腓骨筋腱脱臼は捻挫と間違えられることがあります。
足首の外くるぶし周囲に痛みが出たり、引っかかり感がある場合は腓骨筋腱脱臼の可能性があります。
受傷場面はスポーツで踏ん張った時やステップをした時に起こります。
今回は腓骨筋腱脱臼の症状や原因、治療、リハビリについてご紹介します。
腓骨筋腱脱臼は捻挫と間違えられることがあり、腓骨筋腱脱臼特有の症状を把握することが重要です。
腓骨筋腱が一度脱臼すると反復性に脱臼してしまうため、治療が必要になります。
スポーツなどで腓骨筋に強い筋収縮が加わると起こる傷害であり、誰しもがなる可能性があります。
それではご説明していきます。
腓骨筋腱脱臼とは?
腓骨筋腱とは?
まず腓骨筋腱を確認してみましょう。
腓骨筋は足の外側にある筋肉で、スネの横から外くるぶしの後ろを通って足の裏につきます。
腓骨筋には2種類あり、長腓骨筋(ちょうひこつきん)と短腓骨筋(たんひこつきん)があります。
腱とは筋肉と骨をつなぐ部分で、腓骨筋腱は外くるぶしの後ろにあります。
この腱が脱臼してしまうのが腓骨筋腱脱臼です。
腓骨筋腱脱臼の病態とは?
腓骨筋腱脱臼は、腓骨筋腱が脱臼をしてしまう状態です。
腓骨筋腱の上には上腓骨筋支帯(じょうひこつきんしたい)というカバーのようなモノがあります。
このカバーが損傷することで腓骨筋腱が脱臼してしまいます。
腓骨筋腱脱臼の症状とは?
腓骨筋腱脱臼の症状として、外くるぶしの後ろ側の腫れ・熱感・発赤・痛みといった炎症症状がみられます。
受傷直後の症状は捻挫とも似ているため、間違えられることがあります。
そのため腓骨筋腱脱臼の特有の症状である“引っかかり感”や“脱臼”を調べる必要があります。
脱臼の検査方法として、腓骨筋腱を前側に圧迫しながら足首を上にあげ外側に返すと脱臼が起こります。(足関節背屈・外反)
腓骨筋腱脱臼が起こりしばらく経っている場合は、歩いている時に外くるぶしに弾発音を伴う脱臼や痛みが生じます。
また意識的に脱臼をさせることもできるため、その場合は受診をしたほうがいいでしょう。
腓骨筋腱脱臼の原因とは?
脱臼は足関節の背屈・外反(上げる・外に返す)や底屈・外反(下げる・外に返す)の状態で腓骨筋に強い力が加わることで起こります。
この他にも捻挫のような足関節が内反(内側に返す)の状態で、腓骨筋が強く収縮することでも起こります。
足首の位置も関係しますが、主な原因はこのように腓骨筋に強い収縮が起こることで腓骨筋腱の上のカバーである上腓骨筋支帯が損傷してしまうことです。
腓骨筋腱脱臼の治療とは?
治療には保存療法と手術療法があります。
保存療法はギプスで固定しますが、固定期間や足に体重をかけれない期間が長いのが特徴です。
また再脱臼する可能性もあるため、保存療法ではなく手術療法を選択するケースが多いです。
手術療法では、損傷した上腓骨筋支帯を修復し脱臼するのを防ぎます。
入院期間は短く、1週間以内に退院することが多いです。
手術後のリハビリとは?
リハビリは手術翌日より開始となります。
足関節は2〜3週間シーネで固定し、体重をかけるのは禁止となります。
主治医によっては、リハビリ中のみ痛みのない範囲で動かしてもいい場合があります。
この期間は体重をかけることができないため、松葉杖での生活になります。
傷の状態がよければお風呂にも入れますが、足をつくことができないため注意が必要です。
固定期間後は徐々に体重をかける練習をしていき、2ヶ月ぐらいでジョギング開始となります。
スポーツ復帰はスポーツの種類や身体機能の状態にもよりますが、おおよそ3〜4ヶ月程度です。
まとめ
今回は腓骨筋腱脱臼についてご紹介してきました。
脱臼は腓骨筋が強い収縮をすることで起こるため、誰しもがなりえる傷害の一つです。
症状は捻挫と似ていますが、腓骨筋腱脱臼の特有の症状として引っ掛かり感や脱臼が生じるため、この症状がみられた場合は受診しましょう。
スポーツをする方は知っておいたほうがいい傷害の一つです。
頭の片隅にいれておきましょう。
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