
手術後の炎症管理で一番重要なのは、手術した部分をアイシングで良く冷やすことです。
炎症管理の方法についてはこちらでご紹介しているのでご覧ください。→炎症管理についてはこちら
外出・外泊について
ある程度リハビリが進み、歩行や生活動作が行えるようになり退院ができそうなぐらい回復した時期に、一度ご自宅に外出や外泊をします。
病院によってご自宅へ外出や外泊を一度していただくようなシステムを取っていない場所もあるため、担当のリハビリスタッフに聞いてみてください。
私個人の考えでは、外出や外泊は必ず行った方がいいと考えています。
理由として、病院の環境とご自宅の環境は違うからです。
患者さんやご家族からご自宅内の手すりの位置や段差の高さ、浴槽の高さなどの情報を教えていただき、ご自宅の生活環境に合わせた状態でリハビリを行います。
しかし全てをご自宅の環境と同じにすることはできません。
実際に、病院で出来ていたことが自宅に帰ると出来なくなってしまうこともあります。
外出や外泊をしないで退院した場合に、病院では出来ていたのに家ではできない、、、
でも、一度退院すると再入院することができない、、、どうしよう、、、
このようにならないためにも一度外出や外泊をしていただき、実際に家で生活をすることができるのかを確認してくることが重要です。
また生活動作で『何ができたのか』、『何ができなかったのか』を明らかにする目的もあります。
これがとても重要なことです。
できた部分を何度もリハビリを行っても意味がないので、できなかった部分を残りの退院までの間に徹底的に練習を行います。
外出や外泊をすることで、いきなり退院するよりご家族や患者さんの不安も軽減するため、このシステムを取り入れている病院に入院される方は是非行ってみて下さい。
退院後のサービス利用とは?
外出や外泊が終わり、主治医からも退院許可がでれば退院となります。
ある程度一人で生活が行えるようになった方は大丈夫ですが、中にはサービスを利用した方が生活が楽に過ごせることもあります。
そのような方はデイサービスやヘルパー等の利用も入院中に検討していく必要があります。
例えば、日中ご家族は仕事に出てしまい一人になってしまう方は、デイサービスやヘルパーを利用し生活を手伝ってもらうケースもあります。
デイサービスは朝迎えに来てくれて、夕方に送ってきてくれます。
場所によっても内容は違いますが、食事をしたり入浴をしたりレクリエーションをしたりして1日を過ごしてきます。
ヘルパーを利用した場合は、例えば食事の準備を手伝ってもらったり生活動作の手伝いをしてもらいます。
注意点として、退院後のこれらのサービスは介護保険分野となるため、介護保険を取得することが条件となるので注意してください。
まとめ
今回ご紹介した例として、元々一人で歩け身の回りの動作が出来ていたレベルの方の大腿骨頸部骨折後の手術からから退院についてご紹介てきました。
手術後、リハビリは翌日から開始となります。
手術後は炎症症状が強いため、炎症管理がとても重要です。
炎症が長引くとリハビリがうまく進まず入院日数も伸びてしまいます。
そのため、入院中の炎症管理はとても重要です。
リハビリが進み退院できそうはレベルになってきたら、一度ご自宅へ外出や外泊をしていただきます。
そして実際にご自宅過ごしてみて、何が『できたのか』、『できなかったのか』を明らかにしてきてもらいます。
できなかった部分を残りの退院までの間に徹底的に練習を行います。
ある程度一人で生活が行えるようになった方は大丈夫ですが、中にはサービスを利用した方が生活が楽に過ごせることもあります。
そのような方はデイサービスやヘルパー等の利用も入院中に検討していく必要があります。
注意点として、退院後のこれらのサービスは介護保険分野となるため、介護保険を取得することが条件となるので注意してください。
リハビリをして退院できるレベルまで回復しますが、入院期間中だけでは理想の状態まで回復することは難しいです。
退院して日常の生活を送っていただくなかで徐々に体力等も回復してくる部分もあるので、回復は長い目でみていただける方がいいと思います。
今回ご紹介したのはほんの一例です。
手術から退院後の生活は十人十色のため、担当リハビリスタッフとよく話し合い個々にあった最前の方法が見つけられるようによく話し合ってみてくださいね!
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