妊婦の方はサイトメガロウイルスに注意が必要で、感染すると出生後に子供に後遺症が生じる可能性があります。
小さいお子さんから感染することが多く、ご紹介する3つの対応をしないと感染する可能性が高くなります。
“サイトメガロウイルス”というウイルスを聞いたことはありますか。
“トキソプラズマ”などはよく聞くと思いますが、最近注目されているのが“サイトメガロウイルス”で初めて聞く方も多いのではないでしょうか。
サイトメガロウイルスに感染してしまうと、出生後に子供に後遺症が出現する可能性があり、事前に対応することがかなり重要となります。
しかしサイトメガロウイルスの検査を行っている病院もまだ数少なく、大きな大学病院などでないと行っていない地域もあります。
そこで多くの方に“サイトメガロウイルス”を知っていただき感染予防をしていただきたいと思い、今回は号外として『サイトメガロウイルス』についてご紹介します。
サイトメガロウイルスは事前に予防することができるため、妊婦の方はしっかりと対応することをオススメします。
サイトメガロウイルスとは?
トキソプラズマや風疹など、妊娠中に注意するウイルスは多くあります。
そのなかで“サイトメガロウイルス”というウイルスをご存知ですか。
最近注目されているウイルスの一つで、妊婦中に感染してしまうと生まれてきた赤ちゃんに発達遅延などの後遺症が生じる可能性があります。
サイトメガロウイルスの患者数はダウン症患者数に匹敵する程です。
日本では年間約3000人ほどの赤ちゃんが母親から感染しています。
どのくらいの確率で感染するの?
サイトメガロウイルスは、妊娠前から感染し抗体を持っている方が約7割いらっしゃいます。
この方々は、妊娠中にサイトメガロウイルスにかかる可能性は比較的低いです。
再度、感染したとしても胎児に感染する可能性はおよそ0.2〜2%程度です。
反対にサイトメガロウイルスの抗体を予めもっていない30%の妊婦の方が危険です。
この場合、1〜4%の確率でサイトメガロウイルスに感染してしまった場合、胎児に感染する確率が30〜50%とかなりの確率となります。
そのた予め予防をすることが非常に重要となります。
サイトメガロウイルスの検査とは?
サイトメガロウイルスの検査は、基本的に採血で行われます。
まず採血でサイトメガロウイルスの有無を調べます。
70%の妊婦の方は元々抗体を持っているため、採血結果が陽性であることがほとんどです。
この時点で陰性だった場合、現時点でサイトメガロウイルスにかかっていませんが、抗体も持っていないということにもなります。
先ほどご紹介したように、抗体を持っていない方がサイトメガロウイルスにかかってしまった場合、胎児が感染する可能性が上がるため予めしっかりとした予防が重要となります。
採血で陽性が出た方は、サイトメガロウイルスにいつ感染したのか調べます。
再度血液検査を行い、元々抗体として持っていたのか、もしくは最近感染したのか調べます。
検査の結果、元々感染していたものであれば陽性でも抗体があることになり、感染するリスクが減ります。
逆に新しい感染だった場合、30〜50%の確率で胎児に感染する恐れがあります。
胎児の感染の有無に関しては羊水検査にて行われます。
感染してしまった胎児の約80%が無症候性、約20%が症候性として出生します。
(症候性とは:症状が出るという意味)
出生児の症状は以下のものが見られることがあります。
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〜出生児の症状とは〜
低出生体重
脳内石灰化
血小板減少
貧血
小頭症
水頭症
脳内石灰化
血小板減少
貧血
肝脾腫
肝機能異常
紫斑
肺炎
けいれん
黄疸
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[icon image=”finger1-b”]無症候性の場合出生児の約10〜15%に精神遅滞や難聴の症状が生じる可能性があります。
残りの90%程度は正常に発達します。
[icon image=”finger1-b”]症候性の場合
出生児の約90%に運動障害、精神発達、難聴などが生じる可能性があります。
残りの10%程度は正常に発達します。
サイトメガロウイルスに感染していた場合は?
サイトメガロウイルスに新しく感染してしまった場合は、通われている産婦人科で出産できない可能性があります。
もしくは出産後治療できる医療機関に赤ちゃんが搬送されることもあります。
サイトメガロウイルスの症状とは?
サイトメガロウイルスに感染してしまった場合、出現する可能性のある特徴の症状は次の2つです。
〜特徴の症状〜
網脈絡膜炎
感音性難聴
このようにサイトメガロウイルスの症状の特徴として、聴覚や視覚障害があります。
この他にも精神遅滞や運動障害などの症状もみられます。
サイトメガロウイルスの予防方法とは
サイトメガロウイルスは事前にしっかりと予防をすることで、感染を防ぐことができます。
必ず行うべきサイトメガロウイルスの予防法は次の3つです。
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〜予防方法〜
子どもの唾液やおむつに注意
手洗いをする
同じものは食べない
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サイトメガロウイルスは、感染している子供とそうでない子供が保育園などで接触することで感染します。
感染した子供と妊娠中に接し、唾液や尿などを介して感染してしまいます。
例えば、子供が遊んだおもちゃを触った手で口を触る、オムツを変えた後に手を洗わないなど、このような行為で感染してしまいます。
そのため、妊娠中は子供と同じものを食べるのは避けたりし、唾液が口に入らないようにしましょう。
また、おむつを替えた時はしっかりと手洗いをしましょう。
〜注意する物・共有物〜 食べ物 コップや食器 おむつ おもちゃ 鼻水 唾液
上記のものに接触した場合は、アルコール除菌や石けんで手洗いをしっかりとし対応しましょう。
また接触した物品に関しても、アルコールを利用ししっかりと拭いておきましょう。
サイトメガロウイルスの治療とは?
出生後にサイトメガロウイルスの感染の有無に関しては、3週間以内に検査を行います。
遅すぎると先天性かどうかわからなくなってしまうからです。
様々な検査を行いサイトメガロウイルスに感染していた場合は、抗ウイルス療法が行われます。
まとめ
今回はサイトメガロウイルスについてご紹介しました。
サイトメガロウイルスは最近注目されているウイルスで、胎児が感染してしまうと難聴や精神遅滞などの後遺症が出現する可能性があります。
しかしサイトメガロウイルスは事前に予防できるため、妊娠中の方は必ず予防を行っておきましょうね。
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