みなさんの足の裏はへこんでいますか?
足の裏のへこみを”アーチ”といい、とても重要な働きをしています。
今回は足のアーチの構造や働き、トレーニング方法についてご紹介します。
足のアーチとは?
足の裏のへこんでいる部分をアーチといいます。
みなさんがよく知っている『偏平足』とはこのアーチのへこみが減り平らになった状態です。
アーチには①内側縦アーチ、②外側縦アーチ、③横アーチがあります。
アーチの働きとして体重がかかった際に床からの衝撃を吸収し、その衝撃をエネルギーとして蓄え利用することができます。
アーチの説明の前にアーチは足の骨との関わりが深いため、まず骨の復習から行いましょう。
このように多くの骨があります。
それではアーチについてみていきましょう。
内側縦アーチとは?
まず内側縦アーチからご説明します。
内側縦アーチはみなさんがご存知の内側の部分です。
この部分になります。
内側縦アーチを構成している骨は①踵骨 ②距骨 ③舟状骨 ④内側楔状骨 ⑤第一中足骨です。
このように骨によってドーム状にアーチが作られています。
アーチは骨以外にも靱帯や筋肉によって支えられています。
静止時では靱帯で支持されています。
スプリング靱帯、距踵靱帯、楔舟靱帯などが関係しています。
動作時は筋肉によって支持されます。
前脛骨筋、後脛骨筋、長腓骨筋、長母趾屈筋、短母趾屈筋、長趾屈筋、母趾外転筋など多くの筋肉が働きます。
イラストで筋肉をみてみましょう。
外側縦アーチとは?
次に外側縦アーチについてご説明します。
この部分になります。
外側縦アーチは①踵骨、②立方骨、③第5中足骨によって構成されています。
内側縦アーチを比べると高さが低く、長さも短いのが特徴です。
静止時は、長足底靭帯、踵立方靱帯、足根中足靱帯で支持されます。
動作時は、長腓骨筋、短腓骨筋、短趾屈筋、小趾外転筋、短小趾屈筋、小趾対立筋が働きます。
横アーチとは?
最後に横アーチについてご説明します。
横アーチは内側縦アーチと外側縦アーチの間にできるものです。
そのためアーチの位置によって構成するものが変わります。
足の裏の真ん中あたりを中足部レベル、前の方を前足部レベルといいます。
中足部レベルのアーチは、内・中・外楔状骨と立方骨によって構成されます。
静止時は楔間靱帯と楔立方靱帯で支持され、動作時は長腓骨筋が働きます。
次に前足部レベルについてご説明します。
前足部のアーチは第1〜5中足骨骨頭によって構成されます。
(上記にイラスト表示)
静止時は深横中足靱帯で支持され、動作時は母趾内転筋横頭が働きます。
足趾の筋肉についてはこちらで詳しくご紹介しています。
さらに知識を深めたい方や復習をする方はこちらをどうぞ。
アーチの働きとは?
足裏のアーチはなんのためにあるのでしょうか?
その疑問を解決していきましょう。
足のアーチには2つの重要な機能があります。
一つ目は衝撃緩和です。
体重をかける際に、アーチで衝撃吸収をするのに加えアーチが下がることで床と接地する面積が大きくなります。
このことをトラス構造といいます。
引用1)
このように足裏の筋肉が緩みアーチで衝撃が緩和されます。
二つ目は床を蹴る力が強くなります。
引用1)
このように足の指を上げる事で足の裏の筋肉が張り、アーチが上に引き上げられます。
引き上げられることでアーチが安定し、前足部で床を蹴るときに安定し強い力を出すことができます。
これをウィンドラス機構といいます。
偏平足になるとアーチがつぶれ下がってしまうため、トラス機構やウィンドラス機構が正常に機能しなくなってしまいます。
アーチのトレーニング方法とは?
アーチが落ちないようにするためには筋肉をトレーニングが必要です。
アーチを支える筋肉を効果的にトレーニングする方法としてタオルギャザーがオススメです。
タオルギャザーは床にタオルを引き、足でたぐり寄せる方法です。
タオルギャザーの効果的な方法や注意点については、こちらで詳しくご紹介しています。
正しいタオルギャザーのやり方はこちらです。
後脛骨筋のトレーニング方法はチューブを使い行います。
後脛骨筋の働きは底屈と内反です。
方法は足を下げながら内側にひねるようにしましょう。
前脛骨筋のトレーング方法は足首を上げるようにし行います。
注意点は足の指を丸めて行うことです。
指を上げると他の筋肉を使ってしまい前脛骨筋が効果的に使えません。
必ず指を丸めて足首を上げるようにしましょう。
腓骨筋のトレーニングはチューブを使いこのように行いましょう。
長・短腓骨筋の働きは底屈と外反です。
方法は足を下げながら外側にひねりましょう。
まとめ
足には内側縦アーチ、外側縦アーチ、横アーチの計3つのアーチがあります。
アーチは多くの骨によって構成され、筋肉や靱帯によって支持されています。
アーチの働きは、床からの衝撃吸収と足の蹴る力を強くすることです。
アーチは歩きや走る際に衝撃を緩和する働きがあるため、しっかりとトレーニングすることが重要です。
今回ご紹介したトレーニング方法でしっかりとアーチを鍛えましょう!
参考・引用文献
1)吉田昌平ら:足関節・足部の機能解剖学的理解のポイント.理学療法.31(2).131-143.2014
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