半月板という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
半月板は膝にある重要な組織で、スポーツで損傷するケースが多いです。
また膝の中でも損傷することが多い部位でもあります。
今回は半月板の機能や役割のご紹介をします。
半月板とは?
半月板は膝関節にあり、大腿骨と脛骨の間にあります。
イラストでイメージしてみましょう。
半月板には内側半月板と外側半月板があります。
半月板は内側と外側にありますが、特徴や機能が違います。
半月板は線維軟骨で形成されており、内側半月板はC型、外側半月板はO型の形をしています。
内側半月板は関節包を介して、内側側副靭帯や半膜様筋腱とつながっており可動性は少ないです。
外側半月板は外側側副靭帯との連結はなく可動性は内側半月板より大きいです。
引用1)
まずは半月板の機能についてご説明します。
半月板の主な機能とは?
①関節の適合性を良好にする
②緩衝作用
③可動域を適正に保つ
④関節内圧を均等化する
⑤滑液を分散させる
半月板があることで、衝撃による大腿骨と脛骨へのダメージが軽減されています。
半月板の血行分布とは?
半月板の血行分布は、辺縁部の10〜30%のみに存在します。
中心に近い所から内縁部までは血管がとぼしいため修復能力は乏しいです。
辺縁部(半月滑膜移行部から3mm以内)しか血行が存在しません。
そのため辺縁部で発生した断裂は治癒しますが、中心に近い無血行野では十分な治癒作用はしないと考えられています。
これにより半月板縫合術は辺縁部の血管がある部分を行い、内縁部は行いません。
半月板の動きとは?
〜伸展運動〜
膝伸展に合わせ、半月板は前方へ移動 引用2)
〜屈曲運動〜
膝屈曲に合わせ、半月板は後方へ移動 引用2)
外側半月板の可動性が大きく、最大屈曲位までに内側半月板後角が9mm後方移動し、外側半月板後角は13mm後方へ移動
内側を軸とし、外側が多く後方へ移動するため、膝屈曲に伴って下腿は内旋してきます。
屈曲120°で下腿内旋30°が目安
〜回旋運動〜
脛骨内旋運動:内側半月板は前方へ移動,外側半月板は後方へ移動 引用2)
脛骨外旋運動:内側半月板は後方へ移動,外側半月板は前方へ移動 引用2)
膝屈曲位での脛骨内旋では外側半月板後節に、脛骨外旋では内側半月板後節に応力が集中します。
ポイントとして、半月板は大腿骨顆部と共に移動します。
そのため大腿骨顆部の動き覚えておけば半月板の動きもわかります。
円板状半月とは?
半月板の形状は正常の場合と円板状半月と言われる『半月板の奇形』があります。
95%の方が両側に存在するとされています。
円板状半月は発生率3〜7%といわれ、ほとんどが外側半月板に発生します。
円板状半月は構造上、比較的軽微な外力で損傷します。
引用3)
円板状半月は通常の半月板より大きいため、日常生活が引っかかりを感じるケースがあります。
しかし、損傷や痛み等なければ現段階では特に気にすることはありません。
まとめ
半月板は膝にある重要な組織で、スポーツで損傷するケースが多いです。
半月板には内側半月板と外側半月板があります。
半月板は線維軟骨で形成されており、内側半月板はC型、外側半月板はO型の形をしています。
半月板の機能として、①関節の適合性を良好にする ②緩衝作用 ③可動域を適正に保つ ④関節内圧を均等化する ⑤滑液を分散させる があります。
半月板の血行分布は、半月板の外の辺縁部の10〜30%のみに存在します。
半月板の動きは、膝伸展に合わせ半月板は前方へ、膝屈曲に合わせ半月板は後方へ移動します。
半月板の形状は正常の場合と円板状半月と言われる『半月板の奇形』があります。
円板状半月は発生率3〜7%といわれ、ほとんどが外側半月板に発生します。
円板状半月は通常の半月板より大きいため、日常生活が引っかかりを感じるケースがあります。
しかし、損傷や痛み等なければ現段階では特に気にすることはありません。
今回は半月板についてご紹介してきました。
スポーツで半月板損傷を起こすことが多く、半月板の知識を知っておくことはとても重要です。
半月板はとても重要な部位の一つなので、知識として頭の片隅に残しておくといいと思います!
参考・引用文献
1)大久保圭:膝内障(半月板損傷,関節遊離開体,棚障害,膝蓋骨亜脱臼).整形外科看護19(5):490-495, 2014.
2)佐藤 謙次:半月板損傷に対する的確・迅速な臨床推論のポイント:理学療法28巻1号.2011.
3)園部 俊晴ら:スポーツ外傷・障害に対する術後のリハビリテーション.運動と医学の出版社 .2010.
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