足関節の後側やアキレス腱部の痛みは、三角骨が原因かもしれません。
特にバレエや水泳、サッカーをしている方は要チェックです。
今回は三角骨障害の原因や治療、手術やリハビリ、スポーツ復帰時期についてご紹介します。
三角骨(さんかくこつ)という骨を聞いたことありますか。
三角骨は足関節にある骨で、成人の10人に1人の割合で存在します。
足関節の後側に痛みが生じている方は、この三角骨が原因かもしれません。
それでは三角骨について詳しくみていきましょう。
三角骨とは?
三角骨といえば手のひらにある骨ですが、実は足にも三角骨がある場合があります。
足の三角骨は全員にあるわけではなく、成人の10人に1人の割合で存在します。
では三角骨とはどのようなものなのでしょうか。
簡単にいうと、普通ならないはずの小さい骨がある状態です。
イラストを使ってみていきましょう。
三角骨は距骨の後側にある小さい骨です。
小学校高学年である8〜11歳頃に距骨の後側に骨が出てきますが、その部分がうまく骨としてくっつかず小さい骨として残ってしまったものが三角骨です。
距骨の後側にある三角骨のもとの骨は、距骨後突起外側結節部(きょこつこうとっきがいそくけっせつぶ)に出てきた骨です。
三角骨障害の症状とは?
三角骨が原因で痛みが生じていることを三角骨障害といい、足関節の後側やアキレス腱部周囲に痛みを感じます。
日常生活レベルであれば痛みを感じるケースは少なく、主にスポーツ中やスポーツ後に痛みを感じる方が多いです。
症状が悪化すると、足首が腫れたり、足首全体に痛みが生じてしまいます。
三角骨障害の痛みの原因とは?
それでは痛みの原因について詳しくご説明します。
三角骨があると、スポーツ時に痛みを生じることがほとんどです。
スポーツの中でも、特にバレエ、水泳、サッカーといった足首を伸ばす動きの多い競技でみられます。
足首を伸ばす動きを、足関節底屈といいます。
足関節の動きについて、こちらで詳しくご紹介しています。
ご興味がある方はご参考にしてください。
痛みの原因とは?
三角骨が原因の痛みは足関節底屈の動きと関係があります。
まず足関節の骨について確認しましょう。
足関節が底屈すると、脛骨の後果に向かって踵骨が近づきます。
脛骨の後果まで踵骨が近づいてきますが、三角骨があると途中で挟まれることで痛みが生じます。
このように足関節底屈で痛みが生じるため、バレエや水泳、サッカーといった底屈運動を多用するスポーツで起こるケースが多いです。
痛みの検査方法とは?
三角骨が痛みの原因かどうか調べるには、足関節底屈テストを行います。
このテストは強制的に足関節を底屈させ、痛みが出現するか確認します。
痛みが出現する場合は、脛骨の後果と踵骨の間に三角骨が挟まることで痛みが生じているということです。
方法は簡単で、手で足を持ち強制的に底屈方向へ動かします。
痛みが出現すれば三角骨が原因の可能性が高いです。
注意点として、足関節はまっすぐ伸ばすことです。
内側にひねりながら底屈すると、正確にテストできないため注意しましょう。
治療方法とは?
それでは治療についてご紹介しましょう。
治療方法は保存療法と手術療法があり、第一選択として保存療法が選択されます。
保存療法とは?
痛みが生じ腫れているときは、足関節の中に水が溜まっています。
膝に水が溜まるのと同じですね。
そのため保存療法として、まずは活動量の制限や消炎鎮痛剤の投与、ステロイド注射などで患部の炎症や痛みを抑えます。
患部の状態に合わせながら、足関節に負担のかからないよう動作の修正も行っていきます。
完全にスポーツを休むというわけではなく、足関節に負担がかからず炎症が悪化しない程度に行います。
手術療法とは?
保存療法でも治らなければ、手術療法になります。
最近の手術は内視鏡で行われることが多く、場合によっては切開手術が選択されます。
これは担当する医師がどちらかを選択します。
内視鏡は足首の後ろに小さい穴を開け、そこから筒状の治療器具を使って三角骨を切除します。
切開手術は皮膚を切って三角骨をを切除する方法になります。
内視鏡は皮膚を切らないため、切開手術より痛みが少ないメリットがありますが、デメリットとして小さい穴にカメラを入れて手術を行うため医師のテクニックが必要となります。
三角骨を切除するという目的は一緒ですが、小さい穴を開けて内視鏡で行うのか、皮膚を切って目視で手術を行うのかに違いがあります。
手術後のリハビリとは?
手術後は翌日よりリハビリが開始されます。
関節可動域練習は手術後3日以内に開始されることが多く、なかには手術翌日より開始となるケースもあります。
足に体重をかける練習は手術後3日以内に開始されることが多く、なかには手術翌日から開始となったり数週間後から開始となったりと、手術の状況や医師の考え方によって多少の違いがあります。
私の経験では手術翌日より関節可動域練習や荷重・歩行練習が開始となりました。
手術翌日、手術の影響による炎症症状が強いです。
三角骨の手術は、関節の手術をしているのではなく余分な骨や悪さしている骨を取り除くため、関節自体に大きな影響はないため、早い段階から関節可動域練習や荷重練習が開始となります。
スポーツ復帰の時期とは?
どのくらいでスポーツ復帰できるのでしょうか。
スポーツの競技特性等で若干変わりますが、スポーツ復帰時期の目安として、手術後3ヶ月ぐらいです。
スポーツ復帰は主治医と担当のリハビリのヒトと相談し決定します。
無理にスポーツ復帰の時期を早めすぎると炎症症状が悪化する恐れがるため、スポーツを行う際は、担当の医師や理学療法士に相談しましょう。
まとめ
今回は三角骨についてご紹介してきました。
スポーツ中の足関節の後側の痛みは、三角骨が原因の可能性があります。
足関節底屈テストを行い、痛みがある際は整形外科を受診するようにしましょう。
バレエや水泳、サッカーをしている方は、是非覚えておいてくださいね!
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