“かかとの痛み”はアキレス腱滑液包炎かもしれません。
運動をして痛い人、パンプスやヒールを履いて痛い人、歩いて痛い人は要注意です。
今回はアキレス腱滑液包炎の症状や原因、治療や痛みの改善方法についてご紹介します。
アキレス腱滑液包炎は運動をする方に起こるイメージがありますが、実は足に合っていない靴を履くことでも起こります。
アキレス腱滑液包炎はしっかりと治療をしないと長引いてしまうため、適切に対処をすることが大切です。
それではご紹介しましょう。
アキレス腱滑液包炎とは?
アキレス腱滑液包炎とは、アキレス腱の近くにある滑液包(かつえきほう)という袋の部分が炎症を起こしている状態です。
〜アキレス腱滑液包〜
①踵骨後部滑液包(しょうこつこうぶ滑液包)
②皮下滑液包(ひか滑液包)
一つ目は、アキレス腱とかかとの骨である踵骨(しょうこつ)の間にある踵骨後部滑液包です。
この滑液包はアキレス腱と踵骨で挟まれているため、アキレス腱が動くことで摩擦が生じます。
二つ目は、アキレス腱と皮膚の間にある皮下滑液包です。
靴やパンプスなど履物によって皮膚が圧迫されることで、皮下滑液包も圧迫され摩擦が生じ炎症が起こります。
このようにアキレス腱滑液包炎の原因は、摩擦や圧迫によって生じます。
アキレス腱滑液包炎の症状とは?
症状は以下のようなものがみられます。
〜症状〜 ・足首を上に動かすと痛い ・歩いたりすると痛い ・押すと痛い(圧痛) ・腫れ ・熱感 など
症状が出る場所は主に“かかと”ですが、踵骨後部滑液包と皮下滑液包では若干場所が異なります。
前者の踵骨後部滑液包は、先程ご説明したようにアキレス腱と踵骨の間に滑液包があるため、アキレス腱より前側に症状がみられます。
後者の皮下滑液包は、アキレス腱と皮膚の間に滑液包があるため、アキレス腱より後ろ側に症状がみられます。
〜症状の場所〜
・踵骨後部滑液包炎 ⇒ アキレス腱の前側
・皮下滑液包炎 ⇒ アキレス腱の後側
かかとの似たような場所に症状が生じますが、炎症を起こしている原因が異なります。
アキレス腱滑液包炎の原因とは?
〜原因〜 ・運動による負担(踵骨後滑液包炎) ・履物が足に合っていない(皮下滑液包炎)
アキレス腱の前側に症状が生じる踵骨後部滑液包炎の原因は、運動によるオーバーユースです。
アキレス腱はふくらはぎの筋肉とつながっているため、足の力を使うとアキレス腱も一緒に動きます。
そのためアキレス腱が動くことで踵骨との間に摩擦が生じ、摩擦が繰り返されることで炎症が生じます。
アキレス腱の後側に症状が生じる皮下滑液包炎の原因は、足に合っていない靴を履くことです。
例えば、きつい靴を履くことで“かかと”が圧迫され、その下にある皮下滑液包も同時に圧迫されます。
圧迫されたまま歩くと常に皮下滑液包に摩擦が生じるため、痛みなどの症状が出現します。
きつい靴以外にもパンプスやハイヒールでも起こるため、女性は特に注意が必要です。
治療 や 痛みの改善方法 とは?
〜改善させる5つのポイント〜
①薬の使用や安静
②運動量の調整
③履物の見直し
④インソールの使用
⑤ストレッチ
治療は主に消炎鎮痛剤の投与や局所の安静が行われます。
医者の治療以外も重要で、運動をされている方は運動量を減らし安静にしましょう。
またパンプスやきつい靴を履いている方は、靴のサイズや形を見直し、自分の足に合っている履物を選択しましょう。
履物の変更に合わせて、このようなサポーターを使うのもよいです。
サポーターを使うことで”かかと”がやや上がった状態や、患部の保護にもなります。
かかとが上がることでアキレス腱が緩むため、滑液包の摩擦が減ります。
最後に、アキレス腱伸ばしのストレッチをよくしておきましょう。
アキレス腱が固いと、滑液包への圧迫が強くなり症状が出やすくなります。
アキレス腱のストレッチをすることでアキレス腱がゆるみ、滑液包への圧迫が軽減するため効果的です。
是非、行ってみてくださいね。
アキレス腱滑液包炎での手術とは?
基本は保存療法での治療となります。
しかし、中には手術になるケースもあります。
踵骨後部滑液包は、踵骨とアキレス腱の間にあるとご説明しましたね。
何らかの理由で、踵骨に骨棘(こつきょく)という骨の出っ張りができている方がいらっしゃいます。
この骨棘が摩擦の原因となり滑液包炎を起こしている場合は、症状が回復したとしても再び滑液包炎が出現する可能性があります。
この場合は、手術で骨棘を切除することもあります。
まとめ
かかとの痛みはアキレス腱滑液包炎かもしれません。
症状は主に炎症症状や歩行時の痛みがみられ、運動されている方や普段パンプスなどを履かれる方にみられます。
治療として、医師の治療、運動のセーブや靴の見直し、ストレッチなどを行い、症状が軽減されることが多いです。
かかとの痛みはアキレス腱滑液包炎である可能性があるため、みなさんも注意しましょうね。
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