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肩甲骨や肩関節の解剖学や筋肉をイラストを使って徹底解説!

 

肩関節を理解するうえで、肩甲骨の解剖や肩甲骨につく筋肉を知ることは重要となります。

今回は肩甲骨の解剖や動き肩甲骨につく筋肉をイラストを使ってわかりやすくご紹介します。

 

肩関節の動きは肩甲骨と上腕骨の両方の動きによって作られています。

そのため肩甲骨についてしっかりと理解しておくことがとても大切です。

 

また肩甲骨には多くの筋肉がつき、それによって肩関節や肩甲骨が安定させています。

それでは詳しくご紹介していきましょう。

 

肩甲骨とは

肩甲骨は背中にある2つの大きな平べったい骨のことです。 

まずは肩甲骨の構造についてご説明し、そのあとに筋肉について詳しくご説明します。

 

肩甲骨の構造とは

肩甲骨上角・下角・内側縁とは

肩甲骨上角

肩甲骨の上縁と内側縁により構成される部分を上角(じょうかく)といいます。

  

〜上角に付着する筋肉〜

肩甲挙筋

 

 

〜肩甲骨の位置〜

上角は、第1と第2の胸椎棘突起の間にある。

 

 

肩甲骨下角

肩甲骨の内側の内側縁と外側の外側縁により構成される部分を下角(かかく)といいます。

 

〜下角に付着する筋肉〜

大円筋

広背筋

 

 

〜肩甲骨の位置〜

下角は、第7と第8の胸椎棘突起の間にあります。

 

 

肩甲骨内側縁

肩甲骨の内側の縁を内側縁(ないそくえん)といいます。

 

〜内側縁に付着する筋肉〜

大菱形筋

小菱形筋

前鋸筋

 

〜肩甲骨の位置〜

内側縁は、胸椎棘突起から4横指の位置にあります。

 

 

肩甲骨外側縁

肩甲骨の外側の縁を外側縁(がいそくえん)といいます。

 

肩甲棘・肩峰・棘三角とは

 

肩甲棘

肩甲棘(けんこうきょく)は横に長い棒のように突起した骨の部分です。

これを境に、上側を棘上窩(きょくじょうか)、下側を棘下窩(きょくかか)といいます。

 

〜肩甲棘に付着する筋肉〜

僧帽筋中部線維

三角筋後部線維

 

〜棘上窩に付着する筋肉〜

棘上筋

 

〜棘下窩に付着する筋肉〜

棘下筋

 

 

肩峰

肩甲棘を外側へたどると骨の突起があり、これを肩峰(けんぽう)といいます。

肩峰は前側で鎖骨ともつながっており関節を構成し、この関節を肩鎖関節といいます。

 

 

鎖骨の構造や筋肉、鎖骨骨折については、こちらで詳しくご紹介しています。

ご参考にしてください。

→鎖骨の解剖や鎖骨につく筋肉、鎖骨骨折についてはこちら。

 

〜肩峰に付着する筋肉〜

三角筋中部線維

僧帽筋中部線維

 

 

棘三角

肩甲骨を内側へたどると、三角州に似た部分があります。

これを棘三角といいます。

 

〜棘三角に付着する筋肉〜

僧帽筋下部線維

 

 

関節窩・関節上結節・関節下結節とは

 

関節窩

上腕骨が肩甲骨を関節を構成するくぼみの部分を関節窩(かんせつか)といいます。

 

この関節窩と上腕骨頭によって肩甲上腕関節が構成されます。

みなさんが普段『肩』といっている部分が、肩甲上腕関節のことです。

 

上肢である上腕骨や前腕の詳しい構造や解剖学はこちらでご紹介しています。

こちらをご参考にしてくださいね。

→上腕骨や前腕の構造はこちら

 

関節上結節

関節上結節は関節窩の上側にある骨のでっぱった部分です。

 

〜関節上結節に付着する筋肉〜

上腕二頭筋長頭

 

 

関節下結節

関節下結節は関節窩の下側にある骨のでっぱった部分です。

 

〜関節下結節に付着する筋肉〜

上腕三頭筋

 

烏口突起・肩甲下窩とは

 

 

烏口突起

烏口突起は、関節窩の上内方にある大きく骨が出っぱった部分です。

この部分はカラダの外からでもよく触れます。

 

〜烏口突起に付着する筋肉〜

小胸筋

烏口腕筋

上腕二頭筋短頭

 

〜烏口突起に付着する靱帯〜

菱形靱帯

円錐靭帯

烏口肩峰靭帯

 

 

肩甲下窩

肩甲下窩(けんこかか)は肋骨側の広い肩甲骨の面です。

肩甲骨の肩甲下窩と胸郭の間を、肩甲胸郭関節といいます。

 

 

肩甲骨につく筋肉とは

それでは肩甲骨につく筋肉についてご紹介します。

肩甲骨には多くの筋肉がついており、肩関節や肩甲骨の動き・安定性に関与しています。

 

僧帽筋上部・中部・下部線維

 

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〜僧帽筋の解剖学〜

【起始】

上部線維:後頭骨上項線外後頭隆起、項靱帯

中部線維:第1〜6胸椎棘突起

下部線維:第7〜12胸椎棘突起 

 

【付着】

上部線維:鎖骨の外側

中部線維:肩峰,肩甲棘

下部線維:棘三角

 

【神経】

副神経・頸神経(C2-4)

 

【作用】線維ごとに作用が異なる

上部線維:肩甲骨の挙上、上方回旋

中部線維:肩甲骨の内転、上方回旋

下部線維:肩甲骨の下制、上方回旋

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三角筋前部・中部・後部線維

 

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〜三角筋の解剖学〜

【起始】

前部線維:鎖骨の外側

中部線維:肩峰の外側

後部線維:肩甲棘

 

【付着】

三角筋粗面

 

【神経】

腋窩神経(C5.6)

 

【作用】線維によって作用が異なる

前部線維:屈曲と内旋,

中部線維:外転

後部線維:伸展と外旋

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棘上筋

 

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〜棘上筋の解剖学〜

【起始】棘上窩

【付着】大結節

【神経】肩甲上神経()C5.6

【作用】

肩関節外転

肩の安定化

ローテータカフ(肩板)の一部

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棘下筋

 

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〜棘下筋の解剖学〜

【起始】棘下窩

 

【付着】大結節

 

【神経】肩甲骨上神経(C5.6)

 

【作用】

肩甲骨外旋

肩90°外転位:肩関節外旋。下部線維の方がよく働く

肩90°屈曲位:水平伸展

肩の安定化

ローテータカフ(肩板)の一部

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肩甲下筋

 

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〜肩甲下筋の解剖学〜

【起始】肩甲下窩

 

【付着】小結節

 

【神経】肩甲下神経(C5.6)

 

【作用】

肩関節内旋

肩関節の安定化

ローテータカフ(肩板)の一部

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小円筋

 

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〜小円筋の解剖学〜

【起始】肩甲骨後面の外側縁

 

【付着】大結節

 

【神経】腋窩神経(C5.6)

 

【作用】

肩関節の外旋

肩の安定化

ローテータカフ(肩板)の一部

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大菱形筋

 

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〜大菱形筋の解剖学〜

【起始】第2〜5胸椎棘突起

 

【付着】肩甲骨の内側縁

 

【神経】肩甲背神経(C5)

 

【作用】肩甲骨の内転

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小菱形筋

 

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〜小菱形筋の解剖学〜

【起始】第7頚椎棘突起、第1胸椎棘突起

 

【付着】肩甲骨内側縁

 

【神経】肩甲背神経(C5)

 

【作用】肩甲骨の内転

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大円筋

 

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〜大円筋の解剖学〜

【起始】肩甲骨下角,小円筋の下側

 

【付着】小結節稜

 

【神経】肩甲下神経(C5.6)

 

【作用】

肩関節の内旋

肩90°屈曲位:内旋と伸展

肩90°外転位:内旋と内転

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広背筋

 

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〜広背筋の解剖学〜

【起始】

第7-12胸椎棘突起

腰仙椎棘突起

腸骨稜

下部肋骨

肩甲骨下角

 

【付着】小結節稜

 

【神経】胸背神経(C6-8)

 

【作用】

肩関節伸展・内旋

肩90°外転位:内転と内旋

肩90°屈曲位;伸展と内旋

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前鋸筋

 

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〜前鋸筋の解剖学〜

【起始】第1〜9肋骨

 

【付着】肩甲骨内側縁

 

【神経】長胸神経(C5-7)

 

【作用】

肩甲骨外転

肩甲骨外転位関与する唯一の筋肉

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肩甲挙筋

 

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〜肩甲挙筋の解剖学〜

【起始】第1〜4頚椎横突起

 

【付着】肩甲骨上角

 

【神経】肩甲背神経(C5)

 

【作用】肩甲骨挙上

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上腕二頭筋長頭・短頭

 

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〜上腕二頭筋の解剖学〜

【起始】

長頭:関節上結節、上方関節唇

短頭:肩甲骨烏口突起

 

【付着】橈骨粗面、前腕屈筋腱

 

【神経】筋皮神経(C5.6)

 

【作用】

肘関節屈曲、前腕の回外

長頭:肩関節屈曲

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上腕三頭筋

 

 

 

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〜上腕三頭筋の解剖学〜

【起始】

長頭:関節下結節

外側頭:上腕骨近位背側面の橈骨神経溝より外側

内側頭:上腕骨近位背側面の橈骨神経溝より内側

 

【付着】尺骨肘頭

 

【神経】橈骨神経( C7,8)

 

【作用】

肘関節の伸展

長頭:二関節筋のため、肩関節伸展にも働く

内・外側頭:単関節筋のため、肘の伸展のみに働く

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小胸筋

 

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〜小胸筋の解剖学〜

【起始】第2〜5肋骨

 

【付着】烏口突起

 

【神経】胸筋神経(C5-T1)

 

【作用】肩甲骨の前傾,吸気の補助筋

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まとめ

今回は肩甲骨と肩甲骨につく筋肉についてご説明してきました。

肩甲骨には多くの筋肉がついていて、肩甲骨や肩関節の動きや安定性に関与しています。

 

肩関節を理解するには肩甲骨はとても重要な要素であるため、今回ご紹介した基本的な部分はしっかりと理解しておきましょう。