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ジョーンズ骨折(第5中足骨疲労骨折)の手術・保存治療とは?! サッカー選手は手術を選択することが多い!

ジョーンズ骨折は足の第5中足骨疲労骨折のことで、特にサッカー選手に多い骨折の一つです。

スポーツ選手でジョーンズ骨折をした場合、手術を選択するケースがほとんどです。

今回はジョーンズ骨折の手術療法や保存療法についてご紹介します。


ジョーンズ骨折

ジョーンズ骨折は第5中足骨疲労骨折のことで、特徴として難治性の骨折でもあります。

スポーツ選手など早期に競技復帰が必要なケースでは、手術を選択されることがほとんどです。

手術のご説明の前に、簡単にジョーンズ骨折についてご紹介します。 

ジョーンズ骨折とは?

ジョーンズ骨折(第5中足骨疲労骨折)はスポーツ選手に多い骨折で、特にサッカーやバスケットといったカッティング動作が多い競技で発生します。 

 

ジョーンズ骨折は足部の骨折のうち0.7〜1.9%程度とされており全体的には少ない骨折ですが、発生しやすい競技としてサッカーやバスケットがあげられます。

第5中足骨とは足の小指の骨のことで、この部分の骨折がジョーンズ骨折です。
ジョーンズ骨折

この第5中足骨は血液の栄養供給が乏しく、骨がくっつくまで時間がかかったり、骨がつかず偽関節(ぎかんせつ)になるリスクが高い難治性の骨折です。

 

骨のくっつきが悪く、これが原因でスポーツを引退した選手もいるぐらいです。

ジョーンズ骨折という病名からはあまり想像がつきませんが、実はスポーツ選手にとってとてもシビアな骨折の一つです。

 

ジョーンズ骨折の手術や成績とは?

ジョーンズ骨折の治療は保存療法と手術療法があります。

アスリートなどの競技レベルが高い方の場合、手術によるスクリュー固定が選択されることが多いです。

 

手術療法と保存療法のスポーツ復帰時期を比較した報告では、手術では約3ヶ月程度に対し保存療法では7ヶ月以上かかったという報告があります。

また保存療法では遷延治癒になった症例が多いとの報告もあるため、手術療法を選択されるケースが多いです。

 

手術の時期で比較してみると、遅延手術に対し早期に手術をした方がスポーツ復帰が1ヶ月程度早いという報告もあります。

 

骨の癒合時期で手術療法と保存療法で比較してみると、手術療法では7週に対し保存療法では15週と倍かかったという報告もあれば、ほとんど癒合時期は変わらないという報告もあります。

 

骨癒合に関しては、骨折の度合い、骨折してから手術までの期間、骨折の場所と栄養血管との関係などさまざまな因子が関与するため、一概にどのくらいで骨がつくという明確な期間はわかりません。

 

そのため、その都度レントゲンを撮って骨のつき具合をみながらスポーツ復帰は検討されます。

 

では手術療法についてご説明します。

これが手術後のレントゲン写真になります。
ジョーンズ骨折 手術

引用1)

このようにスクリューを直接小指(第5趾)の骨の中に通し、骨を内側から固定します。

手術のキズはそれほど大きくなく、鉛筆の太さぐらいの穴から手術を行います。

手術時間は比較的短く、手術中の出血量も少ないです。

 

ジョーンズ骨折の場合、手術をしたからといって安心はできません。

重要なのは手術後にしっかりと骨がくっつくかどうかです。

先ほどもご紹介しましたが、骨のくっつきがおそい(遷延治癒:せんえんちゆ)や偽関節(ぎかんせつ)になるリスクがあります。

 

遷延治癒や偽関節を防ぐためには、手術後のリハビリや私生活も重要になります。

以前にジョーンズ骨折後の注意点についてはご紹介しています。

ご興味がある方はご覧ください。

→ジョーンズ骨折の復帰時期、リハビリでの要注意点とは?!

 

ジョーンズ骨折の手術後はどうなる?

基本的に、手術翌日よりリハビリが開始となります。

手術直後は第5趾に荷重をかけることができないため、歩行は踵(かかと)で歩くようになります。

 

基本的に足趾以外は運動可能であり、股関節や体幹などのトレーニングを行っていきます。

ジョーンズ骨折は第5趾にストレスが蓄積された結果起こる疲労骨折であるため、足趾の積極的なリハビリが行えない時期は第5趾にストレスがかかりづらい動作を習得できるように患部外トレーニングを行います。

 

レントゲンで骨のくっつき状態を確認しながら運動負荷量を調整しますが、およそ6週間程度でジョギングが可能になります。

スポーツ復帰まではおよそ3ヶ月かかりますが、骨のくっつき具合や状態によってはもっと時間がかかることもあります。

 

ジョーンズ骨折は再発するケースがあり、中には復帰後にボジションを変更する選手もいらっしゃいます。

完全復帰までは、患部の状態、運動負荷量や運動方法の選択、足に合ったシューズの選択、ポジションの再検討などさまざまなことを考え、再骨折予防も考えつつ調整をしていきます。

 

まとめ

ジョーンズ骨折は第5中足骨疲労骨折のことであり、サッカーやバスケット選手で起こることの多い骨折です。

早期復帰が必要なスポーツ選手の場合、手術はスクリューで固定する方法が多く選択されます。

 

パッと聞くと『ジョーンズ骨折は小指(第5趾)の骨折だから大丈夫でしょ』とイメージしてしまいますが、実はスポーツ選手にとって重要な骨折であり安心してはいられません。 

手術後は無理をせず骨のくっつき状態に合わせ、運動量や運動方法を調整することが重要となります。

 

今回はジョーンズ骨折の手術についてご紹介してきました。

サッカーやバスケットされている方は頭の片隅にジョーンズ骨折の知識を入れておきましょうね!

 

ジョーンズ骨折の症状や手術後のリハビリ、予防方法については以前にご紹介しています。

ご興味がある方はこちらをご覧ください。

→ジョーンズ骨折の症状や原因、リハビリ、予防についてこちら。

 

引用文献

1)田中寿一:サッカーでの第5中足骨疲労骨折.臨床スポーツ医学28(4).387-394, 2011.

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