坐骨神経は仙骨神経叢の中の一つの神経です。
この神経は坐骨神経痛と大きな関係がありとても重要な神経の一つです。
今回は仙骨神経からつながる坐骨神経やその他の神経の構造や働きについてご紹介します。
仙骨神経は仙骨の間から出ている神経で足までつながっている多くの神経があります。
『S(エス)の1』『S(エス)の2』など聞いたことがあるのではないでしょうか。
『S』はsacral never(仙骨神経)の略であり、S1は第1仙骨神経、S2は第2仙骨神経を指し、仙骨には第1〜5仙骨神経(S1〜S5)があります。
この仙骨神経の集まりを仙骨神経叢(せんこつしんけいそう)といいます。
腰神経についてはこちらでご紹介しています。
ご興味がある方はご覧ください。
それでは有名な神経を一つずつみていきましょう。
仙骨神経叢とは?
仙骨神経叢は第4腰神経(L4)〜第4仙骨神経(S4)より構成されています。
この仙骨神経叢からの神経は直接的に梨状筋、内閉鎖筋、上・下双子筋、大腿方形筋につながり筋肉の働きに関与します。
仙骨神経は梨状筋上孔(りじょうきんじょうこう)と梨状筋下孔(りじょうきんかこう)という部分から出ます。
梨状筋上・下孔は梨状筋が大坐骨孔(だいざこつこう)を上下に分けてできるスペースのことです。
大坐骨孔は大坐骨切痕(だいざこつせっこん)、仙結節靭帯(せんけっせつ靱帯)、仙棘靭帯(せんきょく靱帯)に囲まれた部分です。
この部分から仙骨神経は出ます。
大坐骨孔の上には梨状筋があり、梨状筋の上が梨状筋上孔、下が梨状筋下孔になります。
上殿神経(じょうでん神経)とは?
上殿神経は第4腰神経(L4)〜第1仙骨神経(S1)であり、梨状筋上孔から出て殿部の深いところを通ります。
上殿神経は中殿筋や小殿筋、大腿筋膜張筋といった股関節を外に開く筋肉を動かす神経です。
この中で特に中殿筋が重要であり、中殿筋の働きが低下するとトレンデレンブルグ歩行やデュシェンヌ歩行といったカラダに負担のかかる歩き方になってしまいます。
トレンデレンブルグ歩行やデュシェンヌ歩行、中殿筋の効果的なトレーニング方法についてはこちらで説明しています。
下殿神経とは?
下殿神経(かでん神経)は第5腰神経(L5)〜第2仙骨神経(S2)であり、梨状筋下孔から出て殿部の深いところを通ります。
この神経はお尻の筋肉である大殿筋の働きに関与します。
この神経が損傷するとお尻の筋肉は低下しタプタプ状態になり、カラダをのけぞって筋肉を使わずに歩くようになってしまいます。
後大腿皮神経とは?
後大腿皮神経(こうだいたいひ神経)は第1仙骨神経(S1)〜第3仙骨神経(S3)であり、梨状筋下孔から殿部の深いところを通ります。
この神経は大腿から膝の後側の皮膚感覚、殿部や会陰・陰嚢といった皮膚の感覚にも関与します。
坐骨神経とは?
坐骨神経(ざこつ神経)は第4腰椎神経(L4)〜第3仙骨神経(S3)であり、梨状筋下孔から骨盤腔を通り足の方へ行きます。
坐骨神経はカラダの中で最大の神経です。
坐骨神経は内閉鎖筋・上下双子筋・大腿方形筋といった股関節外旋筋群の一部、大内転筋、太ももうらの筋肉であるハムストリングス(大腿二頭筋・半腱様筋・半膜様筋)、膝下の足のすべての筋肉、膝下のほとんどの皮膚感覚に関与します。
このように坐骨神経は多くの筋肉の働きや感覚に関与してる重要な神経です。
坐骨神経の上には梨状筋があり固くなると坐骨神経を圧迫し坐骨神経痛になってしまします。
これを梨状筋症候群といいます。
梨状筋症候群についてはこちらで詳しくご紹介しています。
ご興味がある方はどうぞ。
まとめ
仙骨神経はS1〜S5まであり、仙骨神経の集まりを仙骨神経叢といいます。
仙骨神経叢には上殿神経、下殿神経、後大腿皮神経、坐骨神経があります。
仙骨神経の中で最も重要なのが坐骨神経であり、多くの筋肉の働きや皮膚感覚に関与しています。
また坐骨神経の上には梨状筋があるため、この筋肉が固くなると坐骨神経痛につながります。
今回は仙骨神経についてご紹介してきました。
これでみなさんも坐骨神経痛が出る理由がわかったのではないでしょうか!
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